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平和な毎日

ランニング大好き。走るほうは別ブログに書いてるので、ここでは好きなものを中心にあれこれと書いてきます。

Coolpix P6000 クーピー迷走の時代

2013年11月10日 | 今日の買い物

またまた墓場屋でワシントン条約に基づき保護したデジカメのご紹介。いつものように代わり映えしない店内で見つけたのがCoolpix P6000。手にとって値段を聞くと6000円‥P6000のPはPRICEのPってこと?シャレですか?んで、いつものように電池要らないと値段交渉開始、結局「ノークレームノーリターン」条件で5000円になったところで手打ちに持ち込むのだった。

ようやく普通の人も購入を考えるくらいの店頭価格になったコンパクトデジカメ市場で未だ高みの存在としてニコン信者から崇められたコンパクトデジカメがあった。それはCoolpix5000。950から始まったクーピーのトップモデルだ。
操作説明書も携帯しないと使いこなすのが難しい多機能で複雑な操作性に凶悪な概観はフルオート以前のカメラ世代の優越感をくすぐるものであり、一回り以上大きなセンサーやEDレンズが入った光学系は信頼の証だった。ライバルはキヤノンのパワショGシリーズ。画質ではパワショが一歩先を行っていたが、ワイドズームということもあってクーピーの方がアドアマ受けがよかったような気がした。

それなのにあぁそれなのに、地道に画質にこだわったパワショがG6付近でのモデル継続危機を乗り切り今では確固たる地位を築き上げたのに対し、クーピーは8400,8800を最後に糸の切れた凧のように迷走し始めるのだ。そして登場するのは迷走時代のひとつP6000だ。
このデジカメを一言で表現するなら「突っ込み所がてんこ盛り」というか、優れているところを探すのに一苦労しちゃう、そんなデジカメだぞ。


やはり最大の売りは28mmから始まる光学4倍ズーム。しかしだ、3倍ではあるがクーピー5000で既に実現していたではないか。8400では24mmスタートでパワショオーナーを悔しがらせたあのクーピー魂はどこに行ったのだ。更に望遠側のf値が普及モデル並みの5.9とは情けない。前回登場したソニーDSC-V1のバリオゾナーより暗いじゃないか。同じ時期なら「ワイドズームだから」と抗弁もできただろうが、V1より5年もたってるのよ。


パワショが画質一筋なのに比べクーピーのトップレンジは常に技術的に尖ったものを搭載してきた。初代からのスイバル、他社を圧倒するコンバージョンレンズ軍、8800でのVR搭載など。
そしてP6000では使えるコンバージョンレンズは一つだけになり、搭載されたのは飛び道具はGPSと有線LAN!うーむ迷走時代を象徴する訳の分からないものだ。


まずGPS、これ評判悪いです。とにかくアンテナの感度が悪い。んで、試してみました。うーん、当時の技術ならこんなものでしょ。むしろ即応性が求められるカメラと補足に時間がかかるGPSは相性がよろしくないのが当然。「あ!これ撮ろう」と思って、その場で数分待つなんてできないでしょ。それに世界中の秘境探検ならとにかく観光名所で記念撮影して、その位置データが記録されて果たしてそれに意味があるのか?運良く野良猫撮影に位置データが加わって、後で「ふむふむ、この野良猫はここで撮影したのか」なんて誰もしないって。


そしてもうひとつの困ったちゃんが有線LAN。何とこのデジカメはグリップの下にLANコネクタがあって、パソコンを経由せずダイレクトにネットに繋がるのだ(実は知らなかった)。そして繋がるのはニコンの専用サイトのみ。要するに撮った画像をこのサイトにアップしてみんなで楽しもう!って誰がするかいこんな面倒なこと。結局、パソコン環境がある場所じゃないとできない、だったらパソコンの裏にあるケーブルをいちいち外すよりカードをパソコンに挿す方が普通じゃないですか。

それに今ならスマホで速攻「なんとかナウ」とかfacebookアップできちゃう。何しろ携帯やスマホは基地局から位置を算出できるのでGPS単体より遙かに早く位置を割り出せるし、スマホなら路上からアップ可能。ニコン様完全に時代を読めませんでした。

このデジカメの提灯記事で目立ったのが、これらお馬鹿な機能にある種の先物買いというか未来を買うみたいなことが書いてたけど、株式じゃあるまいし先行投資できるかっての。ましてデジタル製品は「なまもの」なんですぜ。

もっとも大多数のユーザー同様に私もこんな機能を使う気は全くありませんね。惚れ込んだのはパワショよりコンパクトなボディとマグネシウムボディの質感だけですから。

とくにお気に入りはメインダイヤル周りに施された「ダイヤカット」です。どことなくレトロで好きだなぁ。ストロボが格納式なのも好ましい。正直、内蔵ストロボなんてまず使わないですから。またダメダメでも光学ファインダーは有り難い存在。P300はとてもよく出来たコンパクトだと思うけど、やはり光学ファインダーが欲しいんだよね。

そして特に良くなったのがグリップ。昔のニコンはナイスグリップというキャッチコピーを使うくらいでデザインを犠牲にしても普及クラスまでグリップを採用してたけど、今じゃ付いてない方が普通になってしまいました。

そしてP6000のグリップですが、これがすこぶる具合がよい。サイズ、形状とも良くできてます。個人的には歴代クーピーでも最高の出来です。更にラバーのパターンを変えて指先の部分はダイヤルと同じようにダイヤカットパターンになってます。これが指先の滑りを完全に押さえ込みます。このグリップとマグネシウムボディの剛性感が相まって抜群の安定感をもたらしてくれます。いや本当にデジイチと同じくらいなんですよ。手にとって初めて解るこの安心感は素晴らしいです。個人的には好学ファインダーとこのグリップはVRより頼りになりそう。