日伊文化交流協会

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10月に読んだ本(前編)

2009年10月17日 12時09分10秒 | おすすめの本
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こちらが今月前半に読んだ本
本の紹介は、月に一回まとめてしようと思っていたんですが、今月はオススメが多かったので、全部やると長くなるし、一旦前半で切って、また後編を書きたいと思います。

「ラスト ワンマイル」楡周平
「鳥人計画」東野圭吾
「パレード」吉田修一
「マルコの夢」栗田有起
「獣の奏者」(I闘蛇編)上橋菜穂子
「獣の奏者」(II王獣編)上橋菜穂子

今月は比較的当りが多かった月です。

   

「ラスト ワンマイル」楡 周平

私が楡周平の本を最初に読んだのは「マリアプロジェクト」これは臓器移植を巡る国際的な陰謀を描いたもので、その迫力とスピード感に一気に読了したんですが、女性の描き方がちょっと稚拙だなぁと思っていて、それは「クラッシュ」にも言えてたんですけれど、視点のあり方が新鮮なので、他にも何冊か読んでいます。
で、これはもう、まさに当時は時の人だった、「ホリエモン」のフジテレビ買収劇を描いたものなんですが、それだけを描いたものだと、文庫化されるまでのタイムラグの間に、新鮮さが急激に失われるどころか、腐臭すら漂うことになるんですが、郵政民営化によって巻き起こった物流会社の戦いが主なので、最後まで新鮮さを保ったまま読むことが出来ました。
クール宅急便ってかーーーーーー



   

「鳥人計画」東野 圭吾

ここ数年、東野圭吾の小説がどうも面白くなくて、『白夜行』『手紙』『殺人の門』『赤い指』どれもなんか人の情(なさけ)に訴えようとしているようで、それがどうも鼻についちゃうんです。
昔の、『天空の蜂』とか、『悪意』とか、『秘密』みたいに、読み終わったときにうぉぉーーーーって思うようなのがないんですよ。
で、これはちょっと駅の売店でどうしても読むものがなくて慌てて買った本だったので、かなり古いんですけれど、(なんと初版は1989年だから今から20年前!)やっぱり東野圭吾はこの時代の作品の方が面白い。って改めて思いました。
でも古い本を書店で買うとちょっと損をした気分になります。
たぶんこれならブックオフでも見つけられただろうに・・・
今家の近くにあった本屋がどんどん無くなって、たまにスーパーの中の本屋なんかに行くと、書店というより雑誌屋。で本はちょっと名の知れた人の本ばっかり平積みにして、新刊がない。すごく悲しいです。



   

「パレード」吉田 修一

吉田修一を最初に読んだのは、朝日新聞の夕刊の新聞小説だった『悪人』これがねぇーーすごく面白かったんですよ。
で、そのあと毎日新聞の夕刊に『横道世之介』ってのを連載していて、最初の『悪人』のイメージがあるから、どんなドラマチックは展開になるんだろう。って期待してたら、これがまぁつまんなかった。
横道世之介と言う名前の大学生の日常がダラダラ書かれていて、時々その彼と関係のあった人たちが10年以上過ぎてから登場するんですけれどね。で、全て思い出で語られるものだから、私はその横道クンが死んじゃうものと思って、いつ死ぬのか、何故死ぬのか、どんな死に方をするのか、と思って読んでいたら、最後まで死ななかった。(それを期待する私も変だけど・・・)とにかく、完の文字を見たときは、「ふぇ?」って言っちゃいました。
だったんですが、このパレードはまさにその「悪人」と「横道世之介」を足して2で割ったような作品。ダラダラの日常生活と悪人が交差する感じが鮮烈でした。



   

「マルコの夢」栗田有起

これはものすごぉーーーく不思議な本です。
マルコっていうのは、イタリア人でもなんでもなく、なんとキノコの名前。これは本の帯にも書かれているのでネタバレでもなんでもないので大丈夫。でその「マルコ」を巡って不思議な世界が描かれています。すごーーくシュールでコミカルなお話です。
面白かったから、買って損したとまではいわないけれど、本当に20分で読み終わったので、立ち読みにしとけばよかった。って感じです。
あとちょっと面白かったのが、「レミーのおいしいレストラン」と言うアニメ映画を以前飛行機の中でみたんですけれど、そこに登場する料理批評家とそっくりな批評をする人がこの小説にも登場するので、きっとフランスにはこういう料理批評家っていう職業が成り立ってるんだろうなーって思いました。





「獣の奏者」(I闘蛇編)上橋菜穂子
「獣の奏者」(II王獣編)上橋菜穂子

さて、これが今月のイチオシの本です。
ずいぶん前からNHK教育で「獣の奏者エリン」の放映が始まっていて、がっちゃんずっと見てたんですよ。なので、この本が文庫化されたとき、アニメはもう終盤だし、これで先に本を読んじゃったら面白くなくなるかも。って思って買おうか買うまいか悩んだんです。
だけど我慢しきれず買っちゃいました!!
おかげで、ちょっとアニメを見落とした回の話が繫がってよかったです。
でも不思議なのは、普通漫画や小説がアニメ化またはドラマ化されるときって、原作にあるエピソードのいくつかは消えてしまうことが多いんですけれど、このアニメの場合は、アニメの方が原作よりも詳しい。
確かに、上下2巻の本を50回もの長編アニメにするには、ちょっと分量が足りないし、子供が見るにはかなり難しい話なので、解りやすく解説するためにも必要だったんだと思います。
そのおかげと言えば変ですが、作者はこの『闘蛇編』と、『王獣編』でこの物語を完結させるつもりだったのが、アニメ化に当たって、ストーリを練り直したことで、『探求編』と、『完結編』を書く気になったそうです。

ずっと、待ってた小野不由美の『十二国記』も再開されたし、楽しみだワン。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
読みたいっ (batanosuke-)
2009-10-18 05:05:23
私が読んだ事のあるものはなかったのですが、説明を読むだけでうずうずします!
将来は図書館の隣に住みたいと思うほど読書好きな子供だったのに、海外在住。
読みこなせる程のイタリア語力もないと来た。。。
でも読書、楽しいですよね。

ところでがっちゃんさんのブログ、私のブックマークに入れても良いですか?
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お返事(その1) (がっちゃん)
2009-10-18 15:26:16
☆batanosuke-さまへ☆
そう、海外に住んでいると活字欠乏症になりますよね。アメリカぐらい大きな国だと、日本の本もわりあい簡単に手に入りますし、アマゾンからの注文も可能みたいですけれど、イタリアはほんと一番の問題が物流な気がします。
イタリア文学も素晴らしいものがありますけれど、やはり母国語で読むほどの感動がこないっていうか、もちろんこれは私に読みこなす力がないせいでしょうけれど、日本語の持つ湿度みたいなものが、決定的に違うきがします。

ブックマークありがとうございます。私も登録しておきますね。
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