ロッキーの節電大作戦!「暑さ寒さを我慢しないで脱原発達成!」

浜岡原発停止による「電力不足?」報道に触発されて始めた節電日記。
必要な電気は使用、ムダな電気は使用しない。

ICOM 50Mhz AM&FM トランシーバー IC71 No.1(ロッキーの節電大作戦)

2018-03-10 13:01:29 | アマチュア無線
1970年代当初にアマチュア無線を始めましたが、初めて電波を出したのが50Mhz帯でした。
交信相手局が良く使用していたリグの一つにICOMの「IC71」が有りました。
この度、送信不良品ですが手に入りました。
到着時の外観、結構汚れている。なんだか可愛そう、購入当時は可愛がられていただろうに…

清掃してインテリアとして飾って置きましたが、前回のTR-1000やTR-5200同様少しなぶってみようかと思い内容調査です。
外付け電源が付いています。
電源の電解コンデンサーを交換しようかと開けて見ましたが、再組み付けが難しそうなのでやめました。
この構造では組み付けに手間が掛かっただろうなと思う。
左上に過電流検出用の抵抗と思われる巻き線、今なら0.1Ω程度のセメント抵抗だけど…

本体のカバーを外した所、スッキリしている。
上部は発信MIX、受信RFアンプ、下部は発信部とドライバー部、中央左の丸いアルミのケースがVFOのようです。

下面カバーを外した所、コンパクトにまとめて有るので込み入っている。
TR-5200に比べるとレストアは大変そう…

ドライバートランジスター、奇妙な放熱板が付いている。
シールド版に触れそう、良く見ると絶縁テープが貼って有った。

送信バッファーのトランジスター2SC512、回路図上は2SC774となっているのだが…
2SC512でもトランジション周波数60 MHzなので問題ないのか?
修理交換されているのかメーカー出荷時から付いていたのかは不明…

中間周波数増幅基板こちらはの基板名称は」「IC71」となっている。
このリグ全体ですがハンダ付けが手で行われている。
1970年製なので当時のICOMにフローハンダ設備が無かったようだ。

ファイナルユニット基板、2SC517が2個並列で取り付けて有るはずだがハンダ面しかみえない。
こちらの基板名称は「IC70」となっている。

低周波増幅&変調基板、こちらも基板名称はIC70となっている。
最初はIC70で発売しようとして開発したが、東芝のラジオがIC70で発売されたので機種名をIC71に変更したらしい。
その名残が一部分基板名称に「IC70」として残っているようです。

発振回路部分、なぜか300Ωフィダー線が使用して有る。

送受信のクリスタル発信部、上が送信用で下が受信用です。
標準装備のクリスタル2個は直接ハンダ付け、オプションの2個はソケット取り付けです。
直接ハンダ付けは初期のモデルです。その後、全てがソケット取り付けとなりました。
最初のクリスタルだけ固定コンデンサーでその他は半固定トリマーです。

クリスタルの切り替えロータリーSW等はカバーが掛けて有り、接点部は余り汚れていなそうです。
汚れていてもカバーが有るので清掃がしにくいのですが…


取りあえず電源投入、ランプの切れは無いようです。
SメーターはSWR計も兼ねているようです。

受信感度が悪くSメーターの振れが悪い、RFアンプ2SK19の不良かな…
FMは通常のザーと言うノイズが出ています。
AMはノイズが少ない状態です。ボリューム最大でわずかに聞こえる程度。
RITやスケルチは取りあえず正常のようです。
ダミーロードを付けて送信して見るも50MHZ帯の第1クリスタルが発信していません。
52~53Mhz帯は弱いながらも出力は出ています。
この機種は50~54Mhzまでを4個のクリスタルで分担して送信しています。
最初の50MHZ帯の第1のクリスタルだけ発信していません。
切り替えSW、クリスタル、直列に入っているコンデンサー、等の不良が考えられます。
基板を外して色々と試しましたが最終的にクリスタルの不良と断定して第1クリスタルの62.255Mhzを発注しました。

取り外した不良と思われるクリスタル。


注文していたクリスタルが入って来ました。
思ったより安かったので2個注文していました。
支払いは品物が着いてからの振り込みです。早速振り込んできました。 アロー電子info@arrow-denshi.com

クリスタルをハンダ付けするのが嫌だったのでソケットを移植しました。
後から考えると配線を替えるだけで良かったのかなとも思う。

早速に発信テストです。出力は調整無しで5ワット弱でした。もう1個のクリスタルも同じ様に発信。
発振しなかったのはクリスタルの不良でした。
出力の調整は全体の電解コンデンサーを交換してからする事にします。

変調アンプ部の電解コンデンサーを取り外した所です。
この2SC710と言うトランジスターは高周波から低周波まで広く使用して有ります。

交換した電解コンデンサーです。
色々なメーカーのが混じっているので以前のユーザーさんがメンテナンスをしたのかな?
交換によりボリュームを上げると起きていた低周波の発信は無くなりました。
丸いケース内に有るVFOにもう1個有るのですが分解が大変なので今回は見送りです。

付属の専用電源を使用している限り問題ないのですが、逆接防止のダイオードが付いていないので取り付けました。

送受信切り替えリレーを取り外し接点を磨きましたが、通常の紙で磨くくらいでは50年来の黒いサビは落ちませんでした。
そこで2000番の紙やすりで磨き、接点洗浄剤とエアーブローで処理しましたがどうなることやら…
このリレーは2接点が6回路も有りチョット驚き、普通は4回路2接点の事が多い。

使用して有る同軸ケーブル芯線が0.3mm位のが1本なので、複数撚りの芯線同軸に交換しました。
効果の程は分かりませんが結構苦労した。


一通り作業が終了したので確認後電源投入!ランプも点かない、音も出ない…
調べて見ると13.5VDC電源が来ていない。
こりゃ電源が壊れたかと開けて調べて見たけど問題ないようです。
この電源は過電流が流れると電源を遮断する優れもの?の様です。

色々調べてたどり着いたのがこちらのジャンパー線です。
マイナスとマイナスを編み線でジャンパーして有るのですが、これの絶縁チューブ溶けてが下のプラスラインと接触していました。
電解コンデンサーを交換するときに邪魔だったので取り外しましたが、再取り付け時に接触させてしまったようです。


電源の問題が解消したので通電です。
電解コンデンサーを交換したのでAFボリュームを上げると発振していたアンプがおとなしくなりました。
これに気をよくしてダミーロードを付けて送信テストです。
各トリマーとコイルの調整で8Wまで出ました。ただしこのパワー計あてにならないけど…
取りあえずファイナルトランジスター2SC517は働いているようです。


ここでマイクを取りだし変調を掛けて見るもほとんど変調が掛かっていません。
信号発生器は無いのでAFアンプの先頭から手で触ってみて音の出方から先頭付近のトランジスターが思わしく無いと判断です。
先頭は2SC871と言う石ですが同じ物が無いので困ったときの2SC1815GRに交換です。
2段目は2SC710でこれは予備品が有りましたのでそれに交換です。
スピーカー端子にデジタルテスターを付けてACで測定しましたが交換前と比べると3~4割上昇しました。
トランジスター2個の交換で変調は掛かるようになりましたがまだ浅いので不満では有ります。
交換したトランジスターをチェッカーで測って見ましたが、問題無しで無実だと言っています。
 
しかし、交換した2SC1815GRや2SC710も同じ様なhfeでしたのでチェッカーでは分からない劣化が有るようです。
改善が見られたので気をよくしてAFアンプのトランジスターを全て交換してみました。(除くパワーTR)
しかしそれ以上の効果は有りませんでした。
交換でのその他変化点ははスケルチの閉じる位置が12時位置だったのが9時位置になりました。
交換したAFアンプのトランジスター


先にも書きましたが受信感度が悪いのでRFアンプの2SK19を交換しました。
取り外した2SK19をチェッカーで見てみると足の配置がBCEでトランジスターを表示しましたので不良のようです。

2SK19の交換で劇的に感度が上がるかと思いきやほんの僅かしか改善されません。
そこで他のトランジスターも試してみることに…
最初は足配置以外は2SK125と同じという触れ込みのJ310を試しましたが何も聞こえなくなりこれはダメ。
次に2SK241を試しました。感度は良くなったのですが、強い信号が入ると発信気味でこれもダメ。
結局最初の2SK19に戻しました。YランクをGRランクに替えたのでドレイン電流が増えてドレイン電圧が低くなったので電源からの抵抗470Ωを300Ωに変更して電圧を上げたら少し感度上昇です。

その他クリスタルOSCやIFアンプのトランジスターやダイオードを交換してみましたがあまり効果無しです。
コレクター電圧を当たって見るとIF最終段のトランジスターが低かったので抵抗値変更で電圧を上げたら少し感度が上昇しました。
コイルコア-の調整も行いましたが、硬くて動かないのも有りイマイチです。
そこで、コアー部にシリコンを少量スプレー、後から調整するつもりでしばらく放置です。
4ヶ月後、気が向いたのでコアーの調整です。調整ドライバーは竹箸を削ってコアーの溝に合うように作りました。

結構同調がズレていて調整範囲を外れているので外付けでコンデンサーを追加した所も有ります。
この処置により感度も上がり近くのビーコンが受信出来るようになりました。

AFアンプへの入力レベルがFMとAMで大きく違うのでFM側に半固定ボリュームを付けた。
この半固定ボリュームは回路図上では入っているのだけど実際は省いて有りました。

そんなことで製造より50年近く経った無線機の復活は送信より受信の改善に手間取るとは意外でした。
またインテリアに戻りますがこのIC-71はSメーターの照明が裏から透けて奇麗です。
長文お読み頂き有り難うございました。






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