昨年、「専門社会調査士」という資格を取った。最近調査なんてやっていないのだが、わが専攻も「社会調査士」の資格を出すというのでとらざるを得なくなった。資格が新しく誕生した時の特例として、現職の教員が申請すれば、ほぼ自動的にとれる仕組みになっている。「ポツダム○○」みたいなもの。本当の社会調査の専門家に顔向けできない心境だ。
ぼくは資格や免許と無縁に生きてきた。資格と名のつくものを取ったのは、ほとんど30年ぶりだ。大学2年の時に、「軟式庭球技術検定2級」という資格をとった。特級、1級がさらに上にあったと思う。高校時代の経験者で大学の軟庭サークルに席を置いていれば、自動的にとれる資格だったと思う。それ以外には、中学の時とった英検3級があるのみだ。
軟式庭球は、いまではソフトテニスという名称に変わっている。本物のテニスの道具が手に入らなかった時代に、ゴムマリを使った代用スポーツだ。外国では、韓国や台湾でしかやっていないので国際性もない。現在では本物のテニスに競技人口を奪われているが、それでも中高の部活ではまだまだ盛んだ。ゼミの学生のなかにもこの競技の経験者は多い。
ぼくも学生時代はずっとソフトテニスをやっていた。この競技をやる人間にとって、梅雨の時期は非常に憂鬱だった。空気が湿っている。コートも雨でぬかるんでいる。するとラケットのガットが、簡単に切れるのだ。鯨のヒゲでできているガットは、湿気にとても弱い。鯨は海の生き物のはずなのに、どうして湿気に弱いのか。いまでもよく分からない。
高校時代ソフトテニス部だったゼミ生に、この時期よくガットが切れなかったかと聞くと、彼女は怪訝な顔をしている。そうか。いまは鯨のヒゲのガットなどあるはずがない。「ワイヤーのガットか。あれはなかなかきれないよね」と聞くと彼女は「ええ」と答える。「でもあんまり好きじゃなかった。打った時の感覚がどうもね。『わーいやー』っていう感じ…」。
ぼくは資格や免許と無縁に生きてきた。資格と名のつくものを取ったのは、ほとんど30年ぶりだ。大学2年の時に、「軟式庭球技術検定2級」という資格をとった。特級、1級がさらに上にあったと思う。高校時代の経験者で大学の軟庭サークルに席を置いていれば、自動的にとれる資格だったと思う。それ以外には、中学の時とった英検3級があるのみだ。
軟式庭球は、いまではソフトテニスという名称に変わっている。本物のテニスの道具が手に入らなかった時代に、ゴムマリを使った代用スポーツだ。外国では、韓国や台湾でしかやっていないので国際性もない。現在では本物のテニスに競技人口を奪われているが、それでも中高の部活ではまだまだ盛んだ。ゼミの学生のなかにもこの競技の経験者は多い。
ぼくも学生時代はずっとソフトテニスをやっていた。この競技をやる人間にとって、梅雨の時期は非常に憂鬱だった。空気が湿っている。コートも雨でぬかるんでいる。するとラケットのガットが、簡単に切れるのだ。鯨のヒゲでできているガットは、湿気にとても弱い。鯨は海の生き物のはずなのに、どうして湿気に弱いのか。いまでもよく分からない。
高校時代ソフトテニス部だったゼミ生に、この時期よくガットが切れなかったかと聞くと、彼女は怪訝な顔をしている。そうか。いまは鯨のヒゲのガットなどあるはずがない。「ワイヤーのガットか。あれはなかなかきれないよね」と聞くと彼女は「ええ」と答える。「でもあんまり好きじゃなかった。打った時の感覚がどうもね。『わーいやー』っていう感じ…」。