からすま日記

マンガ家挫折者、食いしん坊、の
マイペースな日記です。

右手にミミズク

2019年02月19日 10時50分06秒 | 今読んでるもの


児童書です。
テンポがすごく良くて、一気に楽しく読めました。
たまにこんな「アタリ」があるので、児童書はやめられません。

あらすじは…
小学6年の丈(たける)は慌てると左右の区別がつかないけれど、今のところそれ程困っていない。
ちょっと気の強い転校生の女子、実里(みのり)が何か悩みを抱えているのではと、手にマジックで印をつけてもらったことをきっかけに、アレコレ関わろうとするのだがー…。

主人公が左右の区別がつかないというくだりを読んだ時、
「この障害についてイヤな思いをするけど、仲間のおかげで前向きになるのかな?ちょっと説教ぽいのかな」
と安直に想像してましたが、そんなベタな展開ではありませんでした(^_^;)

この本の作者さん、すごく人物描写がうまいんじゃないかと思います。
あんまり説明くさくないというか。
主人公はちょっとアホの子かしらと思ってましたが、序盤のエピソードで
「何ちゅう気のつく優しい子だ!」
とガラリとイメージが変わりました。

最後のシメ方がぶつ切り気味で余韻があまりなかったことだけ、惜しかった。

個人的に、オススメの児童書です。


















メタモルフォーゼの縁側

2019年02月04日 16時39分35秒 | 今読んでるもの


マンガです。
(「このマンガがすごい!オンナ編 2018」の1位になってたので、
ご存知の方も多いと思いますが)

どこかのほほんとしたおばあちゃんと、本屋でバイトしている、人見知りで髪の毛ボサボサの女子高生がBLコミック(ボーイズラブ)を通して友達になるというお話です。

このおばあちゃん-市野井雪さん-が、とても良かったんです。

雪さんは、外が暑くて涼もうと入った書店で、ひさびさに見たコミックコーナーに並べられていた「キレイな表紙」の本をなんとなく購入します。
自宅で読みすすめていくと・・・あら?この展開は・・
男の子同士がキスするところで口に手を当て「あら~…」。
これ、「あら~…(*_*;ハシタナイ」ではなく、
「あら~( ´艸`)キュンとしちゃう」というところがスゴい。

このコミックのファンである女子高生とも、本屋でのやり取りを通して友達になってしまいます。
私が雪さんと同い年であれば
「こんなおばあちゃんと話をするのは、若い人には退屈だろう」
と、変に気を使ってしまいそうですが、雪さんの軽やかなこと。
(マイペースとも言える?)
コミックについて話したいから、お茶飲まない?と女子高生を誘います。
逆に女子高生の方がスゴく気を回してぐるぐるしています。

一方で、「ああ、やっぱりお年寄りなんだなあ」という描写も妙にリアルです。
かぼちゃが切れなくて「こんなことすらできない」とうなだれたり、
お風呂で高めの椅子に座ってシャワーを浴びたり、
急に膝の力が抜けてしまうシーンは、作者さんの身近にお年寄りがいらっしゃるのかなと感じました。

ただ、膝の力が抜けちゃっても、かぼちゃが切れなくても
雪さんは持ち前の楽天的な性格でその事を引きずりません。

雪さんのようになれたらなあ、と思いますが、
私の性格的に無理な気もするので(^。^;)
年をとっても「わくわくするもの」を見つけられたらいいなと思います。