二つの保険証というけれど

8月11日の東京新聞。 　マイナ保険証の運用に不安が高まっているなか、当分の間は「マイナ保険証」の未取得者に対してその代りとなる「資格確認書」が交付されるという。 　そこで新聞記事では「二つの保険証こうなる」との見出しをつけて、両者を比較しているのだが、はたして二つだけなのか気になることがある。 　それは現在、保険料滞納者に発行されている有効期間の短い「短期被保険者証」と「被保険者資格証明書」だ。とくに後者の「被保険者資格証明書」と「資格確認書」は名称が似ているが、その中身はまったく異なる。 　以下に神奈川県のホームページからの抜粋を貼り付けておくね。 保険料（税）はどうやって納めるの？　～もし滞納してしまったら？～　 　市町村が決定した額を、市町村の定める納期までに納めます。世帯主あて送付される納付書によって納める方法のほか、市町村での手続により口座振替にすることもできます。 　市町村の定める納期までに保険料（税）を納めない場合には、督促があります。払うことのできない事情がある場合には、そのままにせずにお住まいの市区町村、国保の窓口まで必ずご相談ください。 　市区町村の納付相談にも応じないまま一定期間を経過すると、お手元の「被保険者証」は有効期間の短い「短期被保険者証」に切り替わり、それでもなお期間が経過すると、中学生以下のお子様などを除き、「被保険者資格証明書」が発行され、医療機関ではいったん全額負担していただくことになります。 　お早めに、お住まいの市区町村へご相談下さい。 　神奈川県のホームページ 　ということで、横浜市のホームページを確認してみると…… 現在交付している保険証(被保険者証)について 有効期限は最長で令和５年7月31日です。 有効期限がこれより短い保険証もあります。 保険証の色は薄い藍色です。 　と書かれており、被保険者資格証明書のことは出てこない。 　念のため、いくつかの区役所のホームページも閲覧してみる。 　区の暮らし・総合という項目があり、そこをクリックすると、［戸籍・税・保険］が出てくる。その中に国民健康保険という一項がある。そこから［国民健康保険のしくみ・保険証］を選ぶと、横浜市のホームページにリンクされていて、先ほど見た横浜市の案内に飛んでいくのだ。 　旭区、鶴見区、金沢区、港北区、中区、南区……どの区も同じだ。 　ところが、《健康保険　被保険者資格証明書》でサイト内検索をかけたら、中区役所のページにある「保険料の納付について」という項目の中に「保険料を滞納した場合」のことが書いてあるではないか。それを見ると短期被保険者証と被保険者資格証明書のことが紹介されているのだ。 保険料を滞納した場合 　保険料を滞納した場合は次のような措置がとられます。保険料は納期までに納めてくださるようお願いします。 １、 延滞金 　　本文省略 ２、 滞納処分 　　本文省略 ３、 有効期限の短い被保険者証の交付 　保険料を滞納している世帯には、次回保険証更新時に通常（２年）より有効期限の短い被保険者証を交付します。 ４、 被保険者証の返還請求（被保険者資格証明書の交付） 　納付できない特別の事情がないにもかかわらず、保険料を納期限から１年以上滞納している世帯には、被保険者資格証明書を交付します。 　被保険者資格証明書で医療機関にかかると、診療費用がいったん全額自己負担となります。なお、被保険者資格証明書が交付されても保険料の納付義務がなくなるわけではありません。 　どうなっているのだろうか。 　念のため他都市のページも見てみた。 川崎市 横須賀市 　横浜市の場合ははっきり書かれていないが、少なくとも川崎市、横須賀市では短期被保険者証と被保険者資格証明書が存在していることが分かった。 　そうなると健康保険証が組み込まれたマイナンバーカード、その未取得者のための資格確認書、保険料を滞納している人の短期被保険者証あるいは被保険者資格証明書と、４種類の保険証が医療機関に来るということなのかな。 　ところでマイナンバーカードに組み込まれた健康保険証だが、それを持っている人が1年以上にわたって保険料未納だった場合、カードはどうなるんだろうか。 　保険証機能をカードから外して、紙の短期被保険者証あるいは被保険者資格証明書を交付するのだろうか。 ←素晴らしき横浜中華街にクリックしてね