最前線の育児論byはやし浩司(Biglobe-Blog)

最前線で活躍するお父さん、お母さんのためのBLOG
http://www2.wbs.ne.jp/~hhayashi/

●変わる学校(1)

2010-02-07 14:31:56 | Weblog
●2月5日

++++++++++++++++++++

●変りつつある学校

今、学校教育が、大きく変りつつある。
制度というよりは、中身が変りつつある。
たとえば今、子ども(小学生)が、「今日は
塾があるから、クラブを休ませてほしい」と
言うと、すんなりと許可がおりる。
早退ができる。

しかし今から、30年前は、そうではなかった。
そんなことを生徒が言おうものなら、即座に
教師はこう言った。

「だったら、学校をやめろ!」と。

●教師の姿勢

また指導の仕方も変った。
今では、生徒に向かって、「掃除しなさい!」と
がなりたてる教師はいない。
「掃除しましょう」(共同型)、あるいは
「掃除してください」(依頼型)、さらには
「掃除したらどうでしょう」(提案型)の言い方が
ふつうになっている(静岡県)。

こうした指導の仕方について、ある小学校の
校長はこう言った。
「現場の教師たちが、萎縮しています」と。

今では、紙を丸めて生徒の頭を叩いても、「体罰!」と
なる。
ささいな(遊び)についても、「そら、いじめ!」となる。
親が、そう言って騒ぐ。

また生徒が学校で怪我をしたりすると、担任が
家までその生徒を送り届け、わびを言うのが
慣わしになっている。
少し前までは、電話一本ですんだような話である。

●掛け算

一方、教師たちの教え方にも、変化が見られるように
なった。
ほんの15年前なら、たとえば掛け算のできない生徒
(小2)がいたとする。
そういう生徒に対して教師は残り勉強をさせてでも、
掛け算を教えた。
生徒が泣いても、教えた。

が、今は、ちがう。
教師も一通りのことは教える。
しかしそこまで。
「あとは生徒の責任」と突き放してしまう。
だから小学3年生でも、掛け算のできない生徒は、
いくらでもいる。
(一度覚えたからといって、それで安心してはいけない。
子どもだって、時間がたてば、忘れる。)

●不登校児

こうした変化がもっとも顕著に出ているのは、
不登校児の扱い方である。

20年前、30年前には、「不登校は悪」という前提で、
生徒が不登校児になったりすると、教師は家まで出かけていった。
半ば強制的に、生徒を学校へ連れていった。

が、今は、ちがう。
生徒が不登校児になっても、教師は用意されたマニュアル
通りの指導しかしない。
「無理に・・・」という姿勢は、消えた。

こうした一連の変化を、まとめて言えば、教師がサラリーマン化した
ということになる。
サラリーマン化が悪いというのではない。
サラリーマンなのだから、サラリーマンでよい。
が、それ以上に、教師たちは雑務、雑務の連続で、窒息
しかかっている。
「授業中だけが、休める場所です」と言った教師もいた。

見かけの自由はふえたが、たとえば(空き時間)にしても、
今ではほとんどない。
このあたりの中学校でも、たがいに何とかやりくりして、
週に2~3時間の(空き時間)を作っている。
私たちが中学生のころは、「1時間教壇に立ったら、
つぎの1時間は空き時間」というのが、ふつうだった。

●親たちの意識

それに合わせて、親たちの意識も変ってきた。
学校に求めるものが、変わってきた。
いわゆる学校の予備校化である。

この世界も例外ではない。
需要と供給のバランスの上で、成り立っている。
高校を中心に、予備校化は、ここ10年、急速に進んでいる。
私立高校では、予備校から講師を招いて、授業を
しているところもある。

小学校は、中学入試のため、
中学校は、高校入試のため、
高校は、大学入試のため、というわけである。
あくまでもゴールは、大学。
「モンスターママ」という、あの忌まわしい呼び名も、
そういうところから生まれた。

●反動

一方、「これではいけない」と考える教師も多い。
子どもを、もっと全人格的に評価しようという動きである。
AO入試方法が、その一例ということになる。

また学力の評価の仕方にしても、(できる子ども)から、(考える子ども)
へと、変ってきている。
中高一貫校を中心に入試問題も、大きく様変わりしつつある。
ありきたりの(ガリ勉)では、歯が立たない。
そんな問題が、ふえてきた。
列車の時刻表を見せながら、「どの列車をうまく乗り継ぐと、
目的地へ早く着くことができるか」と。

●パズル化する入試問題

が、「敵もサルもの・・・」。
進学塾が、こうした入試方法に、即、反応している。
いわゆる(見かけの考える子ども)の育成である。
というのも、(考える)といっても、傾向としては、
パズル的な問題が多くなる。
深く分析し、論理的に組み立てる問題というよりは、
直感的に即断するという問題が多い。
こうした問題は、訓練によって、かなりの程度まで、
解けるようになる。

では、その子どもの内面世界はどうか。
それを知る方法が、「作文」ということになる。
が、その「作文」にしても、1~2年も訓練すれば、
だれでもそれらしい文章を書けるようになる。
「弱い子がいたら、助けてあげます」式の、
きれいごとを並べれば、それですむ。

●欲望

要するに元凶はどこにあるかといえば、(人間の欲望)
ということになる。
わかりやすく言えば、教育そのものが、学校、親、
子どもと、三位一体となって、欲望の追求の場になっている。

学歴ではない。
欲望である。
「学歴」といっても、今では、欲望追求のための一里塚
でしかない。

20~30年前までなら、学歴さえあれば、何とか
生きていくことができた。
が、学歴を支えていた権威主義そのものが、崩壊した。
では、親たちをして、何が、子どもの教育に駆り立てるのか?
それが「格差社会」ということになる。 

●格差社会

一生働いて、数百万円の財産も築けない人がいる。
その一方で、親から10数億円の小遣いをもらいながら、
みじんも恥じない総理大臣がいる。

こうしたケースは、例外であるとしても、
親たちは日常生活の、ごく身近なところで、こうした
「格差」を肌で感じ取っている。
すでに利権にありついた親は、それを手放さまいと、がんばる。
まだ利権にありつけない親は、何とかそれをつかみたいと、
これまたがんばる。
もちろんこうした熾烈な競争に背を向ける親もいる。
最初から、はじき飛ばされる親もいる。
あきらめて、近寄らない親もいる。

が、この私たちの世界では、強者はつねに発言者であり、
弱者はつねに沈黙者である。
その強者が、社会を作りあげていく。
もちろん教育とて例外ではない。

どうであれ、「格差」というのは、「不平等」を意味する。
「力のある人が、それなりにいい生活をするのは当然」
「力のない人が、そうでない生活をするのも、これまた当然」と。
ある程度の「差」については、だれもが納得している。
が、現実は、そうでない。
格差が格差の範囲を超えて、だれにでもわかる不平等に
なったとき、ここでいう「格差社会」が生まれる。

その不平等感が、社会を緊張させる。
いうなれば今の教育現場は、その緊張状態の中にある。
だれもがイライラしながら、それでいて身動きが取れない。

●社会の熟成度

忘れてはいけない。
受験競争は、子どもの心を破壊する。
それについては、何度も書いてきた。
が、最大の悲劇は、子どもの心を破壊しながら、
親にも、また教師にも、その意識がないこと。
さらに言えば、親自身も、また教師自身も、すでに破壊されている。
自分が破壊されているから、子どもの心が破壊されていることに
気がつかない。

わかりやすく言えば、日本というこの社会は、その結果。
「心の冷たい社会」になってしまった。
(上の人たち)だけではない。
(下の人たち)も、である。

言うまでもなく、社会の熟成度は、いかに弱者にやさしいかで
決まる。
弱者にやさしい社会を、熟成度の高い社会という。
そうでない社会を、そうでないという。
残念ながら、この日本は、経済力という金権と引き換えに、
人間性を見失ってしまった。

●人間性の回復

一度壊れた心は、もとには戻らない。
トラウマ(心の傷)を例にあげるまでもない。
戻すといっても、並大抵の努力ではできない。
その人自身が、それを知るというだけでも、たいへん。

そこで大切なことは、まず壊さないこと。
教育について言えば、子どもの心を壊さないこと。
これからの教育は、そうでなければならない。
また、そのためには、社会はどうあるべきかを、
考えなければならない。

このままでは、この日本は、ますます冷たい国に
なってしまう。
そうなったとき、結局は、さみしい思いをするのは、
あなた自身であるということ。
それを忘れてはいけない。


****************************************

【息子に対するいじめ】

【OMさんより、はやし浩司へ】

++++++++++++++++++++

小学6年生の男児に対する、いじめについて
相談が届いています。
もうすぐ卒業式。
何とか笑って卒業できれば・・・と、
母親のOMさんは悩んでいます。

++++++++++++++++++++

はやし浩司さまへ

内容が具体的なので、くれぐれも住所・年齢・家族構成がわからないようにお願いします。

以前、娘のことで何度か相談しお世話になりましたN県N市の、OMです。
今回は、もうすぐ中学生になる息子のことで相談したく、パソコンを開きました。

これまで娘のこと(学校でおとなしい。自分が出せない・・・)で悩むことが多く、息子に関しては、仲良しの友達もいて、先生からも誰とでも仲良くすると聞いていたので、全く心配していませんでした。

最近、娘のほうは落ち着いてきて、相変わらずおとなしいけれど、自分なりに楽しく家でも明るく学校の話をするようになり、ホッとしていました。
その矢先、今度は、息子が・・・

ある日、突然、
仲良しグループから仲間外れにあっていると、言い出したのです。

原因は何度考えてもわからない。
いつものように、休み時間に友達のところへ行くと、まるで息子が居ないかのように仲良く話しをしたり、昼休みも息子を無視して外へ遊びに行ったり・・・。

掃除の時間は仲良しグループの子と一緒なのですが、息子と二人のときは普通に話すけれど、終わると、また無視して、他ところへ行くそうです。

息子は初めのうちは何事もなかったように話しかけたりしていましたが、反応があまりにも嫌われていると、わかるので今では自分からは話しかけていません。
たまにそのグループの子から「バイバイ」程度のことは言ってくれるようですが・・・。

最近、息子は1人が少し慣れたのか、休み時間は、1人で本を読んだりして過ごしています。
登校を嫌がることは、今のところありません。

今のところ親友がいるので、心強いのですが、その親友の子にも共通の友達がいるので
いつか、親友にも無視されるのではないかと、息子は心配しています。

このまま、原因もわからず、仲間外れにされたままで、息子は大丈夫でしょうか?
グループの子になんで無視するの?、っと聞くと、余計にややこしくなったりするから聞きたくない。どうせ、嫌われているならもう関わりたくないと、言っています。

もうすぐ卒業式。
笑って卒業できないことがくやしいです。

なんとか仲良くもとに戻ってほしいのですが・・・

息子は、少し人の気持ちを考えずに思ったことを話すところがあり、友達には「もし、悪いところがあったら直したいから言ってよ」などと、仲良し子に対しては何でも話します。
でも、ちょっと苦手な子がくると、仲良しの子がいても、みんなで楽しく遊んだりできないタイプだと思います。

4月から中学になります。
違う地区からも、生徒がきます。
そこで新しく友達ができるといいのですが。

まとまりのない文章になってしまいましたが、今、息子に対して、家族としてあげることはあるでしょうか?

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。