
今ここは四五六菜館別館になっていますが、以前は太新楼というお店が入っていました。善隣門の前という絶好の立地条件でありながら、何年前だったか潰れてしまい、現在の状況になっているわけです。

善隣門は横浜中華街のシンボル的な牌楼です。この下で待ち合わせをしたり記念写真を撮ったりと、観光客がたくさん集まる場所ですから、こんな広告スペースを造りたくなる気持ちも分からないではありません。
しかし、街の景観を考えたら、これはかなり異質な存在でした。
大通りから善隣門を眺めると、ちょうど牌楼の間に電飾でチカチカと動き回るオーロラビジョンが丸見え。リニューアルした通りの雰囲気を壊しているのは明らかでした。
その後、街側とお店とで話し合いがあったのでしょう、昨年末にはこれが撤去され、すっきりした景観を取り戻しています。
話が横道にそれてしまいました。今日のテーマは“豚肉の生姜焼き”です。
生姜焼きといえば、甘辛い醤油ダレから立ち昇る生姜の香りが食欲をそそる定食の王様。山盛り添えられたキャベツの千切りも、甘辛タレに浸されて味が染み渡ります。
その合間にときどき食べるポテトサラダが、濃厚になった口中を一瞬、さわやかにしてくれる。この優しさが生姜焼きの隠れたポイントでもあります。名脇役といったところでしょうか。
以上は、街の洋食屋さんで食べる“豚肉の生姜焼き定食”です。
さて、中華料理店で食べる豚肉の生姜焼きって、どんなんでしょうかね。謝甜記のお粥を食べに行くはずだったのですが、ついフラフラと誘い込まれてしまいました。
四五六菜館別館の“中華風豚肉の生姜焼き”とは、こんなんだったんです。
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小さめにカットされた豚肉がタップリ。でも意外にも生姜の香りがしてきません。箸でお肉をつまみ鼻先まで持ってきたのですが、洋食屋さんタイプの生姜焼きの匂いがないのです。
一口ほおばってみました。ウーン、これはやっぱり、生姜焼きというよりは中華料理です。中華テイストの混じった甘辛いタレ、例えると酢豚の「甘酢から酢を除いた」ようなタレに絡められたお肉は、洋食屋風中華料理といった感じでした。
さて、ここ四五六菜館別館でランチを食べるにあたっては気をつけなければいけないことが一つあります。それは決して一人で食べに行ってはいけないということ。
それは何故か。ボリュームに問題があるからです。
ボリュームって言ったって、量が少ないことが問題になっているわけじゃありませんよ。その逆なのです。逆兵糧攻めといったらいいでしょうか。
こんなに食えないよ、というくらいあります。
まず、最初に出てくるお茶。これなんか大型の土瓶に丸まるお茶が入っています。これだけで腹一杯になるくらいです。
そのお茶と一緒に出てくるのがザーサイ。これまた、すごいボリュームです。
そして、ご飯の入ったおひつと大きな容器に盛られたスープ。一人で行ってもこんな出し方をされるのです。スープなんか、4杯はとれるぐらいの分量。料理が出る前に、これだけでもう一度、腹一杯になってしまいます。
そして料理がこれまた少なくありません。
さらに、食後のデザートとして、ピーナツもちとコーヒー。もう限界です。1食でメタボリックです。
とにかく量が多いので、本日のように食材の種類の少ないオカズは避けた方がいいですよ。生姜焼きに使用している食材は、豚肉とキャベツだけ。これがタップリ。ということは、食べている途中に飽きが来るということ。
“麻婆豆腐”や“玉子とトマトの炒め”なども同類でしょう。
もし、ここで一人でランチということになったら、迷わず“八宝菜”とか“五目旨煮”のような、食材の種類の多いメニューにしたいものです。
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オーロラビジョンが付けられる前の風景 | オーロラビジョンを撤去したあとの風景 |
量同じだからなぁ。
一人の方が徳なような気もするんですよね(笑)