アジアンタムを買いました

日々あったこと、思いついたこと、旅に行った時のことを写真や絵を交えて書いてます。

特別な年に1度の夜

2011-08-04 23:39:05 | 海外旅行
「年に1度の特別な夜」
ガイドさんがそう言ったときは
「何の話だろう?」と思ったのだけど、
それはウィーンっ子にとって特別な夜であると共に、
私たちツアー客のウィーン観光計画も全く変えてしまったのでした。

「今日は午後6時から夜中の1時まで市内の美術館、全て無料。
美術史美術館、ヴェルベデーレ、王宮も、シッシイ美術館もみんなタダね。」
「地下鉄やトラム、公共交通機関もすべて午後4時から無料。」

「とってもいい時に君たちは来たんだよ」と地元のガイドさん。
物事を素直に捉えかつ反応の早いツアーメンバーはすぐに「素敵」という感じになっていたけど、疑り深い?いえ慎重な(?)私は理解するのに時間がかかり。

つまり「アートを身近に気軽に楽しもう!」という芸術の都らしい趣旨で、
1300円ほどのパスポートを買えば、ウィーン中の美術館や博物館に入り放題なのです。時間は午後6時から夜中1時まで。しかもその間の公共交通もすべてタダ。

パスポートをツアーの全員が購入しました。(ヴェルベデーレにて)
実際はパスポートにシッシイ美術館は入っていなかったため、
私たちは美術史美術館でしか使えなかったですが、
それでも美術館までのトラムやホテルまでの地下鉄を入れるとおつりが出ました。

そして午後6時に美術史美術館へ。
「まずパスポートを買おう」という人で長蛇の列。
買ってあったので列の横を通ってそのまま中へ。
みんなパスポートの購入に時間がかかっているのか、館内大変空いていました。
高い天井。壁にかかる大きな油絵の数々。

ベラスケスの間では自分達しかおらず、マルゲリータ王女の肖像を
じっくり見ることができました。


各美術館や博物館ではその日だけの特別イベントを開催していました。
美術史美術館はミュージアムカフェのゲルストナーをライトアップ。
王宮の門も星型のライトや青の色でライトアップされていました。(ユーロ?)
またパスポートと一緒に渡された「食べると舌の黒くなるグミ=バンパイヤタング」を
ヴェルベデーレ宮殿のバーに持って行くとカクテルが1杯サービスとか。
レオポルトミュージアムでは、シーレの絵のポスターを入館者全員に配布。
それ以外にもキッズツアー等子ども向けの企画もありました。

素敵な企画だけれど、交通費もタダってすごい出血サービス。
予算はどう成り立ってるんだろう?
日本で実現するとしたら面白そうだけれど
美術館が沢山ある京都、奈良、東京?
でも公共交通機関無料って難しそう。
静岡でやるとするとギャラリー等を入れても美術館数が少ないな~。
とにかくどこからお金が出ているんだろうと首をかしげる、
さすが芸術の都の大胆なイベントでした。

じっくりと見れた絵画の数々、お祭りのような街の雰囲気、印象に残っています。