最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

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●社会適応性

2009-06-04 00:14:56 | Weblog
【社会適応性・EQ検査】(P・サロヴェイ)



●社会適応性



 子どもの社会適応性は、つぎの5つをみて、判断する(サロベイほか)。



(1)共感性

Q:友だちに、何か、手伝いを頼まれました。そのとき、あなたの子どもは……。



(1)いつも喜んでするようだ。

(2)ときとばあいによるようだ。

(3)いやがってしないことが多い。





(2)自己認知力

Q:親どうしが会話を始めました。大切な話をしています。そのとき、あなたの子どもは……



(1)雰囲気を察して、静かに待っている。(4点)

(2)しばらくすると、いつものように騒ぎだす。(2点)

(3)聞き分けガなく、「帰ろう」とか言って、親を困らせる。(0点)





(3)自己統制力

Q;冷蔵庫にあなたの子どものほしがりそうな食べ物があります。そのとき、あなたの子どもは
……。



○親が「いい」と言うまで、食べない。安心していることができる。(4点)

○ときどき、親の目を盗んで、食べてしまうことがある。(2点)

○まったくアテにならない。親がいないと、好き勝手なことをする。(0点)





(4)粘り強さ

Q:子どもが自ら進んで、何かを作り始めました。そのとき、あなたの子どもは……。



○最後まで、何だかんだと言いながらも、仕あげる。(4点)

○だいたいは、仕あげるが、途中で投げだすこともある。(2点)

○たいていいつも、途中で投げだす。あきっぽいところがある。(0点)



(5)楽観性

Q:あなたの子どもが、何かのことで、大きな失敗をしました。そのとき、あなたの子どもは…
…。



○割と早く、ケロッとして、忘れてしまうようだ。クヨクヨしない。(4点)

○ときどき思い悩むことはあるようだが、つぎの行動に移ることができる。(2点)

○いつまでもそれを苦にして、前に進めないときが多い。(0点)

 



(6)柔軟性

Q:あなたの子どもの日常生活を見たとき、あなたの子どもは……



○友だちも多く、多芸多才。いつも変わったことを楽しんでいる。(4点)

○友だちは少ないほう。趣味も、限られている。(2点)

○何かにこだわることがある。がんこ。融通がきかない。(0点)



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(  )友だちのための仕事や労役を、好んで引き受ける(共感性)。

(  )自分の立場を、いつもよくわきまえている(自己認知力)。

(  )小遣いを貯金する。ほしいものに対して、がまん強い(自己統制力)。

(  )がんばって、ものごとを仕上げることがよくある(粘り強さ)。

(  )まちがえても、あまり気にしない。平気といった感じ(楽観性)。

(  )友人が多い。誕生日パーティによく招待される(社会適応性)。

(  )趣味が豊富で、何でもござれという感じ(柔軟性)。





 これら6つの要素が、ほどよくそなわっていれば、その子どもは、人間的に、完成度の高い子
どもとみる(「EQ論」)。



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順に考えてみよう。



(1)共感性



 人格の完成度は、内面化、つまり精神の完成度をもってもる。その一つのバロメーターが、
「共感性」ということになる。



 つまりは、どの程度、相手の立場で、相手の心の状態になって、その相手の苦しみ、悲し
み、悩みを、共感できるかどうかということ。



 その反対側に位置するのが、自己中心性である。



 乳幼児期は、子どもは、総じて自己中心的なものの考え方をする。しかし成長とともに、その
自己中心性から脱却する。「利己から利他への転換」と私は呼んでいる。



 が、中には、その自己中心性から、脱却できないまま、おとなになる子どももいる。さらにこの
自己中心性が、おとなになるにつれて、周囲の社会観と融合して、悪玉親意識、権威主義、世
間体意識へと、変質することもある。



(2)自己認知力



 ここでいう「自己認知能力」は、「私はどんな人間なのか」「何をすべき人間なのか」「私は何を
したいのか」ということを、客観的に認知する能力をいう。



 この自己認知能力が、弱い子どもは、おとなから見ると、いわゆる「何を考えているかわから
ない子ども」といった、印象を与えるようになる。どこかぐずぐずしていて、はっきりしない。優柔
不断。



反対に、独善、独断、排他性、偏見などを、もつこともある。自分のしていること、言っているこ
とを客観的に認知することができないため、子どもは、猪突猛進型の生き方を示すことが多
い。わがままで、横柄になることも、珍しくない。



(3)自己統制力



 すべきことと、してはいけないことを、冷静に判断し、その判断に従って行動する。子どもの
ばあい、自己のコントロール力をみれば、それがわかる。



 たとえば自己統制力のある子どもは、お年玉を手にしても、それを貯金したり、さらにため
て、もっと高価なものを買い求めようとしたりする。



 が、この自己統制力のない子どもは、手にしたお金を、その場で、その場の楽しみだけのた
めに使ってしまったりする。あるいは親が、「食べてはだめ」と言っているにもかかわらず、お菓
子をみな、食べてしまうなど。



 感情のコントロールも、この自己統制力に含まれる。平気で相手をキズつける言葉を口にし
たり、感情のおもむくまま、好き勝手なことをするなど。もしそうであれば、自己統制力の弱い
子どもとみる。



 ふつう自己統制力は、(1)行動面の統制力、(2)精神面の統制力、(3)感情面の統制力に
分けて考える。



(4)粘り強さ



 短気というのは、それ自体が、人格的な欠陥と考えてよい。このことは、子どもの世界を見て
いると、よくわかる。見た目の能力に、まどわされてはいけない。



 能力的に優秀な子どもでも、短気な子どもはいくらでもいる一方、能力的にかなり問題のある
子どもでも、短気な子どもは多い。



 集中力がつづかないというよりは、精神的な緊張感が持続できない。そのため、短気にな
る。中には、単純作業を反復的にさせたりすると、突然、狂乱状態になって、泣き叫ぶ子どもも
いる。A障害という障害をもった子どもに、ときどき見られる症状である。



 この粘り強さこそが、その子どもの、忍耐力ということになる。



(1)楽観性



 まちがいをすなおに認める。失敗をすなおに認める。あとはそれをすぐ忘れて、前向きに、も
のを考えていく。



 それができる子どもには、何でもないことだが、心にゆがみのある子どもは、おかしなところ
で、それにこだわったり、ひがんだり、いじけたりする。クヨクヨと気にしたり、悩んだりすること
もある。



 簡単な例としては、何かのことでまちがえたようなときを、それを見れば、わかる。



 ハハハと笑ってすます子どもと、深刻に思い悩んでしまう子どもがいる。その場の雰囲気にも
よるが、ふと見せる(こだわり)を観察して、それを判断する。



 たとえば私のワイフなどは、ほとんど、ものごとには、こだわらない性質である。楽観的と言え
ば、楽観的。超・楽観的。



 先日も、「お前、がんになったら、どうする?」と聞くと、「なおせばいいじゃなア~い」と。そこで
「がんは、こわい病気だよ」と言うと、「今じゃ、めったに死なないわよ」と。さらに、「なおらなか
ったら?」と聞くと、「そのときは、そのときよ。ジタバタしても、しかたないでしょう」と。



 冗談を言っているのかと思うときもあるが、ワイフは、本気。つまり、そういうふうに、考える人
もいる。



(2)柔軟性



 子どもの世界でも、(がんこ)な面を見せたら、警戒する。



 この(がんこ)は、(意地)、さらに(わがまま)とは、区別して考える。



 一般論として、(がんこ)は、子どもの心の発達には、好ましいことではない。かたくなになる、
かたまる、がんこになる。こうした行動を、固執行動という。広く、情緒に何らかの問題がある
子どもは、何らかの固執行動を見せることが多い。



 朝、幼稚園の先生が、自宅まで迎えにくるのだが、3年間、ただの一度もあいさつをしなかっ
た子どもがいた。



 いつも青いズボンでないと、幼稚園へ行かなかった子どもがいた。その子どもは、幼稚園で
も、決まった席でないと、絶対にすわろうとしなかった。



 何かの問題を解いて、先生が、「やりなおしてみよう」と声をかけただけで、かたまってしまう
子どもがいた。



 先生が、「今日はいい天気だね」と声をかけたとき、「雲があるから、いい天気ではない」と、
最後までがんばった子どもがいた。



 症状は千差万別だが、子どもの柔軟性は、柔軟でない子どもと比較して知ることができる。
柔軟な子どもは、ごく自然な形で、集団の中で、行動できる。



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 EQ(Emotional Intelligence Quotient)は、アメリカのイエール大学心理学部教授。ピーター・
サロヴェイ博士と、ニューハンプシャー大学心理学部教授ジョン・メイヤー博士によって理論化
された概念で、日本では「情動(こころ)の知能指数」と訳されている(Emotional Educatio
n、by JESDA Websiteより転写。)



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【EQ】



 ピーター・サロヴェイ(アメリカ・イエール大学心理学部教授)の説く、「EQ(Emotional Intell
igence Quotient)」、つまり、「情動の知能指数」では、主に、つぎの3点を重視する。



(1)自己管理能力

(2)良好な対人関係

(3)他者との良好な共感性



 ここではP・サロヴェイのEQ論を、少し発展させて考えてみたい。



 自己管理能力には、行動面の管理能力、精神面の管理能力、そして感情面の管理能力が
含まれる。



○行動面の管理能力



 行動も、精神によって左右されるというのであれば、行動面の管理能力は、精神面の管理能
力ということになる。が、精神面だけの管理能力だけでは、行動面の管理能力は、果たせな
い。



 たとえば、「銀行強盗でもして、大金を手に入れてみたい」と思うことと、実際、それを行動に
移すことの間には、大きな距離がある。実際、仲間と組んで、強盗をする段階になっても、その
時点で、これまた迷うかもしれない。



 精神的な決断イコール、行動というわけではない。たとえば行動面の管理能力が崩壊した例
としては、自傷行為がある。突然、高いところから、発作的に飛びおりるなど。その人の生死に
かかわる問題でありながら、そのコントロールができなくなってしまう。広く、自殺行為も、それ
に含まれるかもしれない。



 もう少し日常的な例として、寒い夜、ジョッギングに出かけるという場面を考えてみよう。



そういうときというのは、「寒いからいやだ」という抵抗感と、「健康のためにはしたほうがよい」
という、二つの思いが、心の中で、真正面から対立する。ジョッギングに行くにしても、「いやだ」
という思いと戦わねばならない。



 さらに反対に、悪の道から、自分を遠ざけるというのも、これに含まれる。タバコをすすめら
れて、そのままタバコを吸い始める子どもと、そうでない子どもがいる。悪の道に染まりやすい
子どもは、それだけ行動の管理能力の弱い子どもとみる。



 こうして考えてみると、私たちの行動は、いつも(すべきこと・してはいけないこと)という、行動
面の管理能力によって、管理されているのがわかる。それがしっかりとできるかどうかで、その
人の人格の完成度を知ることができる。



 この点について、フロイトも着目し、行動面の管理能力の高い人を、「超自我の人」、「自我の
人」、そうでない人を、「エスの人」と呼んでいる。



○精神面の管理能力



 私には、いくつかの恐怖症がある。閉所恐怖症、高所恐怖症にはじまって、スピード恐怖症、
飛行機恐怖症など。



 精神的な欠陥もある。



 私のばあい、いくつか問題が重なって起きたりすると、その大小、軽重が、正確に判断できな
くなってしまう。それは書庫で、同時に、いくつかのものをさがすときの心理状態に似ている。
(私は、子どものころから、さがじものが苦手。かんしゃく発作のある子どもだったかもしれな
い。)



 具体的には、パニック状態になってしまう。



 こうした精神作用が、いつも私を取り巻いていて、そのつど、私の精神状態に影響を与える。



 そこで大切なことは、いつもそういう自分の精神状態を客観的に把握して、自分自身をコント
ロールしていくということ。



 たとえば乱暴な運転をするタクシーに乗ったとする。私は、スピード恐怖症だから、そういうと
き、座席に深く頭を沈め、深呼吸を繰りかえす。スピードがこわいというより、そんなわけで、そ
ういうタクシーに乗ると、神経をすり減らす。ときには、タクシーをおりたとたん、ヘナヘナと地面
にすわりこんでしまうこともある。



 そういうとき、私は、精神のコントロールのむずかしさを、あらためて、思い知らされる。「わか
っているけど、どうにもならない」という状態か。つまりこの点については、私の人格の完成度
は、低いということになる。



○感情面の管理能力



 「つい、カーッとなってしまって……」と言う人は、それだけ感情面の管理能力の低い人という
ことになる。



 この感情面の管理能力で問題になるのは、その管理能力というよりは、その能力がないこと
により、良好な人間関係が結べなくなってしまうということ。私の知りあいの中にも、ふだんは、
快活で明るいのだが、ちょっとしたことで、激怒して、怒鳴り散らす人がいる。



 つきあう側としては、そういう人は、不安でならない。だから結果として、遠ざかる。その人は
いつも、私に電話をかけてきて、「遊びにこい」と言う。しかし、私としては、どうしても足が遠の
いてしまう。



 しかし人間は、まさに感情の動物。そのつど、喜怒哀楽の情を表現しながら、無数のドラマを
つくっていく。感情を否定してはいけない。問題は、その感情を、どう管理するかである。



 私のばあい、私のワイフと比較しても、そのつど、感情に流されやすい人間である。(ワイフ
は、感情的には、きわめて完成度の高い女性である。結婚してから30年近くになるが、感情
的に混乱状態になって、ワーワーと泣きわめく姿を見たことがない。大声を出して、相手を罵倒
したのを、見たことがない。)



 一方、私は、いつも、大声を出して、何やら騒いでいる。「つい、カーッとなってしまって……」
ということが、よくある。つまり感情の管理能力が、低い。



 が、こうした欠陥は、簡単には、なおらない。自分でもなおそうと思ったことはあるが、結局
は、だめだった。



 で、つぎに私がしたことは、そういう欠陥が私にはあると認めたこと。認めた上で、そのつど、
自分の感情と戦うようにしたこと。そういう点では、ものをこうして書くというのは。とてもよいこと
だと思う。書きながら、自分を冷静に見つめることができる。



 また感情的になったときは、その場では、判断するのを、ひかえる。たいていは黙って、その
場をやり過ごす。「今のぼくは、本当のぼくではないぞ」と、である。



(2)の「良好な対人関係」と、(3)の「他者との良好な共感性」については、また別の機会に考
えてみたい。

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