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「らぶ・とりーとめんと」のギターは矢島賢さんでした

2020年06月21日 | 石川ひとみ
 

 石川ひとみさんの「らぶ・とりーとめんと」という曲は、シングルB面曲ながらエンディングのギターソロがやたらとかっこよくてファンの間では人気の高い曲です。しかし、なにしろミュージシャンのクレジットがないので、誰が弾いてるかは謎でした。

 そして、この曲の作編曲は大村雅朗さんで、大村さんの他の歌手のアレンジ曲では松原正樹さんがギターを弾いてることが多いので、てっきりこれもそうだと思ってました。が、先日購入した大村さんのCD-BOXに解説があり、それによるとギターは矢島賢さんだとか。

 音の感じとしてはあまり歪んでなくて、甘いトーンで軽やかなフレーズだけど相当な速弾きということでほれぼれしてたのですが、さすが矢島さんは芸の幅が広いと感心した次第です。(芸と言うのはなんですが…)

 矢島賢さんは、70年代前半から大活躍したスタジオミュージシャンですが、本当にいろんな曲を弾いてます。有名なところでは南沙織さんの「傷つく世代」、山口百恵さんの「プレイバックPart2」「ロックンロール・ウイドウ」、中森明菜さんの「少女A」がよく出てきますが、ああいったギラギラしたロックギターだけじゃなくて、アリスの「遠くで汽笛を聞きながら」のように歌心満載のソロもあります。

 矢島賢さんの事を書き始めると多岐にわたってきりがないのですが、ギターマガジン2013年11月号にはスタジオミュージシャン列伝として特集が組まれてました。そこでのインタビューによると、郷ひろみさんの「男の子女の子」が仕事で弾いて初めてヒットした曲という記憶だそうです。これが1972年のこと。特に筒美京平さんの曲ではよく呼ばれていたそうで、私が小学生の頃に聞いていた南沙織さんのアルバムのやたらとかっこいいギターも矢島さんのが多かったのでしょうね。

 その当時の話を聞くと、朝10時が一番早い時間で、そのまま空きが無くて夜中の3時まであちこちのスタジオに入りっぱなし、それがたまにじゃなくてほぼ毎日、22歳から30歳くらいまでずっとそういう生活で、オフはレコードメーカーが休みの盆と暮れくらいだったとか。で、大体1曲1時間以内で録り終わってたということですから、本当に数え切れないほど演奏してたわけですね。

 ただ、そういう生活なのでテレビも見ない、ラジオも聞かない、音楽は輸入盤屋で聞くくらいだったので、「おかげさまでヒットしました」と言われても、「ああ、良かったですね。ところで、なんでしたっけ? みたいな(笑)」ですと。

 そういうことですので、もし矢島さんが存命だったとしてもこの「らぶ・とりーとめんと」は覚えておられなかったでしょう。この曲は、石川ひとみさんのバンドのメンバーも矢島さんのソロにインスパイアされたと思われ、その後ライブの定番になった際にはリードギタリストによる派手なソロが大フィーチャーされるようになりました。

 発売されている音源として聞けるのは、1982年に録音された「キャンパスライブ」なのですが、この時のギターは、クレジットによると山田直毅さんと日名子昭夫さん。エンディングだけじゃなくて間奏にも凄い速弾きのソロが追加されてますが、音色からするとどちらも日名子さんが弾いてるような気はします。何しろ「そこまでやるか?」という物凄いソロです。

 この日名子さんは、その後TOM★CATのメンバーとなったので、テレビで「ふられ気分でRock'n' Roll」を演奏してたのは多分この人ではないかと。あの間奏でも凄いソロを披露してましたが、前述のギターマガジンのインタビューによるとレコーディングでの「ふられ気分でRock'n' Roll」をギターを弾いてるのは矢島賢さんだそうです。なかなかの因縁ですね。

 ちなみに、石川ひとみさんの話ですが大村雅朗さんのCD-BOXの資料によると、「くるみ割り人形」もギターは矢島賢さんだそうです。私はてっきり松原正樹さんだと思ってたのですが。ということは、1stアルバムの「フェミニン」「ショッキングブルー」のトリッキーなギターも矢島賢さんの可能性が大ですね。まぁ確かにそう思って聞くとそのような…。

 ということで、あくまでもCDの解説を信用しての事ですが、長年の疑問が一つ解決したのでした。ちなみに、あらゆる日本のポップスのギターソロの中で「遠くで汽笛を聞きながら」はフレーズといい、音色といい、私は最も好きなものかもしれません。矢島賢さんは、とにかく大好きというか、憧れの頂点でした。

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