820note

820製作所/波田野淳紘のノート。

ぺり。

2010-04-29 | 生活の周辺。
日本舞踊を観にいった。坂東扇輔という名の踊り手がいる。
ほんとうはいきいきとした生気を封じ込めたものとして「型」があるはずなのに、それが単なるかさぶたに見えてしまうことがある。傷を覆い、守るためのこわばり。でも彼の踊りはそうではなかった。ぺりっとかさぶたがめくれて、あたらしい肌があらわになった。どきどきした。みずみずしく、色っぽかった。くやしいほど。

半蔵門のあたりをぶらつく。どうしてこの国のつくる建物はどれもこれもあんなに大仰なのか。なにを威圧したいのか。ああでもしないと不安なのか。憤慨した加藤くんがお濠に飛び込もうとするので慌てて止める。なにせあちこちに機動隊の装甲車が路駐している。われわれはセンチメンタルなアウトローである。大谷さんが舌打ちをする。加藤くんがガンを飛ばす。装甲車が動きだす。

三人で中華料理を食べた。