サットヴァ・ラジャス・タマスの三つのグナは、すべて自性から生じ
不滅の魂をしっかりと体に縛り付けている
サットヴァは、清らかで光り輝く無垢の性質ではあるが
幸福を求め、智を求めるという点で、魂を束縛する
ラジャスは熱情の性質であるが、渇愛ととらわれの心を生じさせ
人を現世的な利益を求める行為に縛り付ける
タマスは迷妄から生じ、肉体を持つあらゆる者を惑わし
誤解、怠惰、多眠という性質によって、魂を縛り付ける
サットヴァは人を幸福に結びつけ
ラジャスは人を行為に結びつけ
タマスは人の識別智を曇らせ、誤りに結びつける
あらゆる感覚器官を通して智慧が輝き出るのは、サットヴァが優勢なときである
物事に対する強烈なとらわれ、活動の意欲、仕事への野心、焦燥感、野望などが心に生ずるのは、ラジャスが優勢なときである
陰気さ、無気力、誤解、迷妄などが現われるのは、タマスが優勢なときである
サットヴァが優勢のときに肉体が死を迎えたならば、その魂は、バガヴァーンを知る人々の住む清らかな世界へと上がっていく
ラジャスが優勢のときに肉体が死を迎えたならば、その魂は仕事に追われる世界に生まれる
タマスが優勢のときに肉体が死を迎えたならば、その魂は、無智な女の胎に宿る
サットヴァによる行動の結果は、善美で清らかであるが
ラジャスによる行動の結果は苦しく
タマスによる行動の結果は無知蒙昧である
サットヴァからは真智が生じ
ラジャスからは食欲が生じ
タマスからは誤りと愚鈍と迷妄が生じる
サットヴァに生きる人々は次第に高い世界に上がり
ラジャスに生きる人々はこの世界にとどまり
忌まわしいタマスに生きる人々は、地獄のような世界へと落ちていく
すべての行為は自分がするのではなく
これら三つのグナの作用にほかならぬことを知り
しかもバガヴァーンはこれら三つのグナを超越した存在であることを知る人は
わたしのもとへと到達する
肉体をまとった魂が
その肉体を発生させる三つのグナを超越したとき
生老死の苦しみより解脱し
この世にいるうちから不死の状態を獲得するのだ
(バガヴァッド・ギーター)