日伊文化交流協会

イタリアに関する色々なこと(旅行、料理、語学、本、映画など)を書いています。ブログをお持ちでない方のコメントも大歓迎!

10月に読んだ本(後編)

2009年10月31日 10時57分15秒 | おすすめの本
にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  

10月に読んだ本(前編)で書いたとおり、今月はチャレンジ月間。
第6回『このミステリーがすごい』大賞大賞受賞作
って言う帯に惹かれたり、CDのジャケット買いじゃないですが、まさにタイトル買いに近い選びか方もしましたが、満足度は高かったです。
それにしても、前編もコメントが入らなかったんですけれど、しつこくまた本の紹介をするなんて、ネタギレ?
えぇまぁそんなところ。でもね、今月はこれまた超オススメの一冊(正確には上下巻なので2冊?)が登場するので、よかったら、見てくださいね。

「ボトルネック」米沢穂信
「145gの孤独」伊岡瞬
「悪夢のギャンブルマンション」木下半太
「つばさよつばさ」浅田次郎
「棘の街」堂場瞬一
「禁断のパンダ」(上)拓未 司
「禁断のパンダ」(下)拓未 司






「ボトルネック」米沢穂信
☆☆☆☆

年々、若手の小説化が書く、青春小説っていうのが苦手な分野になってきています。既に青春と言う時期をとおに過ぎてしまったこともあるし、女性が男性をキミと呼ぶ若い文体と言うべきか、そのあっけらかんと突き抜けた感じが、「あなた」と読んでいた時代との隔たりを感じるからかもしれません。
っていうところで、「青春ミステリの金字塔」と裏表紙に書いてあった本書をどうして手に取ったのか自分でも謎だったんですが、読んだ感想を素直に言うと、
「また一人、他の作品も是非読んでみたい。と思った作家に出会えた。」と言う高評価。
最初読み始めたときは、とにかく暗い主人公が鬱陶しくて、感情移入できないなぁ~なんて思っていましたが、やがて、この文中に登場する【ボトルネック】と言う言葉の解説を読み、そして、タイトルの意図を知ったとき、少年の心の深淵に引きずり込まれれたような気がしました。






「145gの孤独」伊岡瞬


この本の評価はビミョー。ミステリーとしては良くできていたと思うし、ミステリーとは言っても、次々と殺人事件が起こって、単に読者は探偵がそれを解決してくれるのを待つ。と言うようなものと違って、主人公の『便利屋』と言う職業も、そこに持ち込まれる内容も、状況設定としては自然だし、血なまぐさい殺人事件も起こらない。解決しなければならない問題も無理難題と言うわけではなく、読んでいてほっとするような内容。
けれど、この主人公をどうしても好きになれませんでした。

  主人公の倉沢は、プロ野球のピッチャーとして
  活躍していたが、試合中の死球事故が原因で
  現役を引退し、その後、便利屋家業で糊口を
  凌ぐ生活をしている。

こういう設定で、まぁ人生の絶望を味わったからこそ、人の気持ちが解るというような感じなんですけれど、とにかく弱音ばかり、その上、「相手は自分の気持ちを決してわからないだろう」と愚痴る。私は基本的に、自分からは何も言わず、相手に気持ちを察してもらおうと考える人がキライ。
そりゃ空気読めって言いたくなる相手もいますけれど、「誰も自分のことを解ってくれない」っていじけている人にどうして、他人が親切にしてあげなくちゃいけないんだろう。って思います。
そのクセ、自分は相手の都合を考えず、自分の子分とみなす相手を好きな時間に呼び出して、キャッチボールの相手をさせる。プロの球を受けられるなんて、ウレシイダロ。ってところが、どうにもこうにもイヤな男。って感じで、その上、事務所にも払えないぐらい困窮しているのに、報酬を受け取ろうとしないとか、そういう、自己完結型の美学に浸るのは男のエゴにはついていけません。
でも、そんな男を支える女が居るって設定も、そんなこと夢想されてもな。って思っちゃう。
プロットはいいのだけれど、読みながらイライラしちゃって、がっちゃん的な評価は低いなぁ~。






「つばさよつばさ」浅田次郎
☆☆☆

これはご存知の方も多いと思うのですが、JALの機内誌に連載されていたものです。私はこれが楽しみで、飛行機に乗ったらまず最初に読んでいました。でもそんなにしょっちゅう飛行機に乗るわけじゃないし、まとめて全部読みたいなぁーーーって思っていたので、嬉しかったです。
浅田次郎って言う作家は、多くの引き出しを持った才能豊かな作家の一人であると思いますが、その引き出しの種類が様々ある故に、ハズレも多い。特にドタバタ喜劇物はイマイチ・・・
だけど、この「つばさよつばさ」はエッセイでありながら、どこまでが本当かウソかわからないその摩訶不思議な感じが余計に笑いを誘うような気がします。






「棘の街」堂場瞬一
星ナシ

うぅーーーーこういうのがっちゃんダメ。
とにかく、主人公が情けない。ハードボイルドを目指すのはいいんです。北方謙三ぐらい本人もハードボイルド。夜でもサングラス。夏でもトレンチコート。飲み物はウイスキーのストレート(ホントかいな)とにかく、それぐらいの美学を気取るなら貫く姿勢が必要。
 本書の主人公は、ウイスキーのダブルが夕食のクセして、喫茶店で相手がコーヒー二つ。なんていうと、胃が悪いときにコーヒーは堪える。風邪気味の時には、オレンジジュースが良かったと文句を垂れる。(でも実際この言葉を相手に対して投げかけるわけじゃなく、心の中で思うことになているので、読者はその不快感をずっと共有しなくちゃいけない)
 事件が起こった街に対する不満、そして、父親との確執がテーマになっているのはわかるんだけど、ずっとオヤジは何もしてくれなかったと言う呪詛めいた言葉が続き、まぁ自身が同じ轍を踏んでいることへの伏線だとしても、本人が大人にないきれてないだけで、40も過ぎて馬鹿じゃないかって感じ。
 その上、誰に対しても攻撃的で突っかかるくせに、自分の面倒を見ることができず、人に頼ってばかり。でもその事を自分で納得していないからまた罵る。だったら、ハードボイルドなんて気取らなければいいのに。正直だらしない。あと、犯人像もなんだか書き切れれていない感じ。
 ファミリーレストランにたむろする若者。しかし、決して目立つような事をしないと言うのが頭の良い証拠のように描かれ、店内では絶対携帯電話をかけない。と言う設定。だけど、電話のたびに、ファミレスで電話の度に外に出るほうが目立つし、それが彼らのクレバーさを象徴しているように描かれているわりに犯行が稚拙。
推理小説としても、ハードボイルドとしても中途半端って感じです。
あぁーーー私もこんな悪口書く事で発散しようとしている。
やっぱりつまんない本読むとろくなことないです。
とにかく、「読んで損した。」これが感想。






「悪夢のギャンブルマンション」木下半太
☆☆

これは最高の娯楽小説。娯楽以上でも以下でもなく、ここから何かを学び取るとすれば、

   「ギャンブルはやめとけ」

だけですけれど、とにかく面白かったです。
最近ハイテンションムービーっていうジャンルの邦画があれこれ公開されていますが、まさにそんな感じ。
あとは、そうだなぁーーー、そうそう、
バラエティ番組を見たときみたい。
勉強もしないで、つまんないテレビをみて時間を無駄にするなんて、私ってなんてダメな女なの。バカバカバカ
と思うほどの落ち込みもなく、かといって、そこから何一つ得るものはなく、でもそこそこの時間つぶしには丁度良く、かつ、なんとなく楽しく笑って気分転換になる。そんな感じです。
何が面白かったって、舞台が大阪だったこと。
それも大国町(以前東京に人に、「おおくにまち」ってとこに行かなくちゃいけないんだけれど・・・といわれたので、念のため書いておきます。ここは「だいこくちょう」)というまぁかなりディープなところにあるマンションでギャンブルをする。
って設定がもう最高!
実際、「さもありなん。」って感じの場所なんですもの。

以前友達がこの大国町のマンションで一人暮らしをしてたんですが、あるとき、早朝っていうのか深夜っていうのか朝4時ごろ、すごい大きな音で火災報知機が鳴って、それも5分以上過ぎても鳴り止まず、流石にヤバイと思って表に出たら、なんとそのマンションの住人で日本人は彼女だけだったという、他はたぶん、フィリピン人、タイ人、マレーシア人、中国人、とにかくアジア系の女の子ばっかりで、それもそのマンションの数よりの遥かに多い女の子の数で、みんな口々に「ライラーライラ」って叫んでたそうです。
まっ、大国町っていうところはそういう場所なので、この小説みたいに、マンションが丸々カジノだっていうのも本当にありそうな感じ。
☆の評価が辛口なのは、ドタバタ過ぎるのと、死人が多すぎる、あと超娯楽小説だからですが、新幹線の中で読む分には、ページ数、内容共に最高でした。






「禁断のパンダ」(上)拓未 司
「禁断のパンダ」(下)拓未 司
☆☆☆☆☆

この本は、またやっちゃったよぉーーー下巻買いってヤツでした。
以前、海堂 尊の「螺鈿迷宮」のときも同じことやったんですが、間違えて先に下巻だけ買っちゃったんです。
だってね、この本200ページぽっちしかないんですよ。もうちょっと分厚ければ気付きやすいんですが、とてもとてもこれって上下別に販売するほどの厚さじゃないんですもの。
それなのに、上下それぞれ500円は高すぎぃーーーーーー
合計1000円ですよ。
それだったら、単行本をアマゾンあたりで安く買えたのに。
宝島社文庫だったってこともあったんでしょうけれど、私はこういう手法が本離れを加速させるように思うから本当にイヤ。「棘の街」堂場瞬一は580ページで800円。別にページ数で本を買ったり選んだりするわけじゃいけれど、売らんが為って感じがミエミエです。
なんか本の感想より前にこんなこと書いちゃいましたけれど。
本が好きで好きで、自分が読んだことのない作家の本を自分で選んでそれが当りだった時の喜びって、ほんとダイヤモンドの原石を発掘したようなそういう感動があるだけに、こういうあざといことをされると、二度と買いたくない。って気持ちになってしまう。まぁこれは作家には責任ないんですけれど・・・

 とまぁ悪口からスタートしちゃったんですが、悔しいことに、これがゲキオモロシロイ・・・。
いやもう、ほんと、上下巻一気に読んじゃいました。
実はこの本「このミステリーは面白い」大賞受賞作品なんですよ。
確かに!!
これまた舞台は関西。それも今度は神戸なんですがね、いやこれがまた神戸らしい設定なんですよ。例えば登場人物の中に、関西弁バリバリの外国人神父っていうのが登場するんですが、神戸にはこういう人がいるんですわ。ホント。
でね、この作者はコックだった(もしかして現役なのかしら?)そうなんですけれど、本当にここに登場する料理においしそうなこと。
あと、その料理に対する発言がとにかく面白くて、ミステリーとしても良くできてたんですが、そのミステリーよりも、料理についての話が興味深かったです。

 主人公の、柴山幸太は、『ビストロ・コウタ』のオーナーシェフ。毎朝の仕入れによって違うメニューを出し、訪れた人は、いつも違うメニューが楽しめる上に、その料理の味もさることながら、良心的な価格設定なため、いつも満席。とういうお店を切り盛りしている。その主人公、幸太が料理で気をつけていること・・・、

と言う部分を読んだとき、ほほぉ~っと思ったので要約すると、

店で出す料理の味付けを意識して濃い目にしている。そのわけは、昨今のフレンチ、イタリアンでは、あっさりとした味付けの料理が流行っている。一流と名のつく店でも、「素材の味を生かした」と評される料理が主流で、それはそれで繊細な舌を持つ日本人には良いのだけれど、逆に、記憶に残りにくい。
一般的に、本格的な西洋料理を食べに行こうとレストランに足を運ぶ人は、大体月に一回、または2ヶ月に一回ぐらいのペースである。そんな時に、塩コショウだけで味付けされたステーキが出されると、それがいかに良い肉であっても、美味しいという感想はあっても、それ以上の記憶には残らない。
家庭では作り出せない濃厚なソース。そういうものこそ、外でフレンチを食べる目的なのではないか。


と言ったことや、素材との料理人との戦い、というようなことが書かれていて、本当に

なぁーーーーーるほどぉーーーーー

って思いました。
ちょっと前に、割合高級な(高級かどうかは人によりますが、私は個人的に、一人1万円以上のイタリアンは高級だと思う)イタリアンに行って、ブログでもその感想を書いたんですが、決してまずくはなかったけれど、何一つ記憶に残らない味だった。って思ったんです。
それはつまり、こういうことなんだ。って思いました。

例えばね、がっちゃんはあまり「すき焼き」と言う料理がそうそう、好きではないんですが、ダンナが大好きなの。
で、ダンナは「すき焼き食いたい。」ってしょっちゅう言うわけです。
でもそんなのしょっちゅう食べると家計が破綻するから、冬場のお楽しみ。って感じで、たまぁ~にするわけです。
そうするとね、あの濃い味付けのすき焼きは、お肉を食べたぁ~って感じがすごく残る。で、2~3日は、ほんと、お肉を食べる気もしなくなるし、あっさりした味付けの料理が続くんです。
普段の料理に、あれほどお砂糖やお醤油を入れることってないから、味が濃く感じるけれど、たまのことだと、やっぱり美味しい。
もちろん、そんなの毎日食べたら身体に悪いけれど、確かにこの作者の言うとおり、たまの外食、それもフレンチやイタリアンで、ちょっとオシャレして出かける。なんて時に、余りにもシンプルな物を出されたら、高級なお肉さえ買えば家でもできる。って思っちゃうんですよね。

また、本書ではエセ和食じゃなくて、エセ・フレンチとでも言うんでしょうか、そういうことにも触れていて、これまた興味深い一文でした。(長いので要約)



例えば活きの良い鯛が手に入ったとして、それを「素材の味」と言う錦の御旗の元に、生食で出そうとするフレンチがある。しかしながら、その完成度は和食での刺身、寿司には遠く及ばない。西洋料理の店で、和食のようなものが出てきた。と言う見せかけの驚きでしかない。同じレベルのものが出せないのなら、餅は餅屋にまかせておけばいい。



ホントこれもうんうん。とうなずきました。
なんていうか、二流以下の日本旅館に泊まると、伊勢海老のグラタンとか、鯛のカルパッチョ風とか、鴨のオランデーズソースとか、突然これまた下手な西洋料理がメニューの合間に登場するんですが、これがだいたいどれもマズイ。
普通に天麩羅にしたり、椀物にしてくれたほうがどれだけいいか。って思います。
でもそういうお店は和食もイマイチだけど。

まっ料理の論議はさておき、何故「禁断のパンダ」なんて突拍子もないタイトルなのか、究極の料理とはどんなものなのか、複雑に絡み合う登場人物たち。とにかくページをめくるのももどかしいような気持ちで、読み終えました。
これはオススメの一冊です。ミステリー好きで、食べ歩きが好きな人にとっては、夢のような本じゃないかと思います。


読んでも読まなくてもクリックおねがいねん

にほんブログ村 海外生活ブログ イタリア情報へ  


最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
パンダに誘われるっ (あね)
2009-10-31 12:32:39
この「禁断のパンダ」の表紙は反則ですね!これを見たらどんな話だろうって思わずにいられない~。

と、その前に。
「棘の街」と「悪夢のギャンブルマンション」の本の画像が逆になってます。この2冊は私もまったく興味がわかないんですが、住人がみんな口々に「ライラーライラ」って叫んでいるマンションってどんなだろ?とこっちの方がはるかに興味があります...。(笑)

で、「禁断のパンダ。
ミステリーなんですか?!料理もミステリーもパンダも好きなので、これはちょっと読んでみたいですね。パンダがどうからんでくるのかも気になるところです。

単行本なら1冊なのに、文庫になったら上下巻で、結局値段は同じくらいっていうのが最近多いですよね。海外の書籍なんて、翻訳されて日本で単行本で上下巻で出されて、さらに文庫になって上中下巻なんてこともあるし。京極さんの本のようにどんなに分厚くとも1冊にしてもらったほうがいいのにって思います。分厚い本の難儀なところは、重くて腕が疲れるってことと、うっかり手を滑らせて床に落っことした時に、読んでたページを探すのが大変ってことだけですから~。(笑)
返信する
お返事(その1) (がっちゃん)
2009-10-31 12:50:14
☆あねさまへ☆
ありがとうございます~
さっき気がついて、直しておきました~

その友達のマンションね、ビジタル大国っていうんですけれど、(実名出しちゃった。もう彼女は引越ししたからOK)そこはビジタル銀座で、ビジタル大国が1~18ぐらいまであるんですよ。
でね、それが順番に並んで立ってるわけじゃなくて、バブル時に、土地を買収した順に立てたから、4の前が12とか、3の隣が8とかそんな風に立ってるから、探すのが大変(笑)

でまぁ風俗店にも近いから、オネーチャンたちも多いし、いわゆる街娼っていうのかこれはもう差別とかそういうんじゃなくて、本当にいるんですよ。
近くのローソンで、皆さん雑誌の立ち読みをなさる。で車の中から右から3番目の赤いミニスカーとの子とか指名があると、いわゆる手配師の男みたいなのと、一緒にホテルに行くとかね。
まぁ大国町っていうところは、そういう環境なので、この本にかかれてているように、マンション全部がカジノっていうのがありそうで面白かったです。

「禁断のパンダ」おすすめですよぉ~。
これを読んでほんと、そういえばせっかく外食したのに、何にも印象に残ってない。って思ったのが解る気がしました。
逆にメチャメチャ塩辛かったお店のほうがよく覚えているぐらいですもの。

あと、京極夏彦の本だけは逆に「すいませんが、上下巻にわけていただけませんかね。」って言いたくなる気もします。
だってカバーが滑って本が飛び出したりしますしね。ほら、あれだけ分厚くなるとカバーの差込部分が浅くなるので抜けやすいんですよねーーー。なんせ800ページ超えますから。
返信する
なるほど (Quattordici)
2009-10-31 18:19:05
禁断のパンダは、この表紙に決まった時点で、上下巻にしたものとみた!
カワイイ表紙ね。
是非手にとって読んでみたくなります。
そしてがっちゃんのようにこうやって2冊並べないとね!!
返信する
私も (Delfino)
2009-10-31 21:17:05
今回紹介されていた中で読みたいっ!って思ったのは禁断のパンダ。
ほかの動物じゃなくてパンダにしたのはなぜか。見た目のかわいさとぱぴぷぺぽの半濁音の音の柔らかいイメージ。人間が勝手につけたイメージの裏にある凶暴性を描くのか。それか、白黒つける意味かな?などと想像力をかきたてられます。

食べ歩き(というかそもそも食べること)が好きだし、関西が舞台といったらなお興味あり。これにミステリーも加わったら読まずにはいられませ~ん。
がっちゃんさんの本の紹介いつも参考にさせていただいています☆
返信する
Unknown (MAU@)
2009-10-31 23:24:02
おおっ。やっと私も読んだことのある本がっ(笑)。
浅田次郎の「つばさよ、つばさ」です。
いかにも飛行機の中でかる~く読むような、右から左~な本でした。
浅田次郎のエッセイ「勇気凛々シリーズ」が大好きです。
ものすごく文の構築がうまいというか、こなれてるというか、笑わせるのも泣かせるのも、お茶の子サイサイって感じですね。
彼の短編によく見られる、「ほれほれっ、はよ泣かんかい」っていうのがミエミエなのは、苦手かも~。
でも長編の、プリズンホテルは笑えたし、蒼穹の昴も感動しました。天切り松も良かった。
返信する
お返事(その2) (がっちゃん)
2009-11-01 19:41:02
☆Quattordiciさまへ☆
>禁断のパンダは、この表紙に決まった時点
>で、上下巻にしたものとみた!

それがですね、冒頭の写真は、単行本なんですよ。だから文庫化になったとき、オシリを部分を書き足したんじゃないかと・・・
それか、単行本の裏表紙だったのかしら・・・
こうやって並べてみると、確かに上下巻って感じなんですが、この上・下の文字が小さいのと、これがなんと帯びに隠れちゃって、それで解らなかったんですよ。
電車に乗ったとき、まず最初にこれを読もうと思って開いたら下巻だったのでショックでした。
これを読むとパンダの知らなかった生態も解るかも(?!)
返信する
お返事(その3) (がっちゃん)
2009-11-01 19:46:49
☆Delfinoさまへ☆
>ほかの動物じゃなくてパンダにしたのはなぜ
>か。見た目のかわいさとぱぴぷぺぽの半濁音
>の音の柔らかいイメージ。人間が勝手につけ
>たイメージの裏にある凶暴性を描くのか。そ
>れか、白黒つける意味かな?などと想像力を
>かきたてられます。

どれも当たらずとも遠からずって感じですよぉ~
パンダって実際、分類学上の識別がはっきり決まってない動物なんだそうですね。クマ科、アライグマ科とする説と、独立したジャイアントパンダ科だとする説と未だに決着がついてないのだとか。
また竹を主食にしているのに、歯の構造が肉食獣と同じなんだとか、そういうことも本書に登場して、ウンチク好きをうならせます。
あとね、ちょっと貿易の仕事をしたことがある人だったら、絶対楽しい通関の話とか、色々ありますよぉーーーー
返信する
お返事(その4) (がっちゃん)
2009-11-01 19:52:52
☆MAU@さまへ☆
>彼の短編によく見られる、「ほれほれっ、は
>よ泣かんかい」っていうのがミエミエなの
>は、苦手かも~。

それがねぇーーーー。
私ってば最初にそれを知らなかったとき、『鉄道員』を読んじゃって、それも電車の中・・・
号泣しそうになってまいりましたよ。
あの中の2本目だか3本目の短編にやられました。
今はもう免疫がついたっていうか、その「ほれほれ、次いくよぉーーーいくよぉーーーー泣け泣け泣かんかいぃ」って感じが鼻につくようになりましたが、やっぱり「蒼穹の昴」は素晴らしかったです。「プリズンホテル」はね、ドタバタ喜劇過ぎて、あの長さで最後まで引っ張るのは難しかったかと思いました。

でも、ホント

>ものすごく文の構築がうまいというか、こな
>れてるというか、笑わせるのも泣かせるの
>も、お茶の子サイサイって感じですね。

そうそ、どれもツボをはずさないってとこがね、新鮮味にかけるのか続けて読むと、ちょっと胸焼けしますけれど、ショーモナイ本を買って失敗するぐらいなら、浅田次郎を買うほうがハズレがない。って感じです。
確かに「上手い。」この一言に尽きますね。
返信する
Unknown (maron)
2009-11-06 12:34:30
先日、紹介されていた「素数たちの孤独」を読みました!
とっても心に残るストーリーで、読んで良かった!
母が図書館で借りてきてくれたんですが、「その本、面白かった?」って聞かれて答えに困り「愉快で面白いかって言われれば、全然面白くないけど、どんどん次を読みたくなったよ」と言ったら、「じゃ、ママはいいわ。」ですって!(笑)
映画も本も、結構こういう救いようのない感じが出ているもの、好きです。

あとは対照的ですけれど、私も浅田次郎けっこう好き♪
プリズンホテルが一番最初に読んだ浅田作品だったのですが、最初は「髪の毛をひっぱる」とかちょっとグロイというか吐き気を催すような表現(?)が多くて、ゲ~って思ったけど、ストーリーに引き込まれて、結局他の作品も読みました。
シェエラザードも結構好きでした。

一番最近、電車の中で思わず泣いたのは、愛を読むひとの原作「朗読者」です。うかつでした!
返信する
お返事(その5) (がっちゃん)
2009-11-07 09:26:46
☆maronさまへ☆
>母が図書館で借りてきてくれたんですが、
>「その本、面白かった?」って聞かれて答え
>に困り「愉快で面白いかって言われれば、全
>然面白くないけど、どんどん次を読みたくな
>ったよ」と言ったら、「じゃ、ママはいい
>わ。」ですって!(笑)

そうですね。面白かった?と聞かれたら、もうほんと返答に困っちゃいます。
正直、『面白い=興味深い。』じゃなくて、
『面白い=笑える。楽しい。』と言う意味だとしたら、対極にあるっていうか・・・
正直嫌な本とまで言っちゃうぐらい、面白さのカケラもないんですけれど、心に残るという意味ではすごい本ですよね。
ある意味、楽しかった思い出よりも、悲しかったこと、辛かったことの方が忘れない。そんな感じでしょうか。

電車の中で読む本は、うかつなものを選ぶとえらいことになりますね。今月ご紹介した本の中では、この最初に紹介したボトルネックがかなりやばかったです。
「うわっしまった。」ってかんじ。
でも私本でなくのって好き。なんか心の中を掃除してくれたみたいな気分になります。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。