ミラノはミラノ

ミラノ在住のおねえさん(うそ)おっさんの気まぐれ場当たり日記

政府の見解は、卑怯だと思う 誰のための政府?

2011-04-25 05:10:27 | 日記

「ミラノはミラノ」というブログで、福島原発事故をしつこく取り上げるのは、どうも気が引けてしょうがないのですが、みんなが知っておいた方がいいなと思うことは、書くことにしようと思いました。

政府民主党の記者会見で枝野官房長官が「直ちに健康への影響はない」とかなりの回数発言をしています。
これは、掘り下げてよく検討してみる必要があると考えました。

画像は、ガイガーカウンターで放射線量を測定していますが、これで分かるのは、服に付着した放射線量で、この人がいくら被曝してるなんて分かりません。
汚染された服は、ブラシをかけるか洗濯すれば、カウンターの目盛りは下がります。

こういう絵が、全国ニュースで報道されたり、避難所の入所に際してチェックするなんてのは、政府が機能していない証拠のようなもの。

放射線の影響を考える場合2つのことを念頭に置かなければなりません。

1 確定的影響

2 確率的影響

1の確定的影響というのは、大量の放射線を一度に受けたときの影響
例えば、全身に500ミリシーベルトの放射線を一度に浴びれば、末梢血管のリンパ球の減少が出現し、4,000ミリシーベルトなら50%の人が死亡します。
これらは、確立論ではなく、これだけ浴びたら放射線の影響で確実にこうなるという影響のことです。
ただし、福島の原発事故で一般の人がこんなに高い放射線を浴びることは、ありませんから、この確定的影響というものは、今は、考えなくともいいと思います。

問題は、2の確率的影響

分かりやすい例えは、チェルノブイリ事故の影響
事故後は、子供の多くがガンになりましたが、「事故前では10万人あたり2人の甲状腺ガンが見られましたが、事故後は5000人になったので、チェルノブイリの影響と見られる」という表現をしています。
実は、この影響と見られるという所見が、事態を分かりにくくしています
確率的影響というのは、10万人の人が100ミリ被ばくすると50人がガンになりますという確立論なのです。
しかし、そのガンが「放射線を浴びたからなった」のか、「普通の病気としてガンになった」のか、個人個人では判らないということなのです。
つまりウリちゃんが原発の傍に住んでいて、事故後に年間200ミリシーベルトの被ばくをして数年後に甲状腺ガンを発症しても「ウリちゃんのガンは福島原発が原因だ」と科学的に証明できる手段が無いのです。
おそらく、国も自治体もそれを良く判っていて「対策を取らなくても、訴訟を起こされることはないし、起こされても証明できないから大丈夫」と考えていると推測します。
これが「直ちに健康への影響はない」という表現になっているのでしょう。

先ずは、ここのところが分かっていないと、政府民主党の言っていることは嘘ではないけど、かなりの詭弁だと判断することが難しくなります。

そして、SPEEDI のデータを公表していないこと
税金を約200億円使い、原発に事故があった時に放射性物質の流れを計算するSPEEDIが事故当時から計算していて、1ヶ月で2000枚の計算結果があったのに、2枚しかデータを公表していないこと。
さらに、原発の30km圏外に位置する福島県の飯舘村や葛尾村、浪江町の全域と川俣町と南相馬市の一部を4月11日になってから、政府が新たに「計画的避難区域」の対象にすると発表したこと。
放射線被曝量は、原発の事故直後に最大となり、半減期を経て縮小して行きますので、お住まいの方々は憤懣やるかたない思いでおられることでしょう。

誰のための政府なんだろう

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