日本人はどうして英語を自由に話せないのか?
Let the dog out./Put the dog out,/Get the dog out./Take the dog out.などの表現はイディオムとかTwo Word Verbsなどと呼ばれています.
今回から、この表現について述べていきますが、そのKey WordはVC感覚からVOC感覚です。
この表現は、最も英語らしい表現でありながら、日本人にとっては致命的に弱点となっています。英語圏などに留学や駐在して生の日常会話に接して、「なんだこれは、ここでは学校で学ばなかった英語を話している」と多くの方が実感される表現です.
ところでイギリスの言語学者で、C. K. Ogden (1889-1957)という人は、Basic Englishというものを提唱し、基本16動詞と方位語との結びつきで日常会話のほとんどができるとしました。
be, have, do, make, get, give, put, take, keep, let,
go, come, seem, say, see, send
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T: 英語の発想には、方位や位置を用いてものごとを表現する特色があるんだ。そういう意味で英語は分析的な言語だと言われてる。
S: その方位や位置を表すのが、英語では方位副詞や前置詞なんですね。
T: まったくその通りだ。方位副詞という名前はそのままだが、前置詞という名前をつけたのはとてもひどい。「前に置くことば」では何のことかわからないよ。明治時代には所位語と訳した人もいたが、元々英語では前置詞はprepositionだ。positionというのは野球用語のポジション、つまり「位置」のことだよ。だからぼくは、方位副詞と前置詞をまとめて方位語と呼んでいる。
方位副詞の例
away, back, down, up, off, on, out, over, up, etc.
前置詞の例
against, at, in, into, from, of, to, with,etc.
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※以上は、電子書籍「一週間で頭にしみ込むイディオム基本13動詞編」からの引用です。
電子書籍「一週間で頭にしみ込むイディオム基本13動詞編」
サッカーなどの試合でawayかhomeといったものがあります.
これは試合が「離脱状態」で行われるか、「ホーム」で行われるかということです。
あるいはラグビーの試合中に違反した選手に審判がAway!を宣告することがあります.あるいは野球では審判がOut!を宣告します.Awayでは一定時間ゲームから「離脱状態」になり、一方Outは「範囲外」ということで、宣告された選手はいわゆる「アウトになる」ということです。
さて、今回のKey Wordの1つであるVC感覚ということですが、同じVC感覚be動詞系列と一般動詞系列の二つがあります。be動詞系列では単に「存在」、一般動詞getを使ったものは動的な意味となり「そうなる」、つまり「到達」を表します.
【be動詞フレーズ5段活用】 be away 「離脱状態だ」
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(1) (am, are, is) away 現在形動詞フレーズ
(2) (was, were) away 過去形動詞フレーズ
(3) be away 原形動詞フレーズ
※命令形,助動詞、to不定詞で使われる。
(4) being away ing形動詞フレーズ
※進行形にはならず、動名詞になる。
(5) been away ed形動詞フレーズ
※完了形で使われる。
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【一般動詞フレーズ5段活用】 get away 「離脱状態になる」
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(1) get(s) away 現在形動詞フレーズ
※現在形の肯定形だけで使われる。
(2) get away 過去形動詞フレーズ
※過去形の肯定形だけで使われる。
(3) get away 原形動詞フレーズ
※命令形,助動詞、to不定詞で使われる。
(4) getting away ing形動詞フレーズ
※進行形や動名詞で使われる。
(5) got away ed形動詞フレーズ
※完了形で使われる。
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さ今までの説明で始めにあげたLet the dog out./Put the dog out,/Get the dog out./Take the dog out.が、Let the dog away./Put the dog away,/Get the dog away./Take the dog away.へと表現展開ができますか.
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[今日の学習]
言葉の最小単位は、もちろん単語です。単語と単語が結びついて文となります。
でも単語をいくら覚えても、読解には多少役に立つかもしれませんが、言葉としては身につきません。
英語を言葉として身につけることができるのはフレーズ(意味ある単位)なのです。それは具体的には補語フレーズや動詞フレーズ,そしてそれを運用するのがファンクションフレーズです。
● ネイティブの子どもはどのようにして表現を拡大するか
● 言葉はフレーズで覚えなければ定着・蓄積しない
● 子どもは母国語の発想で育つ
中嶋:「ネイティブスピーカー*は、赤ちゃんでも英語を話している」という冗談があるよ。
*ネイティブスピーカーとは、ここでは英語を母国語とする人を指し、以下ネイティブという。
Kenny:それじゃネイティブはみな天才だ。(laughing)
中嶋:もちろんこれは何年も英語を学びながら英会話ひとつできない日本の現状を皮肉ったものだ。
Kenny: 日本人はどうなの? まさか日本の赤ちゃんは日本語をすぐにぺらぺらしゃべりだすことはないだろう?
中嶋: そうとも! 親は幼い子どもに、毎日毎日片言で話しかける。
もちろんむずかしい表現はしない。それは子どもにオウム返しをさせるためだ。簡単な言葉のくり返しによっていつの間にか子どもは言葉を獲得していく。
子ども 「ママ、おっぱい」
Kenny: ネイティブの子どもも負けてはいない。
Child : Mom, Milk!
中嶋: ところが少し時が経過すると、彼らの言葉に大きな違いが出てく
る。それは語順であり、日本語の発想で育った日本人にとってこれが大問題なんだ。
子ども 「ママ、おっぱいほしい」
Kenny: ネイティブの子どもなら次のように言うよ。
Child : Mom, want milk!
中嶋:日本人の場合、ママが毎日「おっぱいほしい?」と聞くから、子どもはその通りオウム返しをして「おっぱいほしい」と答え、ネイティブの子どもは、ママがwant milk?と聞くから、そのまま Want milk. と答える。
ほしい(=want)が先か後か、なぜこのような決定的な違いが出てくるかというのは、実に簡単なこと。ネイティブの子どもは英語の環境で育ち、私たちは日本語の環境で育ったからだよ。
Kenny:どちらの子どもたちも親の言葉をオウムのようにまねるんだね。
<日本語の発想>
ママ 「おっぱいほしい?」 *上げ調子
子ども 「おっぱいほしい」
<英語の発想>
Mom: Want milk? *上げ調子
Child: Want milk.
中嶋:ここで注目してほしいのは、これらの文にはDo youやIといった言葉がなくても、ママと子どもの間では十分わかり合えるということだ。これは日本語でもまったく同じだ。日本の子どもは「わたし」「ぼく」と言えるようになるまでは、「花子ちゃん、おっぱいほしい」などと言うよ。ふつう親は「花子ちゃん、おっぱいほしい?」と、子どもの名前を呼びかけるからね。
Kenny: ネイティブもそれはまったく同じだ。でもそれが基本となって、いつの間にかIとyouの意味がわかってくるみたいだね。
Mom: Kathy, you, want milk? *上げ調子
Child: Kathy, want milk.
中嶋:そう、親の涙ぐましい日頃の努力が実を結ぶときがやってくるということだよ。
<英語の発想>
Mom: Do you want milk? *上げ調子
Child: I want milk.
HTML版より抜粋
[受講生の方に]
○英語の九九 ファンクションフレーズテーブル 一般動詞 現在形
【一般動詞フレーズ5段活用】 want milk
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(1) want(s) milk 現在形動詞フレーズ
※現在形の肯定形だけで使われる。
(2) wanted milk 過去形動詞フレーズ
※過去形の肯定形だけで使われる。
(3) want milk 原形動詞フレーズ
※助動詞、to不定詞で使われる。
(4) wanting milk ing形動詞フレーズ
※進行形はなく、動名詞になる。
(5) wanted milk ed形動詞フレーズ
※完了形で使われる。
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受講生の方には,引き続き「あなた、このミルク欲しくないの?」といった否定疑問,「あなた、このミルク欲しのでしょう?」「あなた、このミルク欲しくないのでしょう?」といった付加疑問表現をあげておきます
「こんな言い方ができるの?」と疑問に思った方は遠慮なくメールをください。
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