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クチヒゲノムラガニの生態

退職し晴耕雨読的研究生活に入った元水族館屋の雑感ブログ

トビウオ 飛び回る

2025-07-07 | 雑感


毎日の散歩道の中間に名勝「橋杭岩」がある。ここには春から初夏にかけてアマツバメが集団営巣し、にぎやかになる。アマツバメはツバメよりも一回り大きく、すこぶる速い。その速度は鳥類最速クラスとされる。

さて、渡りが近いせいか、最近、彼らの活動は活発である。距離もあるため、私の200mm中望遠ではシルエット程度にしか捉えることができないが、写った画像を見て驚いた。その飛ぶ姿はまるでトビウオである。両者の体は空体力学的に理想形?。






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アゲハ銀座

2025-07-02 | 雑感



梅雨明けして数が減ったが、私の散歩道はアゲハ銀座である。花が多いせいかやたら飛び交う。蝶も鳥も好きな「いきもの」であるが、共にじっとしていてくれないので撮影が難しい。

昔から「ハッ」とする美しさを持つアオスジアゲハやモルフォチョウのような光沢のあるミヤマカラスアゲハがお気に入りであるが、残念ながら散歩道にはミヤマはいない。それでもカラスアゲハは多いので満足。

散歩道で出会うアゲハは6種。もっと多いはずであるが、識別できていない。数が一番多いのはジャコウアゲハ。名の由来は、雄の成虫が麝香のような匂いを発することから。他のアゲハに比べてヘロヘロと弱々しく飛ぶ。「ガンバレ」とつい応援したくなる。


モンキアゲハ


ジャコウアゲハ


ナガサキアゲハ


カラスアゲハ


キアゲハ


アオスジアゲハ

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串本の海の原風景

2025-06-30 | 雑感







一昨日は調査で串本西部に位置する双島の海岸を泳いだ。ここにはクシハダミドリイシが群生している。このような本種の広大な純群落は、串本の海の普遍的な原風景であったが、今ではほとんど見られなくなっている。



波に反射したサンゴ群落を狙ったのであるが、傑作にはならなかった。

”道の駅から徒歩10分で楽しめる絶景”

2025-06-19 | 雑感



紀勢自動車道上富田町にある道の駅「くちくまの」から徒歩10分の距離にある大乗山に登ってきた。ここには「眺望の道」と名付けられたハイキングコース(40分コースと80分コースの2つがある)が整備されている。道の駅からたった10分で山頂(大乗山・標高90m)に到達し、遠く熊野古道(中辺路)の山々をはじめとして、上富田町・白浜町・田辺市を遠望することができる。道の駅に立ち寄って、ちょっと時間があって、もし晴れていたら、ここのプチ登山をお薦めする。山頂往復だけなら休憩含め30分の行程。

案内看板がたくさん出ているので分かりやすい


山道のすぐの所には山桃の絨毯が敷かれている。今なら漏れなく頭の上に降ってくる。ここで滑ったら悲惨。

山道は整備が行き届いている。


最大の難所。


遠く熊野古道・中辺路の山々を遠望する。


この山道の最大のクライマックスがこの尾根歩き。


尾根を下るとコースの分岐点が出てくる。今回は40分コースを選んだ。

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エダコモンサンゴは2種

2025-06-12 | 雑感
新たにコモンサンゴ類の遺伝子系統解析に取り組んでおり、最近の仕事は専ら遺伝的系統種と形態分類により認識できた形態種とのすり合わせ作業。今回の話は、その作業中に生じた1つの事件である。

エダコモンサンゴという種がある。その名のとおり樹木状の群体形を成すコモンサンゴ類である。沖縄の浅海域にごく普通に分布するという認識が広く共有されているため、この形状を持つものは全て本種に同定されてしまう傾向が強いが、本種と同所的に以下に記す多様な種が混成している。


コツブエダコモンサンゴ Montipora altasepta Nemenzo, 1967


アカジマトゲコモンサンゴ Montipora carinata Nemenzo, 1967


トゲコモンサンゴ Montipora hispida (Dana, 1846)


アラエダコモンサンゴ Montipora samarensis Nemenzo, 1967


シゲミコモンサンゴ Montipora stellata Bernard, 1897


ホソトゲコモンサンゴ Montipora sp. HOSOTOGE


これらの種の中で、エダコモンサンゴだけはちくちくとした棘(霜柱状突起)を持たないので、骨格標本をみれば上記の形態的類似種から本種を区別することは容易である。

はずであった。しかしながら、遺伝子解析によってこれまでエダコモンサンゴとばかり認識していた個体群に2種いることをが判明した。

遺伝子解析は客観的に種の相違や隠蔽種の存在を表してくれるが、その結果に対して形態分類が対応できない場合が多い。つまり、形態では遺伝的系等種、特に隠蔽種をなかなか区別できないのである。形態分類は、「人」が見た目で認識できる形態差のみで種の区別を行うものなので、全ての自然種を識別できるわけではない。ただし、形態分類屋としては、「形態では区別出来ません」とあっさり敗北を認めることはできないので、奮闘するのである。

エダコモンサンゴの遺伝的多型の場合も、形態ではぱっと見区別がつかない。そこで、多数の部位について再計測を行い両型の形態的相違点を探索した。その結果、一方は他方よりも枝がやや太く、時に細粒状突起や疣状突起を形成し(他方は形成しない)、隔壁がやや長いことが分かった。両者の差は微妙ではあるが、統計学的にも有意差が得られ、形態でもどうにか区別がついた。仮に一方を太枝型、他を細枝型する。

さて、ここで、学名や和名を担うのはどちらの型なのかという問題が新たに生じた。そこで、タイプ標本や和名基準標本と両型の形態を照合すると、困った結果となった。すなわち、和名エダコモンサンゴは太枝型に、学名はいささか悩ましいが細枝型にそれぞれ対応し、学名と和名が引き裂かれてしまったのである。

そのため、太枝型には対応する学名をシノニムの中から探すか新提唱を、細枝型には新たな和名の提唱をそれぞれ余儀なくされた。このようなことは珍しくはないが、従来の種認識からどんどん離れていくので、コモンサンゴ類分類は一般者にはますます訳が分からなくなっていく。


エダコモンサンゴ細枝型 Montipora digitata sp. 1


エダコモンサンゴ太枝型 Montipora digitata sp. 2


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