智徳の轍 wisdom and mercy

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◎身体のとらわれの捨断

2006-01-30 | ☆【経典や聖者の言葉】

【質問】
 わたしは老いて、力がなく、賛美から離れ、目は清潔ではなく、聞くことは快適ではありません。わたしが気絶して、中途で滅びないように願います。わたしが識別すべき、ここに出生と老いの中断となる法則を明かしてください。

【回答】
 種々の形状-容姿において悩まされているのを見ても、種々の形状-容姿において、怠惰な人々は苦しめられる。この理由ゆえに、あなたは怠惰でなく、再び生存することがないように、形状-容姿を捨てなさい。

【解説】
 ここでは、肉体についての検討はなされていない。なぜならば、彼のステージはすでに形状界へ突っ込んでいたとサキャ神賢は考えていたからである。
 よって次に、その形状界における身体に対するとらわれを捨断しなさいとサキャ神賢は説いていらっしゃる。これによって彼は、法身(ダルマカーヤ)、つまり形のない世界、非形状界へと没入し、より長い生命原理によって生きることができるというのである。
 ここで少し解説を加えておこう。
 ピンギヤの質問の中に、「老いて、力がなく、賛美から離れ、目は清潔ではなく、聞くことは快適ではありません」とあるが、それは今の肉体の状態を言っているのである。また、「気絶して、中途で滅びないように願います」という言葉は、サキャ神賢の教えの最中に死んでしまうかもしれないから、それを守ってくださいと言っているのである。
 また、サキャ神賢の言葉、「種々の形状-容姿において、怠惰な人々」とは、形状-容姿に対して熟考しない、検討しない、イコール怠惰ということを表わしているのである。

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