最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

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●北朝鮮の人工衛星(改)

2012-04-04 23:30:18 | Weblog
●北朝鮮の人工衛星(光明星1号)改(はやし浩司 2012-04-4)

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

今日、北朝鮮の人工衛星について書いた。
アクセス数が多かったこともあるが、
書き足りなかった点もあるので、改めて
書き足してみる。

Hiroshi Hayashi++++++はやし浩司

 ここ数日、週刊現代誌に載っていた、北朝鮮の人工衛星なる模型が気になってしかたない。
現在、ピョンヤンの「電子工業館」に展示してある模型は、前回、北朝鮮が打ち上げた人工衛星、「光明星1号」の模型という。
模型だから、本物ではない。
しかしまったくの、創造物とは言い難い。
もちろん、おもちゃではない。

 こうした展示館で模型を飾るときは、常識として、できるだけ本物に近いものを並べる。
たいていは、予備に作った本物を並べる。
古今東西、どこの展示館でも、そうしている。

 だから週刊現代誌で紹介されている人工衛星は、かぎりなく本物(?)に近いものと考えてよい。
しかし疑問がいくつかある。

●スプートニック1号、2号

 北朝鮮の人工衛星を見て、まず気がつくのは、その形状。
一見して、旧ソ連が打ち上げた、スプートニック1号および2号にそっくり。
球形で、アンテナが斜め後方に4本、伸びている。

スプートニック1号および2号の写真と、北朝鮮の人工衛星の写真を並べて、紹介する。

 なおスプートニック1号、2号というのは、スプートニク計画により、1950年代後半に旧ソ連によって地球を回る軌道上に打ち上げられた、人類初の無人人工衛星をいう。

(1950年代だぞ!)

732psupu-tonikku
(スプートニック1号)

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(スプートニック2号)

img321
(北朝鮮の人工衛星)

 この3枚の写真を見比べただけでも、北朝鮮の人工衛星がいかに「おもちゃ風」であるかがわかる。
おもちゃでなければ、サッカーボール。
あるいはクラブやディスコの天井につり下げてある、ミラーボール。
週刊現代誌は、「おもちゃイムニダ」と皮肉っている。

●疑問(1)アンテナ

 アンテナを見たとき、最初にこう思った。
「これはラジカセのアンテナ?」と。

 よく見ると、1本のアンテナが3段に分かれている。
携帯用のアンテナなら、伸縮できるように、3段にしたりする。
しかし人工衛星では、それは必要ではない。
仮に必要であるとしても、いったい、だれがどのようにして伸したり、縮めたりするのか。

 が、さらに詳しく見ると、3段になったアンテナが、その接続部で、溶接らしきものがほどこしてあるのがわかる。
写真でも見ても、それぞれの部分が、不揃いにふくらんでいる。

img323
(北朝鮮の人工衛星・3段になったアンテナ)

img322
(北朝鮮の人工衛星・アンテナ付け根部分)

 仮にこれが人工衛星であるとしても、数百億円もかけて宇宙へ飛ばす価値があるのだろうか。
反対に、数百億円もかけて飛ばすくらいなら、もう少しその価値のあるものを打ち上げるのではないだろうか。
この矛盾を、どう考えたらよいのか。

●着色の謎

 謎はまだつづく。

 宇宙では、温度の差が問題となる。
たとえば月面では、昼は+120℃、夜はー150℃になる。
月は自転をしているので、昼の蓄熱と夜の冷却が繰り返され、まだ温度差は小さい。
では、宇宙ではどうか。
回転していなければ、太陽の光の当たる表面は、限界温度、裏はー270℃近くになる。
 
 そのため人工衛星は、温度を平均化するため、回転するようにできている。
とくに人間が居住するような人工衛星は、そうである。

 が、もし機器を積んだだけの人工衛星であれば、「熱」だけを考えればよい。
電子機器は、「冷え」には強いが、「熱」には弱い。
そこで人工衛星は、スプートニック1号、2号のように、熱を反射するため、ピカピカに磨かれる。
ところが、である。
北朝鮮の人工衛星は、ピカピカどころか、着色してある。
わざわざ着色した理由は何なのか。
つまりここが不自然。

●本物と模型

 私は子どものころから、プラモデルを作るのが趣味だった。
そのプラモデル。
よくできたプラモデルほど、本物に近い。
たとえば飛行機にしても、それぞれの部品には意味がある。
意味のない部品は、ない。
「こんなところに、こんなものがついている。何だろう……」と考えていくと、かならず、その答がある。
とくに戦闘機のばあいは、無駄がない。
もちろん飾りもない。
(塗装は別だが……。)

 一方、たとえばガンダムのようなプラモデルは、言うなれば、「ウソの塊(かたまり)」。
もっともらしい部品は無数についているが、みんなウソ。
そこにある部品の意味を考えても意味は、ない。
すべてが作者の想像力から生まれた、「飾り」である。

 つまり本物をもとにしたプラモデルと創作をもとにしたプラモデルのちがいは、ここにある。

 で、人工衛星のばあいは、どうか。
……とあえて問題を提起するまでもなく、無駄なものは、いっさい、ない。
飾りも、いっさい、ない。
戦闘機のような塗装も、ない。
そんな必要もないし、そんなことをすれば、重くなるだけ。

 その人工衛星に着色がしてある?
タイルごとに、2色が使われている?
しかも人工衛星の本体は、球形ではなく、多面体。
昔見た、ウルトラマンの映画にも、こんな人工衛星は出てこない。

●つづく疑問

 もう一度、スプートニック2号の写真を見てほしい。
スプートニック2号は、ロケット本体に、きちんと格納してある。
つまりこの状態で宇宙へ飛んでいく。
つまり宇宙へ届いたら、カプセルが開き、人工衛星は外へ放たれる。
が、問題は、そのとき。
人工衛星が宇宙へ放たれると同時に、当然、アンテナは、傘を開くように開かれる。

 そこでスプートニック1号の写真をよく見てほしい。
アンテナの付け根部分である。
たぶんバネ式になっていて、アンテナが開く構造になっているのがわかる。
かなり複雑な構造をしている。

 一方北朝鮮の光明星1号は、見るからにラジカセのアンテナ風。
自動的に開くとか、そういった構造になっていないことがわかる。
「どうやって宇宙で開くのだろう」と考えるだけ、ヤボ。
このアンテナでは、宇宙で、開くことはできない。
が、展示してある光明星1号のそれは、ちゃんと開いている。

●結論

 北朝鮮の人工衛星は、どう見ても人工衛星ではない。
アンテナひとつとりあげても……というか、私たちの家にあるラジカセのアンテナと見比べてみればよい。
取りつけ方、形状ともに、そっくり!

 恐らく今回打ち上げるミサイルにしても、似たようなものが積んであるのだろう。
重さは、100キロという。
北朝鮮は、世界に公開すると言っている。
だったら、その衛星本体を見せればよい。
ちがうかな?


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