●毎日数万個!(脳の謎)
++++++++++++++++++
毎日、数万個の神経細胞(ニューロン)が、
死滅しているという。
数万個だぞ!
……といっても、人間の脳の中には、1000億個もの
ニューロンがあるので、あわてて心配しなくてもよい。
仮に、100年生きたとしても、
数万x365x100=数万x約4万で……?
サッと暗算できなくなった。
私の神経細胞も、かなり減ってきたらしい。
で、指を折りながら計算してみると、約10億個という数字が出てきた。
1000億個もあるのだから、10億個くらい減っても、どうということはない。
少し安心したところで、つぎの話。
++++++++++++++++++
●再生しない神経細胞(ニューロン)
脳の神経細胞は死滅する一方で、再生しない。
もちろん、ふえることもない。
理由は簡単。
再生したり、ふえたりしたら、たいへんなことになる。
再生したり、ふえたりするたびに、その人の神経細胞は新しくなり、人格そのものまで変化してしまうかもしれない。
「10年前と今年では、まるで別人のよう」では、困る。
(実際、そうなる人もいるには、いるが……。)
つまり脳は、その人の同一性を保つために、神経細胞を再生したり、ふえたりしないようにしている。
●が、もしふえたら……
が、もしふえたら……。
ここからが私の得意分野。
もし神経細胞がふえたら、どうなるか?
そんな仮定を頭の中でしてみる。
が、脳は頭蓋骨によって取り囲まれているから、容量には限界がある。
約1000億個が限度ということになる。
そういう脳が、神経細胞をふやすとしたら、古い神経細胞から順に、除去していかなければならない。
しかしこのとき同時に、古い神経細胞がもっていた、もろもろの情報は、そのまま失われることになる。
再生するばあいも、同じ問題が起きる。
●電話回線
たとえば電話回線で考えてみよう。
現在、053-452-xxxxへ電話をかければ、私の事務所につながる。
日本中のどこからかけても、つながる。
電話回線網が、できあがっている。
が、もしそのときある地域の、ある一部の電話回線網を切り取ってしまったとしたら、どうだろうか。
その地域の電話が不通になることはもちろん、その地域を経由している電話回線も、すべて不通になってしまう。
そこで「再生」ということになるが、電話回線のばあいは、工事屋の人たちが配線図を見ながら、新しく電話回線網をつなぎ合わせてくれる。
しかし人間の脳の中には、そういう機能は、ない。
へたをすれば、そのまま混線してしまうかもしれない。
●神経細胞がふえたら……
新しい神経細胞がふえたばあいも、同じ問題が起きる。
先にも書いたが、脳の容量には限界がある。
古い神経細胞が除去されるたびに、電話回線のつなぎ合わせのようなことをしなければならない。
もしそれをしなかったら、新しい神経細胞は新しい情報を蓄え、独自の働きをするようになる。
つまり脳の中が、メチャメチャになってしまう。
新しくピアノを弾くことができるようになるかもしれないが、それまでに蓄えた、文を書く能力を失ってしまうかもしれない。
あるいは楽譜をアルファベットを使って書くようになってしまうかもしれない。
だから脳は、一方的に、神経細胞を死滅させるしかない。
となると、ここで重大な疑問が生ずる。
毎日数万個というが、脳はどういう基準に従って、その数万個を選んでいるのか?……という疑問である。
またどういう神経細胞が、死滅していくのか?
そのメカニズムがわかれば、逆に死滅するのを阻止することもできるはず。
もしそれができれば、人間は、生涯、1000億個の神経細胞を保持することができるはず。
またそれは可能なのか?
(疑問1)どういう神経細胞が死滅するのか。
(疑問2)死滅していく神経細胞を阻止する方法はないのか。
●死滅する神経細胞
常識的に考えれば、「使わない神経細胞は死滅する」ということになる。
しかし使わない神経細胞は、いくらでもある。
人によっては、脳の大部分を使っていない人もいる。
そういう人の神経細胞は、どうなるのか。
1日、数万個ではなく、数10万個の神経細胞が死滅していく人だっているかもしれない。
恐らく脳科学者たちは、そのあたりのことを知っているかもしれない。
たとえば「古い神経細胞から、死滅していく」とか、など。
(このばあいも、つぎの疑問が生まれる。
人間のばあい、乳幼児期にすでに1000億個の神経細胞をもつと言われている。
もしそうなら、「古い」とか「新しい」とかいう言葉すら、意味をもたなくなる。)
この世界は、おもしろい。
本当におもしろい。
今夜は高校生たちが私の教室に来るので、こんな話を余談の中でしてみたい。
そうそうついでに付記するなら、辺縁系の中にある海馬(かいば)の中の神経細胞だけは、生涯、ふえつづけるのだそうだ。
海馬といえば、短期記憶の中枢部。
それについては、また別の機会に調べてみたい。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 神経細胞 ニューロン 神経突起 シナプス)
Hiroshi Hayashi++++++++Oct. 09+++++++++はやし浩司
●巨大な台風
+++++++++++++++++
超巨大な台風が、現在、この日本に
向かって進行中!
昨日の報道によれば、中心部の気圧は
何と910ヘクトパスカル!
+++++++++++++++++
異常気象は、日本以外の国の話かと思っていた。
が、とうとうこの日本にもやってきた。
それが今度の台風18号。
昨夜ネットで調べてみたら、中心部の気圧は、何と910ヘクトパスカル!
「910」!
「910」という数字は、私の記憶の中にはない。
「950」とか「960」とかいう数字までなら、聞いたことがある。
が、「910」はない。
常識をはずれている!
その上、予想進路を見て、ドキッ!
昨夜の予想によれば、紀伊半島あたりから上陸し、東海地方を横断するコース。
もしそうなら、伊勢湾台風並みの、あるいはそれ以上の被害が心配される。
何とか東へそれてくれればよい。
今日は、10月6日。
10月8日、つまりあさっての午後9時ごろ、予想通りなら、東海地方を直撃。
今日と明日は、その対策で忙しくなりそう。
みなさんも、くれぐれも、ご注意ください。
Hiroshi Hayashi++++++++Oct. 09+++++++++はやし浩司
●「スティグマ」
++++++++++++++++++
今朝は、「スティグマ」という言葉について
学習した。
差別につながる、その人の客観的な属性を、
「スティグマ」という。
たとえば街の中を歩いてみる。
いつもと変わりない風景。
そこへ少し見慣れない一行が歩いてやってくる。
彼らの話す言葉を聞いて、彼らが、中国人で
あることを知る。
とたん、ちょっとした緊張感が走る。
彼らに対する緊張感もあるが、同時に、彼らも
また私を見て、同じような緊張感をもつに
ちがいない。
それが逆に、私の心に伝わる。
私も、若いころ、香港や台湾で、私はいろいろな経験を
した。
だまされたことも多い。
意地悪されたこともある。
「中国人」というだけで、いろいろなイメージが
心に浮かぶ。
ばあいによっては、それが差別意識となってはねかえってくる。
その「中国人」というのが、客観的属性ということになる。
「スティグマ」というのは、体につけられた「刻印」を
いう。
昔、ギリシアでは、その人を社会的に差別するために、
その刻印を体に焼いてつけた。
一度その刻印をつけられると、その人のあらゆる部分まで
合わせて、否定されてしまう。
それが「差別」ということになる。
たとえば以前、手鏡を使って女性のスカートの下をのぞいた大学の
教授がいた。
行為そのものは許されないものだが、しかしそのためその
教授は、「変質者」という刻印を焼きつけられてしまった。
ほかのすぐれた部分まで、否定されてしまった。
「スティグマ」というのは、それをいう。
+++++++++++++++++++++
●実験
2009年10月6日、私は「スティグマ」について学習した。
いくつかの文献を読み、自分なりに解釈し、理解した。
しかしこの知識は、いつまで記憶に残るだろうか?
それが今日の実験ということになる。
今までの経験では、1、2か月ぐらいなら、何とか記憶に残るだろう。
しかし半年は、もたない。
半年後に、「スティグマって、何?」と聞かれたら、たぶん、私はこう答えるだろう。
「何だったけなア? 聞いたことがある言葉だな」と。
自分で自分の脳みそが、信用できない。
考えてみれば、これは深刻な問題である。
●刻印
「スティグマ(刻印)」という言葉を学んで、私は別の心で、『ダラカ論』に似ていると感じた。
スティグマ、イコール、『ダカラ論』ではない。
しかし『ダカラ論』も、人にラベルを張ることによって、差別する道具として、よく使われる。
「お前は、男だから……」「お前は、本家の息子だから……」と。
「ダカラ論」は、そのあと、「~~スベキ」「~~のハズ」と、『ベキ論』『ハズ論』へとつながっていく。
ばあいによっては、それが「差別」となることもある。
実のところ、私も、長い間、この『ダカラ論』に苦しんだ。
(苦しんだというより、いじめられた?)
差別という差別ではないが、しかし私はそのつど、こう反発した。
「だからといって、それがどうしたの?」と。
●中身を見る
日本人は元来、地位や肩書によって、相手を判断する。
あるいは少し昔前までは、家柄によって判断した。
今でも、この日本は、その延長線上にある。
たとえば上下意識。
マスコミの世界では、知名度によって、上下関係が決まる。
そのまま「上」になって、国会議員や知事になっていく人さえいる。
つまり日本人に何が欠けているかといえば、(相手を中身を見て判断する)という能力ではないか。
「スティグマ」という言葉を使うなら、「スティグマ」だけで、相手を判断する。
そしてその人のもつ、よい面まで、否定してしまう。
●文化性の問題
要するに相手を、中身を見て判断できるかどうかは、その国民の文化性の問題ということになる。
文化性が高ければ高いほど、その国民は、相手の中身を見ることができる。
そうでなければそうでない。
表面的な部分だけを見て、判断する。
あるいは自分の経験だけをもとに、相手を判断する。
言い換えると、私やあなた自身が、いかに相手の中身まで見ることができるかという問題につながる。
それができる人のことを、文化性の高い人といい、そうでない人を、低い人という。
が、これは簡単なことではない。
どうしてもスティグマに左右されてしまう。
つまり、自分の文化性を高めようと考えるなら、スティグマと闘う。
そういう努力を怠ってはいけない。
……ということで、スティグマの話はここまで。
さて、この記憶はいつまでつづくか。
実験開始!
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 スティグマ 刻印 刻印論 人間の価値 中身)
Hiroshi Hayashi++++++++Oct. 09+++++++++はやし浩司
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毎日、数万個の神経細胞(ニューロン)が、
死滅しているという。
数万個だぞ!
……といっても、人間の脳の中には、1000億個もの
ニューロンがあるので、あわてて心配しなくてもよい。
仮に、100年生きたとしても、
数万x365x100=数万x約4万で……?
サッと暗算できなくなった。
私の神経細胞も、かなり減ってきたらしい。
で、指を折りながら計算してみると、約10億個という数字が出てきた。
1000億個もあるのだから、10億個くらい減っても、どうということはない。
少し安心したところで、つぎの話。
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●再生しない神経細胞(ニューロン)
脳の神経細胞は死滅する一方で、再生しない。
もちろん、ふえることもない。
理由は簡単。
再生したり、ふえたりしたら、たいへんなことになる。
再生したり、ふえたりするたびに、その人の神経細胞は新しくなり、人格そのものまで変化してしまうかもしれない。
「10年前と今年では、まるで別人のよう」では、困る。
(実際、そうなる人もいるには、いるが……。)
つまり脳は、その人の同一性を保つために、神経細胞を再生したり、ふえたりしないようにしている。
●が、もしふえたら……
が、もしふえたら……。
ここからが私の得意分野。
もし神経細胞がふえたら、どうなるか?
そんな仮定を頭の中でしてみる。
が、脳は頭蓋骨によって取り囲まれているから、容量には限界がある。
約1000億個が限度ということになる。
そういう脳が、神経細胞をふやすとしたら、古い神経細胞から順に、除去していかなければならない。
しかしこのとき同時に、古い神経細胞がもっていた、もろもろの情報は、そのまま失われることになる。
再生するばあいも、同じ問題が起きる。
●電話回線
たとえば電話回線で考えてみよう。
現在、053-452-xxxxへ電話をかければ、私の事務所につながる。
日本中のどこからかけても、つながる。
電話回線網が、できあがっている。
が、もしそのときある地域の、ある一部の電話回線網を切り取ってしまったとしたら、どうだろうか。
その地域の電話が不通になることはもちろん、その地域を経由している電話回線も、すべて不通になってしまう。
そこで「再生」ということになるが、電話回線のばあいは、工事屋の人たちが配線図を見ながら、新しく電話回線網をつなぎ合わせてくれる。
しかし人間の脳の中には、そういう機能は、ない。
へたをすれば、そのまま混線してしまうかもしれない。
●神経細胞がふえたら……
新しい神経細胞がふえたばあいも、同じ問題が起きる。
先にも書いたが、脳の容量には限界がある。
古い神経細胞が除去されるたびに、電話回線のつなぎ合わせのようなことをしなければならない。
もしそれをしなかったら、新しい神経細胞は新しい情報を蓄え、独自の働きをするようになる。
つまり脳の中が、メチャメチャになってしまう。
新しくピアノを弾くことができるようになるかもしれないが、それまでに蓄えた、文を書く能力を失ってしまうかもしれない。
あるいは楽譜をアルファベットを使って書くようになってしまうかもしれない。
だから脳は、一方的に、神経細胞を死滅させるしかない。
となると、ここで重大な疑問が生ずる。
毎日数万個というが、脳はどういう基準に従って、その数万個を選んでいるのか?……という疑問である。
またどういう神経細胞が、死滅していくのか?
そのメカニズムがわかれば、逆に死滅するのを阻止することもできるはず。
もしそれができれば、人間は、生涯、1000億個の神経細胞を保持することができるはず。
またそれは可能なのか?
(疑問1)どういう神経細胞が死滅するのか。
(疑問2)死滅していく神経細胞を阻止する方法はないのか。
●死滅する神経細胞
常識的に考えれば、「使わない神経細胞は死滅する」ということになる。
しかし使わない神経細胞は、いくらでもある。
人によっては、脳の大部分を使っていない人もいる。
そういう人の神経細胞は、どうなるのか。
1日、数万個ではなく、数10万個の神経細胞が死滅していく人だっているかもしれない。
恐らく脳科学者たちは、そのあたりのことを知っているかもしれない。
たとえば「古い神経細胞から、死滅していく」とか、など。
(このばあいも、つぎの疑問が生まれる。
人間のばあい、乳幼児期にすでに1000億個の神経細胞をもつと言われている。
もしそうなら、「古い」とか「新しい」とかいう言葉すら、意味をもたなくなる。)
この世界は、おもしろい。
本当におもしろい。
今夜は高校生たちが私の教室に来るので、こんな話を余談の中でしてみたい。
そうそうついでに付記するなら、辺縁系の中にある海馬(かいば)の中の神経細胞だけは、生涯、ふえつづけるのだそうだ。
海馬といえば、短期記憶の中枢部。
それについては、また別の機会に調べてみたい。
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 神経細胞 ニューロン 神経突起 シナプス)
Hiroshi Hayashi++++++++Oct. 09+++++++++はやし浩司
●巨大な台風
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超巨大な台風が、現在、この日本に
向かって進行中!
昨日の報道によれば、中心部の気圧は
何と910ヘクトパスカル!
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異常気象は、日本以外の国の話かと思っていた。
が、とうとうこの日本にもやってきた。
それが今度の台風18号。
昨夜ネットで調べてみたら、中心部の気圧は、何と910ヘクトパスカル!
「910」!
「910」という数字は、私の記憶の中にはない。
「950」とか「960」とかいう数字までなら、聞いたことがある。
が、「910」はない。
常識をはずれている!
その上、予想進路を見て、ドキッ!
昨夜の予想によれば、紀伊半島あたりから上陸し、東海地方を横断するコース。
もしそうなら、伊勢湾台風並みの、あるいはそれ以上の被害が心配される。
何とか東へそれてくれればよい。
今日は、10月6日。
10月8日、つまりあさっての午後9時ごろ、予想通りなら、東海地方を直撃。
今日と明日は、その対策で忙しくなりそう。
みなさんも、くれぐれも、ご注意ください。
Hiroshi Hayashi++++++++Oct. 09+++++++++はやし浩司
●「スティグマ」
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今朝は、「スティグマ」という言葉について
学習した。
差別につながる、その人の客観的な属性を、
「スティグマ」という。
たとえば街の中を歩いてみる。
いつもと変わりない風景。
そこへ少し見慣れない一行が歩いてやってくる。
彼らの話す言葉を聞いて、彼らが、中国人で
あることを知る。
とたん、ちょっとした緊張感が走る。
彼らに対する緊張感もあるが、同時に、彼らも
また私を見て、同じような緊張感をもつに
ちがいない。
それが逆に、私の心に伝わる。
私も、若いころ、香港や台湾で、私はいろいろな経験を
した。
だまされたことも多い。
意地悪されたこともある。
「中国人」というだけで、いろいろなイメージが
心に浮かぶ。
ばあいによっては、それが差別意識となってはねかえってくる。
その「中国人」というのが、客観的属性ということになる。
「スティグマ」というのは、体につけられた「刻印」を
いう。
昔、ギリシアでは、その人を社会的に差別するために、
その刻印を体に焼いてつけた。
一度その刻印をつけられると、その人のあらゆる部分まで
合わせて、否定されてしまう。
それが「差別」ということになる。
たとえば以前、手鏡を使って女性のスカートの下をのぞいた大学の
教授がいた。
行為そのものは許されないものだが、しかしそのためその
教授は、「変質者」という刻印を焼きつけられてしまった。
ほかのすぐれた部分まで、否定されてしまった。
「スティグマ」というのは、それをいう。
+++++++++++++++++++++
●実験
2009年10月6日、私は「スティグマ」について学習した。
いくつかの文献を読み、自分なりに解釈し、理解した。
しかしこの知識は、いつまで記憶に残るだろうか?
それが今日の実験ということになる。
今までの経験では、1、2か月ぐらいなら、何とか記憶に残るだろう。
しかし半年は、もたない。
半年後に、「スティグマって、何?」と聞かれたら、たぶん、私はこう答えるだろう。
「何だったけなア? 聞いたことがある言葉だな」と。
自分で自分の脳みそが、信用できない。
考えてみれば、これは深刻な問題である。
●刻印
「スティグマ(刻印)」という言葉を学んで、私は別の心で、『ダラカ論』に似ていると感じた。
スティグマ、イコール、『ダカラ論』ではない。
しかし『ダカラ論』も、人にラベルを張ることによって、差別する道具として、よく使われる。
「お前は、男だから……」「お前は、本家の息子だから……」と。
「ダカラ論」は、そのあと、「~~スベキ」「~~のハズ」と、『ベキ論』『ハズ論』へとつながっていく。
ばあいによっては、それが「差別」となることもある。
実のところ、私も、長い間、この『ダカラ論』に苦しんだ。
(苦しんだというより、いじめられた?)
差別という差別ではないが、しかし私はそのつど、こう反発した。
「だからといって、それがどうしたの?」と。
●中身を見る
日本人は元来、地位や肩書によって、相手を判断する。
あるいは少し昔前までは、家柄によって判断した。
今でも、この日本は、その延長線上にある。
たとえば上下意識。
マスコミの世界では、知名度によって、上下関係が決まる。
そのまま「上」になって、国会議員や知事になっていく人さえいる。
つまり日本人に何が欠けているかといえば、(相手を中身を見て判断する)という能力ではないか。
「スティグマ」という言葉を使うなら、「スティグマ」だけで、相手を判断する。
そしてその人のもつ、よい面まで、否定してしまう。
●文化性の問題
要するに相手を、中身を見て判断できるかどうかは、その国民の文化性の問題ということになる。
文化性が高ければ高いほど、その国民は、相手の中身を見ることができる。
そうでなければそうでない。
表面的な部分だけを見て、判断する。
あるいは自分の経験だけをもとに、相手を判断する。
言い換えると、私やあなた自身が、いかに相手の中身まで見ることができるかという問題につながる。
それができる人のことを、文化性の高い人といい、そうでない人を、低い人という。
が、これは簡単なことではない。
どうしてもスティグマに左右されてしまう。
つまり、自分の文化性を高めようと考えるなら、スティグマと闘う。
そういう努力を怠ってはいけない。
……ということで、スティグマの話はここまで。
さて、この記憶はいつまでつづくか。
実験開始!
(はやし浩司 家庭教育 育児 教育評論 幼児教育 子育て Hiroshi Hayashi 林浩司 BW はやし浩司 スティグマ 刻印 刻印論 人間の価値 中身)
Hiroshi Hayashi++++++++Oct. 09+++++++++はやし浩司