イタリアでは、ここ数日かなりの大きさの地震が立て続けに勃発し、死者や行方不明者の数が今日現在30名を超えようとしています。
歴史的建造物の被害も数多く報告され、イタリア伝統の産業であるパルミジャーノ(パルメザンチーズ)にも少なからず影響を受けました。
日本とは違って、耐震というキーワードが欠落していますので、工場のような安普請の建物は、設計が新しいにも関わらず、屋根や壁が落ちて就業中の工場労働者が多く被害に遭いました。
(上の画像は、いつものミラノ中央駅 本文とはあまり関係ないのですが、ここに来ると何故か、あ!今ミラノにいるんだと実感する場所の1つです)
我が家も鉄筋コンクリートとはいえ、やはり耐震構造ではありませんから、震度3程度の地震でもかなり怖い思いをすることになります。
ミラノで長年生活をしていても、やはり日本人ですから、季節が変わった、雨が降った等の些細なことでもふと祖国を思うことがあります。
もちろん地震に遭遇すれば、その思いは強くなるばかりで、福島は、福島(それ以外の地域でも影響のあるところ)の子供達は、原発事故による放射能汚染から守られているのだろうか、仮設住宅でお年寄りが孤独死なんてしていないだろうかと心配の種は尽きないのです。
ほとんど地震とは無縁のミラノで暮らしていて、地震が多発し、時として大きな被害が出てしまう日本を振り返るきっかけが地震というのも何かせつないものがあります。
駿河湾や若狭湾に連立する原発は、地震に耐えられるのだろうか?
直下型地震であれば、津波の心配は少ないものの、地盤が大きく隆起したり陥没したいすることが多いので、そのような事象が起き、再び原発の事故が発生してしまった場合、福島を経験しているが故に、多くの日本人は、冷静ではいられなくなるかも知れないという憂いがあります。
プレートの歪みによって発生する地震は、必ずやってきます。
地震周期説という言葉をご存じでしょうか?
これまで記録に残る地震を時系列に並べてみると、そこには規則性が見いだされ、例えば70年周期とか150年周期ということが定説になっています。
つまりy=ax というグラフの一直線上に綺麗に地震の周期が並ぶということです。
プレートが歪みを解消するための挙動で地震が起きることが分かっています。
このプレートが大きく動く前には、ほとんどの場合群発性地震を観測したり、陸地部において、ある位置が絶対的にずれる(例えば、北東方向に1cmずれる)現象が見られます。
これは、国土地理院が日々観測をしていますし、GPSが使えますので、仮に日本経緯度原点ごとずれても分かってしまいます。
こういうことから地震予知をするらしいのですが、大自然を相手にする予測ですから、なかなか思いどおりには行かないのが実情のようです。
雨や雪が降らないようにする訳にはいきませんから、自然現象である地震ともわたくし達日本人は、上手に付き合って行かなければならないのだと思います。
こんな地震大国である日本には、たくさんの原発が設置されていて、つい先日までは、定期点検中のものを除いて、フル稼働していました。
地震や津波は天災ですが、原発が事故を起こしてしまえば、天災とか想定外という言い訳はできないのだと思います。
脱原発に向けた動きを考えてみると、福島以前は細波(さざまみ)であったものが、事故によって明らかにされた政府の国民を欺く姿勢と電力業界の傲慢さが波を「うねり」に変えて、今や一般の方々が日本の原子力政策に大きな疑問を持つようになりました。
やはりここでも外国からの視点なのですが、その「うねり」を1つの方向に結集する組織というのか、リーダーがいないために原発推進派である政府民主党や経団連及び電力業界に土俵際うっちゃりを食らわせられるように感じています。
原子力を推進する力は、いつの間にかとてつもなく大きくなってしまいました。
現在では、シンジケートや黒幕は存在しないのでしょうが、見えない、つかみどころがない力によって、間違った方向に引っ張られているようです。
見えないもの、つかみどころがないものと漠然とした表現をしましたが、実は、個々具体的に羅列することは可能なのです。
政府民主党(自民党時代も同様)原子力の平和利用と言いつつ、核兵器開発の火だねとして原子力開発を存続してきたこと。
原子力産業の市場の大きさと国家予算の配分(大学への研究費も含めて)
誘致によりもたらされる交付金と雇用機会の拡大
政府や電事連のスポークスマンに成り下がったマスコミ(政策情報源喪失の恐れとスポンサー収入)
そこに共通するのは「金」であると言えましょう。
そしてこのことを日本では、いつの日からか「原子力村」と呼ぶようになりました。
「お金」という鎧を纏ったこの見えざる力に立ち向かっている脱原発の「うねり」は、やはりそれをしっかり受け止める組織や力がなければ、原発推進を打ち負かすことができないのかも知れません。
震度3弱のわずかな揺れからそんなことを考えさせられた1日でした。
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