遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

古染付賢人図皿(5枚)

2023年03月21日 | 古陶磁ー中国

今回は、煎茶碗ではなく、染付の皿です。

五枚の皿すべてに虫食いがあります。

高台には、砂粒がパラパラと付着しています。天啓の品によくみられる底の状態です。

口径 14.8㎝、高台径 8.2㎝、高 2.9㎝。中国明末ー清初。

描かれているのは中国の人物です。

この図柄の品は、先回のメダカ紋とは異なり、しばしばみられます。ただ、中国的すぎるためか、日本ではあまり人気が無いようです。私も、黒漆塗の木皿に、この図をあえて描こうとは思いません(^^;

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黒漆木皿にメダカを描いてみた

2023年03月19日 | 漆器・木製品

先回のメダカ紋古染付煎茶碗は、メダカの絵付けがポイントでした。複数のメダカを器に描いて味のあるデザインとするのは、想像以上に難しいのです。一匹一匹のメダカはなんともないのですが、多数のメダカが全体として絵にならなければ意味がない。それぞれのメダカは全体のパーツです。それがあつまって、全体としておだやかなまとまりをもってくる。一種の抽象画ですね。

メダカ一匹を描くのは私にもできそうなので、ちょっとやってみることにしました。陶芸は無理としても、木皿に描く事ならできるだろう・・・骨董市で、黒漆の木皿を入手してきました。こういった類の品は、今では、ダダの次くらいの値段です。店主に頼めば、何かを買ったおまけにつけてくれます(^.^)

その結果がこれ。

径 17.0㎝、高 2.1㎝。明治ー戦前。

轆轤挽き、本漆塗り、金で縁取りがしてあります。今でも十分実用になります。

入手した木皿に、金粉をいれた漆金泥で筆書きっしました。最初は、無謀にも、先回の煎茶碗のメダカをめざして、メダカをバラバラに描きました。しかし、結果は散々、自分で見るのも嫌になるほどの出来です(^^;  バラバラにならず、どうしても偏りができてしまうのです。それがいかにも中途半端で稚拙。おそらく、幼稚園児の方が、うまく描こうという助平根性がないだけ、ましでしょう。ボツ、燃えるゴミ行。替わりの皿はいくらでもあります(^^;  

そこで方針変換。子供の頃はどこの小川にもいたメダカの学校(今は全く姿無し)を描くことにしました。

うーん、まずまずの出来。稚拙な筆さばきが温かみさえ感じさせる、というのは褒め過ぎか(^^;

そこでまたまた助平根性が。このままでは当たり前すぎて面白くない。さざ波や渦巻を添えたらどうか。それも単純に描くのではなく、沈金の技法でやってみよう。沈金とは、漆面を鑿で線彫りし、凹部に漆をすり込んだ後、金粉などを蒔いて定着させる技法です。輪島塗で多く用いられます。

さっそく、彫刻刀で彫りました。ところが、全く歯がたちません。漆面は非常に硬いのです。プロは専用の小刃を用いるようですが、そんな物はどこにもありません。やむなく、畳針でガリガリと削り、漆液を塗り、拭った後に金を蒔きました。

線がガタガタですが、一応できました😓

手づくりのメダカの学校です。いちご大福などをのせて、春をどうぞ(^.^)

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ありそうでない!?古染付メダカ紋煎茶碗(5客)

2023年03月17日 | 古陶磁ー中国

今回も煎茶碗です。

メダカがたくさん描かれた煎茶碗です。

口径 6.7㎝、高台径 2.6㎝、高 4.2㎝。中国明末ー清初。

小さな煎茶碗で、メダカが数多く描かれています。胎土は、先回の松竹梅図煎茶碗より灰色がかっています。器体も少し厚めです。口縁には銀の覆輪が施されています。したがって、縁の状態が見えませんが、おそらく多くの釉剥がれがあると思います。使う際の口当たりを良くし、耐久性を増すために覆輪がなされたのでしょう。写真では、蛍手のような透明感のある器に見えますが、それほどではありません。

今回の品で一番の目玉は、胴に描かれた多くのメダカです。

五客の煎茶碗のどこをとっても、同じ図柄はありません。メダカの配置が絶妙なのです。メダカたちの向きに偏りがありません。しかし、まったくバラバラかというとそうでもない。自然にバラついているといった感じでしょうか。

実はこの品は、四十数年前、まだガラクタ集めを始めてまもない頃、近くの田舎骨董屋にすすめられて買った物です。当時は、木の物ばかりを求め、陶磁器は避けていました。なんせ、陶器と磁器の区別もつかなかったのですから。私としては、大枚をはたきました。しまった、高い買い物をしてしまったか😥・・・何年か経ち、ようやく陶磁器にも手が出始め、メダカ模様が気になって注意して物をみるようになりました。ところが、どこにでもありそうなこの模様がなかないのです。しばらくして、骨董市でメダカ模様の伊万里焼小碗を見つけました。器には、整列して泳ぐメダカが描かれていました。その後もボツボツと目にするようになりましたが、いずれもメダカたちが揃いすぎで面白味がない。その後、ある骨董雑誌に、少しバラけたメダカ紋の蕎麦猪口が載っていました(記事が見つかりません(^^;)。しかしそうはいっても、メダカたちは、同じ方向に泳いでいます。もっとバラけたメダカ紋は無いのか・・・・あきらめかけていた時、東京青山ハナエモリビルの地下骨董街にあった上品な女主人がやっている店に、私の品と似たメダカ配置の煎茶碗が置いてありました。覆輪は無し。伊万里焼の古染付写しです。しかし、手に取ろうとして思わず引きました・・・値段がハンパでない😵‍💫  この伊万里焼一個で、私の古染付5客が買えるのです。主人曰く、これは伊万里のなかでも稀品です・・・そうか、私のメダカ煎茶碗はこの品の本歌だったのか😊

右も左もわからない駆け出しの頃、騙されたかもしれないと思って買ったバラバラメダカの煎茶碗は、有りそうで無い品だったのですね。

下戸は煎茶で、ビギナーズラックに乾杯🎉🤗🎊

 

 

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景徳鎮染付松竹梅図煎茶碗(5客)

2023年03月15日 | 古陶磁ー中国

先に中国の古染付、魁星図煎茶碗を紹介しました。

今回も、中国の品と思われる煎茶碗です。

口径 7.7㎝、高台径 3.1㎝、高 4.8㎝。中国明時代。

肌理の細かな純白の胎土を使った薄く端正な造りで、絵付けも含めて精作といってよい品だと思います。

先に紹介した魁星図煎茶碗がくだけた絵付けであったのに対して、今回の品は非常にしっかりとした描写がなされています。

梅の花が鮮やかな呉須で描かれています。

反対側には松。

梅と松の間には、

竹と、

太陽(月?)。

松竹梅の図です。

この品は、伊万里焼として売られていました。

しかし、通常の伊万里より薄造りで、特に口縁は非常に薄く、釉薬の剥がれが多く見られます。

また、高台内の銘の書き様も、日本人陶工のそれとはだいぶ異なります。高台の畳付をみると、内と外から上釉ごと胎土をスパッと切り取ってあります。

以上の事から、この品は伊万里ではなく、中国の品、おそらく景徳鎮で明時代に焼かれた物と結論づけました。

口縁には、手で触れないとわからないほど小さな疵からボロボロと剥げ落ちたような疵まで、多くのソゲが見られます。また、上の写真のように、少し盛り上がった箇所もあります。明時代末期の古染付の虫食いと呼ばれる疵とは、少し様子が異なるようにも思えます。

ずっと以前のブログで、底銘に大明宣徳年製とある大鉢を紹介しました。この鉢にも、今回の品と同じように、薄い口縁にざらざらとした疵が多く見られました。また、染付けの呉須も、今回の品と同じように、少し紫がかった鮮やかな青(宣徳ブルー)です。

大胆な推測をすれば、このような陶磁器は、古染付などのくだけた陶磁器が多く生産された中国明末ー清初より少し前の時期に作られた物ではないでしょうか。

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枯れてなお、太り続ける?里の芋

2023年03月13日 | ものぐさ有機農業

もう春夏野菜の準備をしなければならないので、畑にそのままにしておいた里芋を掘り上げようと思いました。例年は、12月中に全部掘って保存するのですが、今回は4株だけそのままにしておきました。種用の里芋が、小屋で保管中にダメになるかもしれないけれど、土中ならば生き延びるのもあるだろう、と保険をかけたのです。

案の定、小屋に置いてあった発泡スチロール箱の蓋をきっちりと閉め過ぎてカビがきていました。あわてて空気に晒して乾燥し、事なきをえました(^^;

というわけで、畑の4株は御用済みなので、掘り上げることになったわけです。

簡単に覆っておいたマルチを剥いでみると・・・

どうやら、株は残っています。

4株とも、腐ってはいないようです。

でも、何かが違う!!

芋がどれも異様に大きい!

 

手にあまるほどの芋もかなりあります。

これは一体どうしたこと??

この場所には、110個の種を植え、すべて育ちました。12月中旬までに、106株を掘りました。トータルで300㎏ほど、この備中鍬一本でよくもまあやったものです(^.^)  何回か計量して出来具合をみました。ほとんどの株は、2.5㎏-3.5㎏の大きさでした。芋の大きさは、大小さまざま。

ところが、今回は4株で、16㎏にもなりました。しかも、小さな芋はほとんどなし。これはもう、越冬中に太ったとしか思えません。

上の葉はとっくに枯れているのに、地下の芋が太る!?!?

光合成原理に反するようなことが起こりうるのでしょうか?

謎は深まるばかりです。

ジャガイモでも同様に、冬の地下太りが見られたという報告があります。

葉がなくなってもなお、芋類は太るのでしょうか!!!???

 

 

 

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