良い子の歴史博物館

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小泉純一郎

2005年08月17日 | 人物
小泉さんが総理大臣に就任したとき、
ノルトはこんな「変人」で大丈夫なのだろうか?といぶかった。
マスコミ向けのパフォーマンスに長けているが、
政治的能力に期待していなかった。

但し、森前首相降ろしに走った「加藤氏の乱」に加わらず、
森前首相への支持を変えることがなかったことには、ノルトも一目置いていた。
あれほど国民からの支持を失っていた森内閣を、
世論がどうであろうと守ろうとした変わらぬ態度には感心したのを覚えている。
小泉さんって、決断を変えることを極端に嫌うのか?
宰相が朝令暮改をしない人物であることは、安定した政権の必須条件だと思う。

それまで、日本はコロコロと大臣の顔が変わる。
諸外国に比べても、あまりにも頻繁に変わりすぎる。
一方、小泉内閣は「一内閣一閣僚」を唱え、
めったなことでは大臣を更迭することがなかった。
特に竹中平蔵内閣府特命担当大臣を手放そうとしなかったことに注目できる。
経済政策というのは長期にわたるもので、
コロコロと政策を変えることは慎むべきだと思う。
一度始動した経済政策は一定期間続行しないと意味が無い。

よく「丸投げ」だという批判を耳にする。
これは的外れな批判だ。
宰相たるものの務めは、自分で全てを決するのではなく、
有能な人材に委ねて、その人材が働く環境を保障することにあると思う。
時には反対派からの攻撃があっても、一度委ねた人材を変えることなく、
擁護するのが立派な宰相というものであろう。

恐らく政治の実務では、小泉の能力はたいしたことは無い。
実務なら小泉以上の能力のある政治家はたくさんいる。
ただの大臣だったら、ろくな仕事もできないような気がする。
ところが総理大臣となったら、これほど適任だとは予想していなかった。

外交面では米国との関係を重視し続けた。
極めて現実的な対応だ。情緒に流されない。
しかも一度決めたら、テコでも動かない。
フラフラとしない分、かえって外国からの信頼を勝ち得ているのではないか?

日本国内では北朝鮮への批判がすさまじいが、それに流されること無く、
「日朝平壌宣言」を履行する姿勢を崩そうとしない。
そのあまりの頑固な態度はノルトでもイライラしてくるが、
一国の政府が移ろいやすい世論に迎合せずに、
決まったことを守る姿勢は評価できると思う。

総裁任期があと一年というところで、衆議院解散に踏み切った。
当然、極めて鋭い計算が伺える。
もし解散しなかったら、求心力を失った小泉内閣は弱体化するしかない。
どうせ、あと一年である。
ここで大きな賭けに出るのは悪くない。

小泉首相は、単にパフォーマンスに長けたマスコミ受けのいい政治家ではなく、
極めて現実的なポリシーを有しているようだ。

1 コメント

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はじめまして☆ (ちづ)
2005-09-06 19:28:44
「歴史」というタイトルに惹かれてやってきました。

小泉さん、あたしは支持派です。彼の一本気な態度が好きだからかな。あと、郵政民営化には賛成だから。

なぜなら、他の党は年金問題を出しているけれど、この問題はそう安々と解決するわけがない。税金など周囲の問題をまず解決しなければ年金の問題解決は難しいからです。

せっかくここまで郵政民営化について論議したのだから、早くやってしまえばいいのに、と思う、あたしでした。
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