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Happyday of LUCKY

日々の気付きと感謝を忘れないように綴るページ

アナログにはアナログを

2016年05月13日 | Camera
いろいろな出会いや体験が重なって、約3年ぶりにまたフィルムにもどってきた。
その経緯を書き出すときりがないので省略するとして、とにかく自分の作品はフィルムで撮ることにした。問題はプリントをどのような方法で出力するかということだ。
当初考えていたやり方は、フィルムスキャナーで画像を取り込み、フォトショップなどでデータを加工したのち、インクジェットでプリントアウトする方法。

さっそく何種類かのペーパーで試し刷りしてみたが、どうもパッとしない。アワガミは最大濃度があがらず、ぼんやり眠い感じになるし、ピクトリコは白のヌケはいいものの紙の質感が足りない。ハーネミューレが一番きれいに見えるのだけど、本物のバライタ紙で焼いたプリントとくらべると、まったく別物であることがわかる。
要するにデジタルプリントだとフィルムで撮った感じがうまく表現できないのだ。

デジタルで出力するなら入力もデジタルカメラでするのが最適なわけで、それならばアナログ(フィルム)で入力したものはやはりアナログで出力するのが一番いいということか。
考えてみればあたりまえのことで、19世紀初頭にカメラができたころから続くアナログシステムが、そんなにかんたんに覆ることはないのである。
というわけで、アナログで出力する、つまり暗室を再開することになった。



そうと決まったら、中途半端なやり方ではつまらない。
いままで使っていたLPLとラッキーの引伸し機でも十分きれいなプリントが焼けるのだが、ここはライツの引伸し機フォコマートにとどめを刺す。
で、以前お世話になった関西ライカクラブの会長Fさんに連絡をとる。彼との付き合いを書き出すとこれも長い話になるので割愛するが、いまだにフィルムで撮って自家現像している制作スタイルは、本当にすごいというほかない。

ライカの話にはじまり、現在のクラブの状況などもお聞きしながら、最終的には大切に保管されているフォコマートのスペア機をゆずってもらうことになった。やったー!
さらに、引伸し機にはレンズが必要で、このレンズが最終的な画質を左右する。なのでフォコマートには定番のフォコターというレンズもゆずってもらう。たぶんこれほどコンディションのいい引伸し機と引伸しレンズは、そうそう見つからないというか、もう市場には出てこないだろう。Fさん、ありがとうございます。大切に使います。

フォコマートのすごさはまた今度。

ライカ病が再発

2016年03月23日 | Camera
ライカM8を手放してもう病気は完治したと思っていたのにまた再発した。気がついたら極上の大ライカをヤフオクで落札していた。



「大ライカ」と聞いてそれがライカM5のことだとわかる人は重篤なライカ病である。この病気はライカウイルスによって感染するのであるが、その感染経路はよくわかっていない。多くはカメラに潜んでいて触れたとたんに感染するのだが、中にはライカを使う人から話を聞いただけで感染してしまう人もいる。
あなたが感染しやすいタイプかどうか、まずは下の質問に答えてみよう。6つ以上「はい」がある人はライカウイルスに感染しやすい、またはすでに感染している可能性が高い。逆に5つ以下ならライカを持つ資格のない人だと思う。

1)いまだにガラケーを使っている。
2)プラスチック製品より金属製品の方が好き。
3)アンティークなものが可愛いと感じる。
4)デジタル操作(タッチパネル等)よりアナログ操作(ダイヤル・ボタン等)の方が得意。
5)格好よりも性能や使いやすさを重視する。
6)自分は物欲がつよい方だと思う。
7)収集癖があり、何でもコンプリートしたくなる。
8)他人とおなじものを持つのはイヤだ。
9)ドイツの家電や工業製品が好き。
10)エコロジーライフに興味がある。
11)アンリ・カルティエ・ブレッソンを知っている。

くだんの大ライカであるが、文字どおりM5はほかのM型ライカよりも大きい。ボディの厚みはおなじだが、高さが5.5ミリ、幅は11ミリ大きい。重さにして約130グラムも重い。それまでのM型に露出計を内蔵するためにハウジングケースを大きくしたのである。
またバルナック型からの特徴ともいえるボディ両端の半円形のフォルムが直線的に切り落とされたような形になり、巻き戻しレバーは軍艦部から底部に移動してしまった。
伝統的なスタイルから大きく変わったこのM5に対して、保守的なライカファンは正統な純血種とは認めず「大ライカ」と揶揄した。予想外の反応(ある意味予想どおり?)に困ったライツ社はたったの4年間で生産を中止し、今までとおなじサイズに露出計を押し込んだM型ライカをあらたにつくった。ベストセラー機となるM6の登場である。

そんなわけでM5の製造台数は約34000台と少なく、当然ユーザーも少ないわけであるが、人気とは裏腹にこのライカはじつは非常に使いやすい。ファインダー内に表示される露出計がM6以降のLEDではなく、アナログな直読式だからだ。適正露出から何EVずれているかが直感的にわかる。
M5を使うライカファンは口をそろえて「M5が一番使いやすい」という。そこには不人気モデルをあつかう少し屈折した気持ちと強がりもあるだろう。さてじっさいに使ってみてどうなのか。つぎのレビューに乞うご期待!

今年のニコンは「5」だ

2016年01月07日 | Camera
オリンピックイヤーに合わせて、それぞれのカメラメーカーから旗艦機モデルが出てくるのはいつものことであるが、今年のニコンは予想どおり「D5」が出てきた。
主な特徴はつぎの4点。
 (1) フォオーカスポイントが153点(このうち99点がクロスセンサ)
 (2) 秒間12コマの高速連写
 (3) あたらしい画像処理エンジンEXSPEED5(常用感度ISO 102400!)
 (4) 4K UHD(3840×2160)動画
発売は3月。値段はニコンダイレクトで750,600円(税込)。ははは

わたしを驚かせたのはD5ではなく、APS-C機の「D500」が出たことだ。400をすっ跳ばして、500だよ!
ニコンファンはかれこれ5~6年間、D300sの後継機としてD400が出るのを待ちこがれていた。この間、上位機種である7000番台が3代目まで出ている。D400はもう出る気配なしとあきらめて、フルサイズ機にいってしまった人も多いと思う(わたしもその一人)。

ところがである。
型番が400を跳ばして500になったのは、D5に合わせたからであろう。(でもすでにD600があるから、つぎの番号がないよ)
そんなことよりも中身がすごい。D5とおなじフォーカスポイント(APS-Cなので、ほぼ全面フォーカスに近い)で、画像処理エンジンもおなじEXSPEED5だ。連写だって10コマ/秒とかなりがんばっている。
外観はプロ仕様のお約束「丸型」ファインダーだし、左肩のボタン・ダイヤル類もD5とおなじだ。つまりD5とほぼおなじスペックでセンサとボディをひと回り小さくしたのがD500という感じ。

いやー困ったな。3月にあたらしいカメラ(フルサイズ機)を買おうと思っていたのに、こんなすごいカメラが出るなんて。悩ましいかぎりだ。
デジカメinfoのコメント欄を読めば、ニコンファンがどれほどD400(つまりD500)を待ち望んでいたかわかる。すでに予約した人、多数。わたしもポチッといくか!?

(あっ、あの200万円の福袋にはやっぱりD5が入ってたのかも、3台くらい?)

F3で加速する

2015年11月21日 | Camera


ニコンF3は日本が世界に誇る名機中の名機である。
いまさらF3の魅力を云々するつもりはないが、1980年から2000年までの長期間にわたって製造されたことが、優れたカメラであることの証左であろう。ニコンファンでなくともこれに異論はないと思う。

だがデジカメ全盛期のいま、この名機の中古価格は2万円前後だ。ウソだと思ったら、amazonで検索してみればいい。
この際、F3を買っておくのも悪くないと思う。なぜならFマウントに改造したライカRレンズが4本も防湿庫に眠っているからだ。これらを使わない手はないだろう。うん。

ご存じのとおり、ニコンの一眼レフ機のレンズマウントはニコンFができた1959年から現在に至るまで不変である。
なので50年以上まえのレンズを最新のデジカメに取り付けることもできるし、逆に最近のAFレンズを古いボディに取り付けることも可能だ。
ただしマウントがおなじでも絞りの制御方法やAFの駆動方式がタイプによってちがうので、レンズとの組み合わせによってはボディ側の測光のしかたやオート機能に制限があるのはしかたがない。



さてこのたび手に入れたF3は最初機型、製造は1981年10月(どうしてこんなに詳しくわかるのかはいずれ)のボディ。
ほとんどスレやキズはなく、アタリもまったくないきれいな中古品だ。
すべての稼働部はスムースに動くし、もちろんシャッターは全速問題なし。ホントに34年もまえのカメラなのかとおどろく。

ニコンはあの植村直己さんが北極に持っていくためにF3ウエムラ仕様という特別なF3をつくった。極寒でも凍結しない潤滑油やフィルムに負荷をかけない巻き取りシステム、静電気を防止する圧板など、さまざまな工夫がなされている。
またF3 NASA仕様というのもあって、ロケット発射時の振動耐性はもちろん、真空状態でも稼働するようにつくられたのであるから、もうすごいとしかいいようがない。

ノーマル仕様ではそこまでの耐久性・堅牢性はないにしても、わたしたちがふだん使うのであれば、十分すぎるポテンシャルを秘めているといってもいいだろう。
さあ、このカメラで加速してわたしも地球の果てまでいくぜ!

なつかしのサムライに出会う

2015年10月31日 | Camera


この女性が手にしているカメラをご存じであろうか?
なんだかムービーカメラのような形をしているが、これはレッキとしたスチールカメラ、それもフィルムのカメラである。
その名を「SAMURAI」という。京セラがいまから28年まえに出して大ヒットしたカメラだ。
当時、このカメラはコンパクトカメラのカテゴリーに入っていたと記憶するが、いまのコンパクト機の大きさから見ると、このゴロンとした大きさはそう呼ぶにはかなり大きい。



非常にユニークな形のサムライは右手にすっぽり収まるような形をしているが、じつは左右対称の形で「左利き用」というモデルもあった。世の中に星の数ほどカメラは存在するが、左利きモデルなんてあるのは後にも先にもこのカメラだけだ(と思う)。
そのうえコイツはハーフカメラで、AF一眼レフ機なのである。

「ハーフカメラってなに?」という人のために説明しておくと、ふつうのフィルムカメラはフィルムに写る画像の大きさが約36×24ミリであるが、ハーフカメラはその半分の約18×24ミリの大きさなのだ。
なので24枚撮りのフィルムで48枚撮影でき、36枚撮りだと72枚も撮れるというリーズナブルなカメラなのです。
いまのデジカメやスマホのようにほとんど無限に撮れるという時代ではなかったので、庶民はハーフカメラで1枚1枚大切に撮ったものだ。1本のフィルムの中にお正月とクリスマスの写真が写っていたという話も、あながちウソではないと思う。



じつはきょう写真学校時代の教え子の結婚式にいってたのであるが、こういう席上でもだれがどんなカメラを使っているのか気になってしまい、ついつい手元に目がいく。
このサムライを使っている女性もわたしの教え子なのだが、こんな懐かしいカメラをいまだに使っているなんてステキだと思う。
わたしもほしくなってヤフオクで探してみたが、まともに使えそうなのがない。久しぶりに中古カメラ屋をまわってみようか。