金継ぎの道具を探していた時に、作業途中の木工品がいくつか出てきました。当時、陶磁器や掛け軸よりも木工品に興味があり、金継ぎと平行して、木の器の色漆塗りを習っていたのです。
口径 10.4㎝、底径 6.0㎝、高 6.0㎝。
生地を作ることは素人には無理なので、素地がむき出しの木製カップを購入しました。これだけの表面積のカップを本漆で塗るのはこれまた素人には無理。さらに、色合わせとなると、ほとんど不可能。ということで、扱いの容易なカシュー(人工漆)を使いました(^.^)
透明漆を塗ったカップ2個。左側が2回、右側は1回です。
1回目の塗りだけでは、凸凹、ザラツキが目立ちます。金継ぎの場合と同じです。
そこで、細かい目のサンドペーパーで磨きます(さすがにトクサでは気が遠くなります(^^;)。写真は、把手の部分に取りかかった状態ですが、器の内外全部を磨きます。そして、2回目の漆を塗ります。それが、上の写真の左カップ。このようなプロセスを5回ほどくりかえさねばなりません。
色漆を塗ったカップ。
ダークグリーン:
5回塗り、コンパウンドで仕上げました。なんとかいけそう。
イエローカップ:
2回塗りをおえた器です。写真では見ずらいですが、まだまだアラが目立ちます。あと3回がんばらねば。
わざわざこんなに苦労してまで作業をするのはなぜ?
それは、私の持っている漆器の中で一番のお気に入り、色替り木製珈琲カップに何とか迫る品が手づくりできないだろうか、との野望(^^;)からでした。
おそらく特注品。よほどの趣味人が持っていた物でしょう。このような品が手づくりできれば、ガラクタ人生にも少しは光明が・・・・?
圧縮度の高い写真のおかげでアラが目立たず、それらしく見えますね(^.^)