bounce backとパーキング理論 ー渋野日向子選手に学ぶー
AIG全英女子オープンでも、渋野選手が72ホールで打ったボギー数は5個、ダブルボギーが1個。そのうち2回バウンスバックを記録している。さらに特筆すべきは、連続ボギーがないうえに、後半9ホールでは4日間でボギーなしの18バーディを奪取。後半戦でスコアを大きく伸ばしている。10番でバーディを獲ると、後半で30(6アンダー)と31(5アンダー)が出ているが、後半でバーディを獲ると気分が変えられる。ボギーを打つのはメンタルもやられるが、逆にすごく燃える部分もあります」と、渋野選手にはマイナスを跳ね返す力、切り替える力があるのがわかる。
トレードマークの笑顔についても、本人からは「結構感情の起伏がある」という。バウンスバックの質問の時も「ボギーを打つと怒っているので、その怒りを(次のホールの)ドライバーにぶつける!」と話していたことが印象的。
ゴルフを職業にしているプロゴルファーにとって、ボギーというスコアを落としてしまう結果は何より辛く恐ろしいことであり、どうやっても避けようのないことでもある。しかし、それをエネルギーに変えて「跳ね返す」「立ち直る」のがバウンスバック。ボギー後のバーディは、プレーヤーの不安や葛藤、そして勇気と喜びが溢れたものだと思うと、同じバーディでも見え方が変わってくると思う。そんなプレーをたくさん見せてくれた渋野選手だからこそ、日本中が心を引き付けられたのは、必然だったのかもしれない。
これを生かす考えとしてパーキング理論。ミスをした後の、気持ちの切り替えには、まず、自分のプレーに「落ち込まないといけない」というルールはないという確認をします。
次に、ミスをした後に「落ち込む」のか「次のプレーを全力で行う」のかのどちらかを選択するのは、プレーをしている本人だと自覚する必要があります。
ゴルフでもどんなスポーツでもそこで終わりということはありません。すぐに次のプレーを行わないといけないことは常にあります。そんな時に、このパーキング理論が力を発揮します。
「ミスは頭の中の駐車場に一時停車しておいて、目の前のプレーに集中しする。反省や修正は、ゲームが終わった後に好きなだけやる」
これがパーキング理論です。簡単でしょ? これはどのレベルのスポーツプレーヤーでもすぐに実行できます。そして次のプレーに影響を与えない魔法の考え方です。