820note

820製作所/波田野淳紘のノート。

忘れ物。

2016-02-29 | 生活の周辺。
二月の終わりには必ず「二月尽 何か大きな 忘れ物」(下村ひろし)という句を思いだす。
昼に『マッチ売りの少女』の稽古。夜、ノートに、小さな文章を書く。肉筆で書くと、文体が変わる。如実に変わる。

全力。

2016-02-28 | 生活の周辺。
久しぶりにちゃんと布団で寝た。起きたら、からだがとても楽だった。一日稽古。両作品の通しをする。松本さんの芝居を膨らませる力に、稽古ごとに驚く。まるで思いつかなかった。修行が足りない。ないんさんがヨシコといっしょに寝床に入ったという話を聞いて、ああ、そういうことだよなと思う。稽古を終えて、けーけがこれからダンス公演の深夜練習に向かうと聞き、愕然とする。あすも昼から『マッチ売りの少女』の稽古。いつ眠るのか。頭が下がる。夜、小雨。

みちみち。

2016-02-27 | 生活の周辺。
朝、とんでもない夢を見た。とんでもない劇作家と、とんでもない演出家が二人、楽しそうに、裸で肩を組んでいた。乞われて、その姿を写真に撮った。二人は朗らかに笑っていた。
『一軒の家・一本の樹・一人の息子』稽古。昼はとても狭い稽古場で、みちみちとして稽古をする。夕方からもう少し広い部屋に移動し、後半を細かく稽古。今井さんの言葉がなぜこんなにも生き生きとして響くか、理由が何となくわかったように思う。夜、赤い月を見る。

呆然。

2016-02-26 | 生活の周辺。
ここ数年で白髪がめっきりと増えた。日に日に白い領域が広がる。髪をかき分けると呆然とする。読んだばかりの坂口安吾の小説の一節が浮かぶ。

……もっと切ないことがある。それは私が、私自身を何一つ書き残していない、ということだった。……(『いずこへ』坂口安吾)

安吾でさえ。まして、ぼくはまだ何ものでもない。

やあ。

2016-02-24 | 生活の周辺。
夢のなかに、いっしょに芝居をつくる仲間たちがぞろりと出てきた。あしべが信じられないくらい怒っていて、聞くと、出がけに家族と喧嘩したのだと言う。
夜、どうしても動けなくて、こたつで縮こまる。文芸文庫の『風と光と二十の私と』を少しずつ読む。学生時代にも読んだが、いったい何を読んでいたのかと思う。教養として読むのはだめだ、身につかない。というより、自分自身の抱える問題が切実にそれを必要として読み、聞き、鑑賞する積み重ねのことを教養と呼ぶのだろう。
本は読んだひとに必ず痕跡を残すから、昔の自分に再会しているような気持ちにもなった。

ワンダーランドへ。

2016-02-23 | 生活の周辺。
午前中、港北のIKEAへ。
ワンダーランドだ。なんて楽しいんだ。ゆっくりと見てまわりたかった。チョコレートが美味しい。ああぼくはきっとまた行こう。チョコレートが美味しいのだから。今度はローズヒップジュースも試すのだから。
昼から稽古へ。
久しぶりにタオルまわしをした。途切れさせまくった。グルーヴを生みだす力を集団で鍛えたい。
稽古をしながら、大笑いをする。瞬間で終わらせないためには、張りつめた時間の持続のためには何が必要か。
『マッチ売りの少女』の終わり間際、芝居の出来とは関係なく、頭痛に襲われ、朦朧とする。このところ、ずっとだ。目眩がする。
夕方から『一軒の家・一本の樹・一人の息子』の稽古。今井さんも仰っておられたが、正念場だ。

はっくしょい。

2016-02-22 | 生活の周辺。
祖母の誕生日。お墓参りをしばらくしていない。時間ばかりが経ってしまう。
この頃、以前にはなかったようなことが頻々に起きる。稽古場で、言ったつもりのことを言ってなかったり、言ったことがまるで記憶になかったり、自分の言動が信用できなくなった。おそろしいことだ。おれはそんなに上の空で生きているのか。
一日、くしゃみが止まらない。夜、おなかがきゅるるるると鳴りやまない。懐かしい短歌を思いだして、座組のみんなにメール。

ひそひそ。

2016-02-21 | 生活の周辺。
午前中に秋葉舞滝子さんと野村貴浩さんによる、森本薫の戯曲のリーディングへ。何と贅沢な時間。
『薔薇』も『記念』も、作家が20代の前半の頃に書かれたものと伺い、驚倒した。
『一軒の家・一本の樹・一人の息子』の通し。役者のひとりの到着が遅れ、街がゾンビに占拠でもされたかと一瞬恐怖した。帰宅して意識が途切れる。

大雨。

2016-02-20 | 生活の周辺。
雨。大雨。びしょびしょ。
お昼の稽古で、松本さんが卓球玉を持ってきてくれた。松本さんと卓球の稽古をするのは久しぶり。僕は卓球の勘が鈍っている。からだと意志の接続が不具合を起こしている。『幽霊』の稽古中にも一回やったが、空振りの連発だった。駅までの道すがら、松本さんからP.E.C.T.で卓球を稽古に取り入れた経緯を伺う。そういうことだったか、と腑に落ちた。稽古中に「規格外の演出」のことについても伺い、戦慄が走った。
『一軒の家・一本の樹・一人の息子』は少しずつ、やわらかくほぐれてきた。生き生きした人間の呼吸を通らせたい。