智徳の轍 wisdom and mercy

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教えの甘露

2009-07-15 | ☆【経典や聖者の言葉】

 グルよ
 解放への誤りない道を示して下さる、完全なる救済者、
 偉大なる慈悲に満ちたお方。
 どうか決してわたしをお見捨てにならず
 永久に、わたしの頭上に
 宝石飾りのようにおとどまりください。
 
 法則の実践者よ、よくお聞きなさい。
 ここにお座りの瞑想者たちよ。
 覚者の教えは数限りないが
 この深遠な道を実践できる者は
 真に才能に恵まれている。
 
 一生で覚者になりたいなら
 現世のものを追い求めてはならない。
 自己の欲求を強めてはならない。
 さもなくば善悪の間で混乱し
 不幸な領域に落ちることになるだろう。
  
 グルに仕えるときは
 「働くのはわたし、楽しむのは彼」
 というような考えを持ってはならない。
 このような気持ちを持てば
 間違いなく争いと不和が生じる。
 そして望みが満たされることは決してない。
 
 タントラの戒を守ろうとするなら
 堕落した者とつきあうのをやめることだ。
 さもなくば悪い影響でけがされてしまい
 戒を破る危険を犯すことになるだろう。
 
 学んだり教わったりするときは
 プライドを持った言葉使いをしてはならない。
 さもなくば眠っている五つの
 毒を持った煩悩の炎が燃え上がり
 善の思考や行為が焼き尽くされてしまうだろう。
 
 仲間と一緒にリトリートで瞑想するときは
 多くのことをやろうとしてはいけない
 さもなくば善行は止み
 集中が散漫になってしまうだろう。
 
 囁きの伝授を受けて、形を持った道を実践するときは
 他のために悪魔を払ったり、幽霊を呪ったりしてはならない。
 さもなくば、悪魔が自分の心の中に生じ、
 現世的な目的を求める気持ちが燃え上がるであろう。
 
 経験と悟りを得ても奇跡の力を誇示したり
 予言を行ったりしてはならない。
 さもなくば、秘密の言葉や象徴が洩れ出て
 徳や、霊的な洞察力が減少してしまうであろう。
 
 これらの落とし穴を用心して避けるようにしなさい。
 悪業を犯してはならない。
 楽しみのために食物を食べてはならない。
 死体の荷物を取ってはならない。
 他人を喜ばせるために、甘いことばを語ってはならない。
 謙虚で慎ましくありなさい。
 そうすれば自分の道が見つかる。
 

(ジェツン・ミラレーパ)

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