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平和な毎日

ランニング大好き。走るほうは別ブログに書いてるので、ここでは好きなものを中心にあれこれと書いてきます。

OLYMPUS SP350 廉価版ハイエンドコンデジ

2013年11月30日 | 今日の買い物

風邪っぴきでランニングは論外、外に出るのも何なので今日は引きこもり。当然することもないのでブログの更新するのだ。

場所はまたまた墓場屋なんだが、ジャンクレンズが並んでいる棚の上にはデジカメの箱が積まれている。そこで発見したのがオリンパスのSP350というデジカメ。グリップのラバー欠損などで2500円にてお迎えしたのだ。今回改めてお迎えすることで初めて解ったこともあったのでレポートするのだ。

まずSP350のポジションだが、トップにキャメディア8080というハイエンドコンデジが君臨していたので立ち位置的には2番手のミドルレンジを担っていたと思う。ストラップ環が両サイドにあることや外付けフラッシュ用ホットシュー、コンバージョンレンズ対応などは当時ハイエンドに許されるものなのだ。8メガという画素数も当時はトップクラスであった。

他方でプラスチック全開で高級感ゼロのボディや単三電池対応というのは明らかに「特売セール向け」というかレギュラーより下位のクラス仕上げだ。よく言えば「ハイエンドの機能をお求め安い価格でご提供」という感じかな?ハイエンドの廉価版コンデジというニュージャンルを狙ったんだろうか?

では改めて外観から見ていくのだ。うーん、何とも「恐ろしい」、というか見事なくらいの悪党顔だ。最大の特徴はステロイドの打ちすぎみたいに肥大化したグリップ。上端が力コブのようにボディより上に盛り上がってる。そして反対側に向かって絞られていくクサビ形のボディ形状は見たことがない。

ストロボとファインダーの位置もバラバラでこれほどバランスを欠いたスタイルのデジカメはデジカメ黎明期にはあったが、この時代にはそうそうない。それだけに個性的という点では唯一無二の存在でもある。とにかく「人と同じデザインのコンデジは嫌」というユーザーにはもってこい(笑)。

最初に書いたがこのデジカメはバッテリーが専用リチウムではない。何とCR-V3リチウム電池もしくは単三2本という珍しい仕様。今ではリチウム電池も社外品で安く手に入る一方で、製造中止のリスクもあるからやはり嬉しい。

また単3ニッケル水素電池2本も使用可能ということで、ファンには単三電池で動く多機能デジカメということでも非常に貴重な存在となる‥はずだった。しかし当時のレビューを読むとそれが致命的な欠陥となっている。何とニッケル水素電池は事実上使い物にならないというのだ。

どうも電圧管理が下手らしく、酷いときは満充電したニッケル水素電池を詰め込んで、いざ撮影しようと電源オンすると「バッテリー切れ」表示で使えないというもの。当然、他のデジカメにその電池を入れると問題なく使えるという。なのでまともに撮影しようと思ったら高価なCR-V3電池を使う必要がある。これではランニングコストが最悪。

しかし更に読み進むと、その後バージョンアップを繰り返しVer1.3でようやく電源管理がきちんとできるようになったという。今度は持ちが一気に良くなったらしいが、既に市場では駄目デジカメの烙印が押されてしまった。何とももったいない話である。

さて機能編に移るのだ。何とSP350はシーンモードとプログラム以外に「シャッター優先」「絞り優先」「マニュアル」のモードを持つ。ハイエンド以外でこの3モードを全て持つコンデジは非常に少ない、実に良く出来たデジカメなのだ。

また、マイメニューに設定を登録しておくことが出来る。このカスタマイズ機能もハイエンド以外で有しているモデルは非常に少ない。

そしてマニュアルでは「バルブ」が使える。正直、これにはビックリした。最大で8分。同時期に復活した8400以来のハイエンドクーピーであるP5000では削られた機能なのだ。ある意味非常にマニアックなバルブ撮影が可能なんて「やるじゃん」

但し問題もある。ケーブルレリーズが使えないのだ。つまり基本的にバルブ撮影中はシャッター押しっぱなし‥無理です。現行のモデルにはリモコンにレリーズロックスイッチがあるのだが本機では使えない(泣)。後はホットシューを利用してアダプタを自作するしか手立てがないのは実にもったいない。

そして白眉ともいえるのが、RAW撮影とデジカメ内RAW現像機能。当時ハイエンド以外でRAW撮影可能なコンデジってあったっけ?これだけでも驚きなのに本体で現像までできちゃうなんて凄すぎる。しかもRAW,J-peg同時記録も可能。このチープな外観のどこにそんな秘めたる能力をもっていたのだ。凄い!凄すぎるぞSP350!

実はこのコンデジをお迎えしたかった理由は随分前にワイコンを手に入れていたからなのだ。当初は他のデジカメに流用できないかとの考えだったのだが結局うまくいかずに、そのままカメラ塚で眠りについていたのだ。

そんでこのワイコンだが美点はサイズが小さいことだ。Coolpixのワイコンと比較すると以下に小さいかがわかると思う。右からCoolpix5700用WC-E80,Coolpix990用WC-E63そしてSP350用WCON-07F。まぁWC-E80はフィルター系50mm用なので横綱サイズなんだがE63と比べても小さいのがわかる。これに対抗できるのは同じくCoolpix用のWC-E24くらいなもの。

面白い機能としてはシーンモードに「水中撮影」モードがある。当時オリンパスはハウジングを積極的にリリースしておりダイバーの間では人気があったようだ。

最後にこの名前なんだが、往年の銘コンパクト「35SP」を思い出すカメラファンが多いのではないだろうか。35SPはコンパクトカメラでありながらf1.7の明るいレンズにスポット測光とLV読み取りマニュアルが可能という傑作銀塩コンパクト。

このデジカメは決して悪いデジカメではない。むしろ秘めたる能力は素晴らしいものがある。それでも詰めの甘さが多く、由緒あるSPを名乗るには荷が重かったかもしれない。

現在オリンパスデジカメはペンやOMなど銀塩時代に一時代を築いたブランド名を使用している。35SPにあまりにも似たネーミングのSP350。ひょっとしてこのデジカメも同じ路線をやりたかったのかと邪推してしまう。だとしたら細部の煮詰めの甘さからもったいないことをしたものだと思う。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Rikkie)
2013-12-01 15:44:59
どもども、大佐殿。

本カメラを良く知らなかったのですが、キャメディア8080と聞いて時代を特定できました。オリンパスが悩んでいた時代ですね。後年になって不良債権処理が問題化しますが、その時から内部的には危険な状態だったのでしょう。

単型三電池を採用しながら、ロクに稼働しないのはミノルタもやらかしましたね。

グリップがボディサイズを超えるスタイリングはパワーショットAシリーズでもありましたね。あれも単三型電池2本使用で800万画素前後だったと思います。

仕上がりの具合はキヤノンの仕事でしたねえ。
どっちが好ましいかというと、悩むところです。

オリンパス35SPとキヤノネットGIIIがどっちがスマートかって思い返すと興味深いですね。
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ワイコンを… (Brief187)
2013-12-01 22:08:42
お久しぶりです。

さすがですね、これだけマイナーなといっては失礼なカメラのワイコンを事前に入手しているところに驚きました。このころって、まだまだ各社いろいろな尖ったデジカメがあって楽しかったですね。

ハイエンド寄りなのにチープなカメラ、個人的にはその逆よりは好きですね。
返信する
Unknown (gratt)
2013-12-01 23:59:41
Rikkie様どもども
このブログを書いてて参考までにパワショのA620を
見たんですが、やはりキャノンはまとめ方が上手いですね。
そつのない外観にきちんとした塗装、バリアングル液晶
電池はしっかり4本にしてるので無理がないし、それで
あのサイズですからね。
ただ「どっちが好きか」と聞かれたらSP350取ります。
だってマイナーで変な方が好きだもの(笑)。
返信する
Unknown (gratt)
2013-12-02 00:04:46
Brief187様どもども。
ワイコンについては単に安かったんで手が出たという、
安物買いの銭失いを地で行っただけなんです。

ただ、このアンバランスなデザインは好きなので
結果オーライかな?

墓場屋にしては珍しく付属CDも入っていたので
オリンパスマスターも欲しかったから丁度
よかったです。
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