暫くの間、音楽も聞かないしサッカーを見るのを止めた
妹の喪に服するつもりで
こうした非日常を妹が望んだかどうかは分からないが
こうするほうが良いと自分は思い込んだ
音楽は心を癒やしてくれると思っていたが
ずっと昔、祖母の死の後、フォーレのレクイエムのレコードをかけた時
あの美しい音楽ですら感情は受け付けなかった
こうじゃない、、と
それよりは、音のない時間のほうがふさわしいと思えてしまった
約10年ほど前、義理の兄が亡くなり無宗教の家族葬が行われた時
使われる音楽を選ぶ役目を依頼された
その時はモーツァルトのクラリネット五重奏曲を選んだが
この澄み切った音楽が始まるやいなや、甥は「あっ」と声を挙げた
それはとてもふさわしい音楽と感じたようだった
今はあと少し妹のことを思い出そう
無理矢理考えない様にするのも、実は考えていることの現れ
妹はそれを許してくれると思う
今日、水曜日休みの甥は、きっと母(祖母)に会いに来るだろう