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「貴重な海洋遺産」が沈没2

2006-09-03 19:51:28 | ニュース関連
スカンジナビア号沈没:祝賀ムード暗転 保存する会「信じられない」 /静岡 (毎日新聞)
【ほんの2日前の8月31日、沼津市西浦木負の内浦湾からタグボートにえい航され母国・スウェーデンに向け出航した元客船「スカンジナビア」は2日午前2時ごろ、和歌山県串本町沖約3キロの水深約70メートルの海中に沈んだ。修復作業のため中国・上海に運ばれる途中の事故だった。
 31日には市民やファンら約430人が参加し出航式典が開かれるなど、「スカンジナビアの母国への帰国」を祝っていた地元のムードは、30年以上慣れ親しんだ優美な船体が波間に消えたとの一報を受け暗転、関係者は情報収集に追われた】
【一方、同船周辺でチャーターヨット業を長く営んでいた溜光男さん(58)は「同船は老朽化が激しく船底に穴があるとも聞いていた。上海までえい航できるか不安だった。両社の対応を信じていたのに。起きるべくして起きた事故。腹立たしさを感じる」と興奮気味に話した。船を沼津に残そうと昨年、署名活動を展開した「保存する会」のメンバー、前島希久也さん(66)は「信じられない。こんなことになるなら、何としてでも沼津に残しておけばよかった」と言葉を詰まらせた】

元豪華客船「スカンジナビア号」が沈没 (日刊スポーツ)
【串本海上保安署によると、現場は深さ約72メートル。船体は全長127メートルあり、海底に横たわっているとみられる。同署では「航行中に船体に浸水が始まり、沈没した」とみて原因を調べている。昭英海運関係者は「えい航前の検査では、船底の鉄板の肉厚が本来12~13ミリから腐食して8~9ミリに減っているが大丈夫、と聞いた。しかし、沈没状況から船に穴があいたとしか思えない」と話している。
 保存を求めて署名活動を行っていた地元住民や船舶ジャーナリストでつくる「スカンジナビア号を保存する会」の太田黒敦雄代表は「80年前の設計のため、船底の鉄板は溶接されておらず、リベットでつないであるだけ。70年から1度も陸上での大規模改修もなく、波が当たる喫水面付近の鉄板は非常に薄くなっていたはず。引き船でのえい航は無謀だった」と話した】

スカンジナビア沈没 (読売新聞 静岡版)
【えい航を前に、6月26日に海事検定会社が船体を調査し、同社が同28日に耐航証明を発行した。さらに8月1日から2日にかけて船底数か所の鋼板調査が行われ、スウェーデン側が保険に加入。31日に海事検定会社が引き船の船長にえい航証明書を発行したという。
■波にもまれ破壊か■ 海洋工学が専門の吉田宏一郎東大名誉教授は、「建造されて80年近い船が外洋を渡り、上海までえい航されるような状況は、あまり聞かないケースだ。外洋と駿河湾とでは波の条件も違う。航行中に波にもまれている間に、船体の薄くなっていた部分や弱い部分が破壊された可能性もあるのではないか」と指摘している】

 なんか保険金詐欺ではないかと疑う声も出てきたみたいですね、この事故。何しろ建造から79年、係留されてから36年経っていましたから、今回の上海までの長距離の曳航については、上記記事にもある様に色々と不安視されていたそうですからね。そういう疑う声が出てくるのも当然でしょう。今後はこの海事検定会社が発行した耐航証明が焦点になるんでしょうね、何しろ実際には曳航開始から3日と経たない内に沈没しちゃったんですから。
 しかし、曳航される「スカンジナビア」に誰も乗っていなかったというのが一寸不思議なんですけどねぇ。いや、まあ私は曳航作業に関する知識を全く持っていないんですけど、耐航証明が発行されているとはいえ、不安な部分が全く無い訳じゃない筈だから、「スカンジナビア」の状態監視とか応急作業用の要員が数名乗船していてもおかしくはないと思うんですが・・・・。


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