カップヌードル・オリジナル

　今や日本人の食生活に欠かせないカップ麺。
　その種類は無限といっても過言ではないほどで、スーパーやコンビニには、毎月のように新製品が登場している。

　カップ麺の元祖は言わずと知れた日清のカップヌードルだ。
　発売当初、ここまでの隆盛をあの百福さんでさえ、想像だにしなかったに違いない。

　そのカップヌードルもご多分に漏れず、いろんな味のバリエーションが存在する。
　何かの商品がヒットしたら、柳の下のドジョウ狙いの、その亜流や派生商品が登場する。
　中には悪ノリやキワモノ、ニッチなものまで出てくる。業界は異なるが、ガリガリ君などその典型だ。

　カップヌードルにも多くのバリエーションがあり、それぞれのファンがいるはずだ。
　しかし、文学作品の処女作同様、未だオリジナルを超えるものはない。
　人気ランキングのトップはいつもプレーンなやつだ。

　やはりそれが世に出るまでの試行錯誤や研究開発にかかった費用や時間が、それ以降の商品とは段違いで、それが味に活きているのだろう。
　オリジナルが完成品とするならば、その派生品は変化のために何かを加えることになる。
　何かを加えるためには何かを引かねばならない。
　ということはその引いた時点で完成品ではなくなるのだ。

　たとえば塩味や味噌味、カレー味やトマト味にするためには、醤油味をなくすことになる。
　その足し算と引き算とでは常に引き算が勝っているのだ。
　オリジナルと派生品の違いはまさにそこだ。

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