日伊文化交流協会

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うまく使えないイタリア語

2012年03月19日 14時00分38秒 | イタリア全般
『日本人の知らない日本語』というコミックエッセイがありまして、外国人に日本語を教えている日本語教師の苦労をコミカルに描いたとっても楽しい読み物なんですが、そこには、日本人でも『へぇ~そんな名前なんだぁ~』っていうものが次々登場したり、なんていうか外国人はそんな風に考えるのかぁ~?って思うことも。
これはドラマ化もされて、(ドラマではちょっとお涙頂戴物になっちゃってますが)日本もいろいろな国の人が暮らすようになったんだなぁ~って感じがしています。

で、先日そのコミックエッセイが置かれている棚のところに、もう一冊同じような本があって、ちょっとパラパラとめくってみたところ、外国人が使ってうれしかった日本語。の一例が出ていました。
正直その文言自体は忘れちゃったのですが、意外だったのが、すごく簡単な言葉だったということです。

たとえば、

「どうぞお構いなく」とか、


なんだろ、

「いえいえ、とんでもありません」

とか、そんなんでした。

それがスムーズに言えた瞬間すごくうれしかったと。

このことについて、著者は、

「外国人が嬉しいと思うのは、日本人もスラスラとは漢字が書けないような、『薔薇』とか『憂鬱』とかそういうのとか、諺とかだと思っていたので意外だと。」

そういう意味合いのことが書いてあって私も同感でした。
(すいませんねぇ~その本買わなかったので、うろ覚えで・・・)


実のところ、日本通を気取る外国人の中には、わざと難しい言葉を使いたがる人がいるですよ。

たとえば、

「明日の打ち合わせは10時でいいですか?」

というような、「はい」「いいえ」で答えられる質問をしているにも関わらず、

「私の考えではむしろ、10時というのは少し早い気がします」

とかいうんですよ。
日本人だったら、
「いえ、すいませんが、10時半でもいいですか?」
みたいに答えると思うんですけどね。

「自分がインテリだとアピールしたいんだろうな。」

って感じの外人の場合、なんていうか、答えるときに、いちいち、「生憎」とか、「所謂」とか、「言わば」とか、「無論」とか、「ご承知の通り」とか、必要のない副詞をやたら使ったり、反語にしてきたりして、回りくどいというか、カンに触るというか、正直めんどくさい。

それだけに、『できるだけ複雑な言葉を使いたい』って思っていたので、最初に書いたような、「とんでもありません」のような簡単な言葉が言ってみたかった。という意見に驚いたのですが、でも、自分に当てはめて考えたとき、おぉ~そうかも。って思いました。

学校で習う言葉っていうのは、文法的に正確な言葉を習うので、話し言葉とはやっぱり違います。
で、とっさの一言みたいなのがね、出ないんですわぁ~。

一応ね、

『携帯版 イタリア語会話とっさのひとこと辞典』

なる本も持ってるんですよ。
そこには、

とんでもない!
Certo che no!

あんまり・・・
Mica tanto.

さぁね
Chissa`!

賛成!
Ci sto.

あっそうだ!!(忘れてたことを思い出したとき)
Ah, gia'!

とか、まぁこういう短いのです。

たとえばね、
(私がやるから)任せて!!

みたいなのも、
Ci penso io.
Faccio io.

は言えるんだけど、
Me ne occupo io.
Lascia fare a me.
Conta su di me.
はパッと出てこない。


あと、このCissa`っていうのだって、一応知識としては知ってるけれど、これを使ったとき、相手にどんな印象を与えるかわからないから怖くて使えない。
なんていうか、「さぁ、ぞんじあげません。不勉強で申しわけございません」という意味の、「さぁ」と、「そんなことしったこっちゃねぇ~よ」っていう「さぁ」って全然違うでしょう?
それだけに、こういうフレーズだけ覚えても、その場面にあってるかどうかまでわからないんですよ。

がっちゃんが映画とか、テレビドラマとか、なるべく一生懸命見るようにしているのは、こういうのを聞き取ったり、感じ取るためかも。

Per carita!(とんでもない!)
とか、

Di gia`!(えっもう行くの?)
とか、

こういうのって、なんていうか、スッと出てくるまでになるには、普通に生活の中で使ってないと、頭の中で考えてからじゃ遅いんですよねぇ~。

たとえば日本語でも、「ご愁傷様でございます」なんて言葉大人になってからしか使わないと思いません?
イタリアのドラマの中で、葬儀の場面が出てきたとき、
Condoglianze.って言ってたので、おぉ~って思ってみましたもの。

それと同じで、普段使い慣れていないと、なかなか出てこない言葉ってありますよね。

なので、意外にこういう短いフレーズってうまく使えないんですよねぇ~。
自分で本とか読んで勉強していて、知識としては知っていても、相手の言葉にとっさに反応できるような場面ってそうそうなかったりもするので・・・

耳で聞いて覚える単語っていうのもあると思うんですが、このあたりが、外国語を勉強する上で、留学してないとつらいなぁ~と思うところです。
英語だったら、そういうCDとかも結構売ってたりするんだけど・・・。

まぁ私の場合、あったとしても、なまけものだから、CD買った時点で満足して勉強しないんだけど。

ってことで、
Non funzionera`!
うまくいきっこないよ!!

使ったことないっす・・・

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10 コメント

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言葉って (なおこ)
2012-03-19 17:24:19
日本語でもイタリア語でも、コミュニケーションの場(職場、家庭、店など)や話す相手、会話の内容などによって、語彙も話し方もかなり変わってきます。がっちゃんの考察、日本語についてもイタリア語についても、とても奥深いですね。外国に住んで勉強していると、なかなかこの「場面ごとに使い分ける表現や語彙、その語感、ニュアンス」というのが、身につきにいのです。日本語を教えるときでも、初級の最初は「です・ます」ばかりを中心に教えますが、これも、「日本を訪ねたばかりで自分があまり知らない相手と会話して、失礼でない表現」は、やはり丁寧語だし、常体よりも「です・ます体」の方が、否定形や疑問形を作る方がずっと簡単だからです。
わたしがイタリア語を日本で、それからイタリアの上級クラスで勉強して、最初のうち話したイタリア語は、イタリア語と似ている英単語(ラテン語・ギリシャ語起源)からの応用だったり、本や文学作品を中心とした表現だったので、一度先生からスロヴェニアでイタリア語の先生となるべく勉強していた学生さんと私は、「ひどくかしこまったものの言い方をする傾向がある」と指摘をされ、それが半年の授業が終わる頃だったので、「もっと早く言ってくれればね」と、その学生さんと言い合った覚えがあります。たとえば「試験を受ける」でも、sostenere un esameなんて一々言わず、dare un esameでいいとか、要するに私たち二人は、「書き言葉中心」で学んできたために、話す言葉も固かったということです。
逆に、Certo che no!はいいのですが、Mica tanto、Ci sto、Ah, gia'!あたりは、口語のかなりくだけた表現であり、ごく親しい友人同士や家族で使うのならいいのですが、公の場面で使うと場にそぐわないということになります。
Chissa`!は使い方によりますが、日本語でも「それは当方では分かりかねます」と言うべき場合と、「どうかなあ。」という場合と、使い分けがありますよね。後者に近い口語表現です。Ci penso io.Faccio io.も、「相手が何かをしようとしているとき、『私がするから、私が考えるから任せておいて』」という表現であって、親しい相手でないと失礼になります。
映画やドラマ、本など多様な例に接しつつ、場面に応じたイタリア語を身につけることが必要で、やっぱり時間がかかります。
逆に、あまり日本で勉強せずにイタリアに飛び込んで暮らし始めた留学生の方は、こういう短い言葉の使い方や発音がとてもうまいのですが、長い文を組み立てたり、相手の言うことを聞き取るのが苦手で、いつまでもひどくくだけたイタリア語を使う傾向があります。これはイタリア人が日本語を学ぶときも同じで、ペルージャ外国人大学で私たちが教えていた学生さんたちが、「です・ます体」しか習っていない段階で、互いに常体・口語で話し合う日本からの留学生の方と交流して、びっくりして、「早く常体を習いたい!」と言ったり、日本に留学する前は、ちゃんと敬体で書いたり話したりできていたのに、留学語は試験中に「タメ口」で答えるので、これは「試験の場にふさわしくない言葉遣い」と辛い点をつけることになったり……
語学は奥深いので、がっちゃんのような視点と注意、とっても大切です。

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凄くわかります (寅子)
2012-03-20 00:08:26
私も留学経験がなくイタリア語教室に10年以上通い、職場でイタリア語を覚えました。取引き先のイタリア人には私のイタリア語はSCOLASTICOとよく言われます。仕事のメールは割と理解しますが友達からのメールは砕けた表現が多くて、よくわからないことがあります。
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お返事(その1) (がっちゃん)
2012-03-20 14:15:31
☆なおこさまへ☆

長文のコメントありがとうございます。
ほんと、どれもおっしゃる通りですね。
日本に住むイタリア人も、来日前にしっかりと文法を勉強してきた人と、いきなり日本に来た人では全然違います。
なんていうか、土台がしっかりしないままに何年住んでも上達しないというか、(もちろん努力しているひともいますが・・・)

たとえば、あるイタリア人が
「コーヒー飲みたいですか?」
っていうんですね。
Vuoi un caffe?
の直訳だと思うんですが・・・

「コーヒーをいかがですか?」

を日本語でも、「を」を飛ばしたり、「コーヒーは?」で聞くときもあるし。もっと口語だと「コーヒーいる?」になっちゃいますし。

また、本来ならば「コーヒーをお召し上がりになりませんか?」というべき時に、「コーヒーいただきますか?」なんていう日本人もいますからね、どこまで正確さを求めるかは難しいですし、生活の中でそんな些末なことをいちいちあげていると、相手にも嫌がられますし、本来のコミュニケーションがとれなくなってしまいますから、それで通じるならいい。ということになってしまうんですけれど、こんな風に、文法的には間違っているけれど、意味は通じる。それでもう長年やってきていると、もう直らない(本人も直すつもりもない)
まぁ、語学の勉強って終わりがないですからね。どんなに上手に日本語を話せる人でも、文章を書かせるとやっぱりおかしかったりするし。

だから、私もあくまで外国人であるということをふまえて、その相手の文化も尊重し、ある部分だけ変に崩れた言葉を使うよりも、多少硬くても丁寧に話せるほうがいいとは思っているのですけれど、でもやっぱり、「とっさの一言」って身につけられたらいいのにな。と思います。
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お返事(その2) (がっちゃん)
2012-03-20 14:36:04
☆寅子さまへ☆

ご訪問ありがとうございます。
初コメですよね。寅子さん。なんて美しい響きなんでしょーーー。
タイガースファンの私にとっては、そのお名前が輝いて見えますです。

寅子さんと同じく、私も日本でイタリア語を学んだ口です。その上、語学学校は中退っていうか、みんなで学んでいると、時間がもったいない気がしたので、3か月そこそこしか通っていません。

ただ、今でもずっとイタリア人からプライベートで習っています。今の先生は3人目ですが、合計すると、結果的に、留学できるぐらいのお金はかかってるかも。

でも、本当になんていうか仕事の場での取引内容とかそういう時はスムーズにいくのですが、今でも長時間世間話をしなくちゃいけない時はかなり苦痛です。

イタリアに行く機会も減ってきたし、一週間ぐらいいると、耳も慣れるし、ずいぶんしゃべれるようになるんですけれどねぇ~。2週間ぐらいちゃんと留学して学校に通ったら上達しそうなきもするんですが、なかなかそれができないんですよね~。
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Unknown (ぷー)
2012-03-22 02:40:32
ゲーム熱は冷めました~?(←いやなことを覚えてる私)

過去形までを日本で勉強してこちらに来た厚顔な女です☆

ゼミの教授のお陰で、堅苦しいモノの言い方も最初の年から実地で叩き込まれましたので、喋る分には問題無いです。
あ、こっちでも語学学校通いました。
書く方が私は…。
やっとここ2、3年くらいで少しまともな文になってきたかも…。でも丁寧に書きたい時に、変に日本人気質が出てきてしまうようで、夫に「なんじゃこら」と優作突っ込みされてます(夫のイタリア語はレベル高し…)。
最近作文練習を怠ってるので、またヘタクソに逆戻りでしょう(遠い目)。
いくら現地に住んでいても、語学の勉強は一瞬でも怠ると、忘れるのがすぐです。あ、それは私が鳥頭だから?

生きたイタリア語なら、ラジオのポッドキャストのCATERPILLAR とかいいかも。真面目な話題もあるし、ちょっと軽い感じもほどよくあるし。
ではでは。
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お返事(その3) (がっちゃん)
2012-03-23 14:15:45
☆ぷーさまへ☆

>ゲーム熱は冷めました~?(←いやなことを覚
>えてる私)


いやいや、いやなことどころか、ますますひどくなって、課金がついに毎月1万円を超えるようになりました。
もうビョーキです。
なんていうか、どのゲームもそこそこ強くなっちゃった上に、リン友(ゲーム上でリンクしている友達)と共同で倒す強いボスキャラみたいなのがたびたび登場するようになって、そうなると、自分の時にも応援に来てもらわないといけないから、どんどん強いお友達と組むようになって、結局課金・・・
もうアホとしかいいようがありません。
今これを書いている瞬間も、20分で回復する『元気』みたいなののために、タイマーをセットしています。


>でも丁寧に書きたい時に、変に日本人気質が出
>てきてしまうようで、夫に「なんじゃこら」と
>優作突っ込みされてます(夫のイタリア語はレ
>ベル高し…)。

これわかります。
なんていうか、日本語をそのままイタリア語にしちゃうと、

『ご高覧賜りまして、恐悦至極に存じます。』

ぐらいの馬鹿丁寧な文書使いなっちゃうんでしょう?


>いくら現地に住んでいても、語学の勉強は一瞬
>でも怠ると、忘れるのがすぐです。

それはそうですね。アメリカ留学して帰ってきても英語が話せない人も多いですし。
ただ、なんだろ、生活してると、買い物とか、さまざまな瞬間に、「どうぞお先に」とか、「それで結構です」とか、反射的に言わなくちゃいけないようなことに出くわしますでしょ。
日本で勉強してると、そういうのがないんですよ。


>生きたイタリア語なら、ラジオのポッドキャス
>トのCATERPILLAR とかいいかも。真面目な話題
>もあるし、ちょっと軽い感じもほどよくある
>し。

実は、こうやってパソコンを立ち上げているときは、いつでもイタリアのラジオにつないでるんですが、イタリアでの深夜タイムなせいで、なかなかニュースとか流れなくて・・・

先ほど、↓で検索したら、

CATERPILLAR

重機のキャタピラが上がってきました。
もしよかったら、ウェブアドレス教えて下さい
!!
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Unknown (ぷー)
2012-03-23 22:46:35
itunesの言語を「イタリア語」にすると(国旗のマークがあるからそこをクリックして、さらにヨーロッパ地域のイタリア国旗をクリック)たしか、Radio Rai とかなんとかが出てくるはずです。そこでcommedia なんかをクリックするとCaterpillar が出ますよん。
生きたイタリア語といっても、映画は作品も選ばないと変に俗語に溢れていたり、反対に堅苦しかったりとなるから、そこも難しそうですね。
私は最近日本のポッドキャストばっかり聞いてて、ダメな感じです。。。
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お返事(その4) (がっちゃん)
2012-03-24 10:39:51
☆ぷーさま☆

うっわごめんなさい。
せっかく書いてもらったけど、私はI-pod持ってないっす・・・
でもRadio Raiなら聞けるから、そこから探してみようかな。
でも、うちのADSL動画はダメなんですよ~
なぜか3秒に一回いぐらい止まるし、ラジオも局を選ばないとなかなか聞けなくて・・・
そろそろ光にするかWaifaiに変えるか悩み中。
ありがとうございました。
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Unknown (さばぇ)
2012-03-30 20:32:37
こんにちはー。
いつの間にかすっかりブログ復活してたんですね。:)
そういえばゲームの方はどうしました?^^;
実は私も少し前まで、イマサラ~ なソリティアにはまり、お願い誰か止めて~ って思う時期があったんですが、その時によくがっちゃんさんの事を思い出しました。^^;

ところで Chissa`、私イタリア在住中に使ったことなかったかも・・・。
その代わり Boh はよく使ったし、イタリア人も良く使いますが、これって日本で習ったり本なんかで見た覚えがないんですよね。(友達の子供は生まれて初めて喋った言葉が Boh だったそーで :p)
こういうニュアンスもの(って言うの?)って難しいですよね。

ちなみに私がさらっと言えるようになって嬉しかったイタリア語は、「Grazie!」とか「Buona pasqua!」とか言われた後に返す「Anche a te!」でした。^^;
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お返事(その5) (がっちゃん)
2012-03-31 15:47:51
☆さばぇさんへ☆

いやぁーーーー
しばらく訪問しない間に、すごい変化があったようでびっくりしました。
でもおめでとうございます!!!
ソリティアは、普通のソリティアのほうじゃなくて、スパイダーソリティアは今でもやったりします。

でも携帯ゲームのほうが本当に依存度が高くて、ヤバイ状態です。

>ちなみに私がさらっと言えるようになって嬉し
>かったイタリア語は、「Grazie!」とか「Buona
>pasqua!」とか言われた後に返す「Anche a
>te!」でした。^^;

あーーーーーーーーーーー
これもわかる~
私も、Anche a meとかね。
すぐ口をついて出るようになるまでには、かなり時間がかかりました。


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