Happyday of LUCKY

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若草山でショージ・ウエダ

2016年04月19日 | Life
だれでも一度くらいは植田正治のような写真を撮りたくなるものであるが、じっさいにやってみるとこれがなかなか難しい。
ご存じのとおり、彼の作品の多くは地元の鳥取で撮られている。中でも砂丘を舞台にして何人もの(ときには何十人もの)モデルを撮った作品は、当時のファッション写真にはない非常にシュールでかつユーモラスな作風によって業界に新風を巻きおこした。
2000年に亡くなるまでこんな写真を撮りつづけていたのだから、やはりウエダは世界に誇れる偉大な写真家だと思う。



さて、鳥取砂丘までいく時間と予算のないわたしたちは、もうすぐ新緑の若草山へいくことにした。
わたしたちとは写真学校の同期やその友人たちの集まりで、つまりふだんはブライダルやスクールを撮るプロカメラマン集団のことである。
とはいえ、いつも重いカメラで仕事をしているわたしたちは、休日はコンデジかスマホまたはタブレットしか持たないという固い決意があるので、はじめから作品を撮る気はないのであった。きょうEさんはカメラすら持っていなかった。



うえのシカや美女や観音を撮った写真はぜんぶタブレットで撮ったものをモノクロにしたものだが、それなりによく撮れている(逆光はきついけど)。
しかしデータ量を節約するためにSサイズにしてあるので長辺が2000ピクセルほどしかない。プリントするとしてもキャビネサイズまでだ。つまり写真作品には到底なりえないということ。

タブレットを使いだしてわかったことは、日常の記録写真などプリントする必要がないということだ。LINEやメッセンジャーで共有して、みんなでいっしょに見ればいい。アルバムにどんどん追加すれば、もうだれが撮ったかなんて関係なく、とにかくその時間を共有してたのしかったね、ありがとう、またあそぼうね、と写真で会話がはずむのである。
要するに写真の在り方がスマホ/タブレットによって完全に変わってしまったということなのですね。いまごろ気づきました。

そんなわけでリュックの中にしのばせていたフィルムカメラで一度も彼女たちを撮ることはなく、ひたすらタブレットで撮りまくったのであった。それにしても撮りにくいな。フリスビーにして投げたくなる。

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