2013年4月13日
家内と伊勢神宮に行き、翌日二見ヶ浦の夫婦岩に行った。
夫婦岩付近の様子は、小学校修学旅行の時の記憶とは全く違っていた。60年ほど前のことだから当然だろうが、ごく普通の海岸から海の中に見えた夫婦岩は、今は神社ができ、おみくじなどが売られている社務所もある整備された歩道から見ることになる。引き潮だからだろうか、海の中ではなくて岩は陸続きだ。
夫婦岩の周囲には三つの岩がまわりに散らばっている。昔の記憶はまったくあてにならないものだ。あとの岩などなかったような気がする。
私は気がつかなかったが、私のあとから追いついて来た家内が「あの説明文では、エボシと読ますのは無理ね、トリボウシとしか読めない」と言う。
なんのことかわからなかったので戻って見たら、絵があって岩の昔の名前がつけてある。夫婦岩は別として、烏帽子岩、屏風岩、そして獅子岩とあった。これが本来の名前らしい。
ところが烏帽子岩は歳月が経って形が変わって今は蛙岩とよばれているらしい。その名に変わった由縁を説明する立札が横にあった。
確かに説明文を見れば、烏帽子岩にあてられた漢字は“カラス”でなくて“トリ”だった。
社務所の中のおじさんに声をかけに行った。
「あの岩、“カラスボウシ岩”というのですか?」
おじさん、「いやあれは昔は・・・・」と説明をはじめた。
私はしかし、おじさんの説明を聞く気もなく、「いやあれでは“カラスボウシ”とは読めない。あの立札の文字は “トリ”で、カラスだったら横棒が一本いらない。“カラス”でなくてあれは“トリ”です」と言って、立札まで行ってその字をおじさんに示した。
家内に顛末を話したら、
「あなた、みっともないわね? どうしてエボシと言わないの!」と笑う。
たしかに烏帽子とくれば“エボシ”と素直に読める。しかし家内が言った“トリボウシ”の音韻が頭に残った結果、“カラスボウシ”と言ってしまったのだろう。他人をからかうおっちょこちょいの性格が裏目に出て恥をかいた。
しかしあの立札は直されるだろうから、私は二見ヶ浦神社に貢献したことは確かだ。
二見ヶ浦に行く予定がある人は、“鳥”が“烏”に直っているか確認してきてください。
ところで、夫婦岩のところで、家内、「この小さい岩が夫で、大きい方が妻でございます」とおどけた。
我々の年代になった多くの夫婦たちの立場は若い時とは完全に逆転している。私、納得する。
次は伊勢神宮参拝失敗の記だ。
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