DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

どうする(20)

2014-08-05 12:44:24 | ButsuButsu


私が、もっとも恐れていたことが起こった。

理研の笹井さんが自殺をしたそうだ。

マスコミ、社会および学会の犠牲者なのだろう。

過ちは誰にもあることだ。

もちろんそれなりに責任の取り方があるのだろう。

しかし、命まで引き換えにするような話なのだろうか。

少なくとも学術の分野では、間違いを認める社会であってほしいと思う。

そうでなければ、熾烈を極める先端分野での研究など誰もできなくなってしまう。

笹井さんの無念を思う時、強い悲しみを覚える。

今回の事件が示した我が国の異常さに重い不快感を感じる。

拙速な感があったNHKスペシャルによる報道も、笹井さんを追い詰めた要因なのかもしれない。

翻って、身の回りを見た時に、同じような状況がいくつか見受けられる。

福島第一原発で行っている凍土遮水壁もそうだ。

止めた方がよいと言っているのに、強行して、まだ凍結していない。

今、もっとも辛い針のむしろに座っているのが、強硬に進めた人々だろう。

世界は温暖化に向かっているのに、地面を凍らせるなどどいう、摂理に反した手段は陳腐でしかない。

被害が拡大する前にやめたほうがよい。

巨額の国家予算を獲得するために、チャンピオンデータを振りかざしてプロジェクトを進めるケースが多く見受けられる。

失敗することもあるという前提で話を進めるべきなのだろう。

科学などというものは、数%くらいの確率でしか本当の成果は出ないのだから。

大規模な気候変動や地殻変動が現実化している今、「うまくいかない」ことを前提としたサバイバル科学が必要だ。

STAP細胞に関わる一連の騒動で、これ以上の犠牲者が出ないことを心から希望する。

特に事実の報道は大切かもしれないが、それには時宜がある気がする。

笹井さんのご冥福を心より祈りたい。

合掌