遅生の故玩館ブログ

中山道56番美江寺宿の古民家ミュージアム・故玩館(無料)です。徒然なる日々を、骨董、能楽、有機農業で語ります。

京人形『猩々』

2022年07月06日 | 能楽ー工芸品

能の土人形はまだありました。『猩々』です。

幅 14.2㎝cm、奥行き 8.0㎝、高さ 22.2㎝。昭和。

彩色土人形は古くから京都で作られてきました。京都らしい落ちついた雰囲気の品です。

かなり時代が付いた桐の共箱に入っていました(桐は他の材より早く時代が付きますが)。おそらく、戦前の品でしょう。平安祥鳳の銘があります。

能『猩々』は、これといったストーリーがあるわけではない祝言物の一つです。『高砂』よりももっとシンプルに、汲めども尽きせぬ壺の酒で、常しえの世を祝福します。

主人公の猩々は、人ではなく、空想の動物、赤く酔った妖精です。

そう思うと、酔っぱらった男の顔が、人を越えたもののようにも見えてくるから不思議です(^.^)

コメント (4)
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