日伊文化交流協会

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2011年度イタリア映画ランキング

2012年03月17日 12時00分09秒 | おすすめの映画
なんかね、去年は不作の年だったなぁ~。
上映された映画はそこそこあったんですよ。
見逃しちゃったものもあるけど、イタリア映画祭はかなり頑張って観たし、イタリア人がDVD買ってきてくれたりもしたし。そんなことで結構本数はみたんですけれど、正直なんだかなぁ~って映画ばっかだった。
なんていうか、イタリア映画以外も、すごく良かった!! と思える作品が少なかったのも事実。

『ゴーストライター』なんて、予告編がめちゃ良くて、スターウォーズのユアン・マクレガーに007のピアーズ・ブロズナン、セックス・アンド・ザ・シティのキム・キャトラルっていう超豪華俳優陣が出演してるだけに、観る前は、「なんでミニシアターでの上映なのかしら?」なんて思ったんですけど、見終わった瞬間、「うぅーーーん」な感じでした。

あっ、私はミニシアターでの上映を馬鹿にしてるわけじゃないですよ。
イタリア映画の上映はほとんどが、ミニシアターなので、さまさまでございます。

ただ、なんていうかこだわりのある作品と言えばよい言い方になりますが、集客の見込めない作品だったり、一部のマニア受けがする作品が多いのも事実。あと、上映期間が極端に短かったりもするし・・・。マメにサイトをチェックしていないと、新聞の映画情報欄には載ってないとか。
まぁそれだけに、『当たり』の作品に出合うとうれしいんですけどね。

最近シネコンで上映される作品は、テレビなどで宣伝がバンバンできる有名どころの俳優が出てる邦画か、アニメか、3Dで見ごたえのあるアクション系ばかりな感じもするし。
その意味でも商業ベースよりも、作品の出来を優先している感じのするミニシアター系の映画って好きです。

でまぁまた長くなりましたが、2011年に見たイタリア映画はというと、

     14本


でした。


この本数の中には、映画祭上映作品、劇場公開作品、DVDを含みます。

で、毎回思うんですが、映画祭、大阪は東京よりも上映作品が少ないんですね。(期間が短いから当然ですが・・・)でも、いつもサイトチェックなどで、上映のラインナップを見て、「うっわ~この映画見たい。」って思う作品はなぜか東京だけでしかやらない・・・。
大阪のも、たとえば、一日4作品見るのは辛いから、最初か最後はパスしようかな。って思っても、それが見たくて、途中に全然見たくない作品があるとか・・・。
となりの芝生は青く見えるってことでしょうか。

≪映画祭上映作品≫

穏やかな暮らし【Una via tranquilla】
キスを叶えて【I baci mai dati】
ぼくたちの生活【La nosta vita】
ラ・パッシオーネ【La passione】


≪劇場公開作品≫

愛の勝利を-ムッソリーニを愛した女-【VINCERE】
あしたのパスタはアルデンテ【Mine vaganti】
プッチーニの愛人【Puccini e la fanciulla】
ベニスに死す【Morte a Venezia】


≪DVD購入作品≫

BACIMI ANCORA
BOROTALCO
GATTO E CARDELLINO
GOMORRA
IL PICCOLO DIAVOLO
家の鍵【LE CHIAVI DI CASA】


劇場公開されたのに、見逃しちゃったのは、『人生、ここにあり』
仕事が重なっちゃって、気が付けば終わってた(泣)


でね、ベストは?というと、今年はがっちゃん的オスカー該当作品はないんだなぁ~。

残念

一番期待してたのは、『あしたのパスタは・・・』だったんだけど、これがそうでもなかった。
BACIMI ANCORAはイタリア映画祭上映作品で、一番人気だったんですが、ちょっと
しんどかったので一日券持ってたんですが、結局見ないままに・・・
で、イタリア人に頼んでDVDを買ってきてもらったんですけど、イタリア語で見たのが悪かったのかも。(つまりがっちゃん、よくわかってない)

ってことで一応の順位です。


1位 GATTO E CARDELLINO

実は、これは、以前紹介したIL COMMISSARIO MONTALBANOシリーズ作品の一つです。これを1位にするのはちょっと反則技のような気もしましたが、結局これ以上と思える作品がなかった。ってことです。
原題の、Gatto e Cardellinoは、直訳すると、『猫とゴシキヒワ』ってことですが、ゴシキヒワって鳥はそんなに日本でメジャーな名前じゃない気がするので、まぁいわば、『猫と文鳥』って感じでしょうか。小鳥でもいいですけどね、家で鳥を飼うってことが前提となってる話なので、「インコ」当たりが一番いいと思います。前に見たLE ALI DELLA SFINGEほどの感動はなかったんですけど、見てて引き込まれる感じはやっぱり一番です。


2位 家の鍵
原題:LE CHIAVI DI CASA

日本では2006年公開の古い作品なので、今更なんですけど、ビデオを買ったのが去年なものですから・・・。最初一回だけ見たときは、主人公の考え方についていけず、(いきあたりばったりな感じ)好きになれなかったんですが、気になるセリフがすごく多い作品だったので、何度も止めてセリフを書き取ったりしたら、なんだか見るたびにどんどん印象が変わって、すごく心に残る作品となりました。


3位 あしたのパスタはアルデンテ
原題:Mine vaganti

ちょっとばかし期待外れでした。私の大好きなアレッサンドロ・プレツィオージ様の出番が少なかったこと。あと主人公が何をしたいのかよくわからないこと。そんな不満もアリでしたが、イタリア映画らしい、家族愛にあふれた映画でした。


4位 キスを叶えて 
原題:I baci mai dati

ベスト3には入らなかったけれど、映画祭の中で私が一番気に入ったのがこの作品。映画祭での評判が高かったのは、穏やかな暮らし(Una via tranquilla)のようでしたし、トニ・セルヴィッロの苦み走った感じも好きなんですが、映画として面白方のは、こちらでした。
それほどドラマチックな感じでもないし、家庭のイザコザっていうか、スケールの小さい話なんですけれど、普通の人を丁寧に描く。っていう点で、イタリア映画ならではの良さを感じました。
特に、映画に登場するイタリアの町は、どこも美しい旧市街ということが多いんですが、この映画ではいわゆる集合住宅というか、それも決して裕福じゃない感じのする、狭い家の中で繰り広げられる諍いが、なんていうか、その町全体の雰囲気をそのまま映し出している感じで、イタリアの今が上手に表現されていたように思います。
その意味では、ぼくたちの生活(La nosta vita)の生活にも共通した点がありますが、こっちのほうは、主人公があまりにも衝動的でちょっとついていけない感じでした。
あと、これは邦題が悪いかも。「ぼくたち」ってひらがなで書くことで、なんていうか、まだ10代~20代前半の将来を決めかねてる少年の話。的なイメージがしちゃいます。
「父親がその家族のために必死に金を稼ぐ。」って話なので、もっと生活感というか、ハードな感じにするためにも、まったく別のタイトルにするか、原題を生かすんだったら、せめて『我々の生活』とか『我々の生き方』とか、『我らの人生』とかにしてほしかったです。



ちなみに、ワーストはこちら↓

1位 愛の勝利を-ムッソリーニを愛した女- 
原題:VINCERE

これはストーカーの映画です。


いやもう言い出したらいろいろありますが、こういう映画は生理的に受け付けない。
相手の存在を無視して、過剰な愛情ばかり焦点をあてるのは醜いだけで、「ひたむきな愛」とか、「虐げられた存在」とか、「愛に生きた純粋な人」とかそんな風な言葉で表現をするには、あまりにも利己的で、その押しつけがましさに辟易しました。恋愛において、「自分はこれだけのことをしたから、その見返りがあるべきだ」という考え方は自己中心的だし、近年よく見られるストーカー殺人などと同じで、決して賛美されるようなものではないと思います。

あと、『ベニスに死す』はむかぁ~し、昔、テレビで見たはずなんですけど、あんまり覚えてなくて、昨年あるセミナーでちょっとこの解説を聞いたのと、それと同時にリプリント版が劇場上映されたので、見てきました。
うぅーーーーーーーーーーーん。
えっと、そのセミナーで初めて知ったのですが、ヴィスコンティって映画監督というより、劇作家というか、彼が手がけた舞台っていうのは、何百ってあって、仕事の割合でいうと、舞台監督としてのほうがずっと忙しかったようで、そういう視線で見ると、この映画における芝居ってすごく、劇場的なんですよ。長回しとか、セリフ一つ一つ、表情や腕の動き一つ一つが過剰で、スクリーンで見るには、ちょっとおなか一杯って感じでした。



以下は、映画リスト
つきはがっちゃんオススメ

【あ行】
愛の勝利を-ムッソリーニを愛した女-(VINCERE)
赤いアモーレ(Non ti muovere)
赤いシュート(Palombella Rossa)
アクロバットの女たち(Le acrobate)
あしたのパスタはアルデンテ(Mine vaganti)
明日へのチケット(TICKETS)
明日を夢見て(L'uomo delle stelle)
アパッショナート(Senza Pelle)
甘い生活(La dolce vita)
アマルコルド(Amarcordo)
アマルフィ(邦画)
雨上がりの駅で(Compagna di Viaggio)
アルマーニ(Giorgio Armani: A man for all seasons)
家の鍵(LE CHIAVI DI CASA)
イタリア的、恋愛マニュアル(Manuale d'amore)
イル・ポスティーノ (Il Postino)
インテルビスタ(Intervista)
ヴィットリオ広場のオーケストラ(L'orchestra di Piazza Vittorio)
穏やかな暮らし(Una via tranquilla)
踊れトスカーナ(Il Ciclone)


【か行】
カーネーションの卵(Uova di Garofano)
輝ける青春(La Meglio Gioventu')
キスを叶えて(I baci mai dati)
狂ったバカンス(La Voglia Matta)
グラン・ブルー(Le Grand Bleu)
心のおもむくままに(Va dove ti porta il cuore)


【さ行】
シチリア・シチリア(BAARI`A)
ジュリアは夕べに出かけない(Giulia non esce la sera)
女性上位時代(La Matriarca)
ジョニーの事情(Johnny stecchino)
幸せになるためのイタリア語講座(Italian for beginners)
親愛なる日記(Caro diario)
人生は、奇跡の詩(La tigre e la neve)
セントアンナの奇跡(Miracle at St.Anna)


【た行】
題名のない子守唄(La Sconosciuta)
太陽の下の18歳(Diciottenni al Sole)
トリノ24時からの恋人たち(Dopo Mezzanotte)
トスカーナの休日(Under the Tuscan Sun)


【な行】
眺めのいい部屋(A room with a view)
謎の青いコート(Le Mani Forti)
尼僧の恋(Sparrow)
ニュー・シネマ・パラダイス(Nuovo Cinema Paradiso)


【は行】
パードレ・パドローネ(Padre padrone)
ピノッキオ(Pinocchio)
フェリーニの8 1/2(Otto e mezzo)
副王家の一族(I Vicere`)
ふたりのトスカーナ (Il Cielo cade)
ベニスで恋して(Pane e tulipani)
ベニスに死す(Morte a Venezia)
ベニスの商人(The Merchant of Venice)
プッチーニの愛人(Puccini e la fanciulla)
ぼくたちの生活(La nosta vita)
僕のビアンカ(Bianca)
ぼくは怖くない(Io non ho paura)
ボローニャの夕暮れ(Il papa` di Giovanna)


【ま行】
マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶(Marcello, una vita dolce)
マルセリーノ・パーネ・ビーノ(Marcellino Pane e Vino)
マレーナ(Malena)
Mr.モンスター(Il Mostro)
湖のほとりで(La ragazza del lago)
道(La Strada)
ミルコのひかり(Rosso come il cielo)
息子の部屋(La stanza del figlio)
元カノ/カレ(EX)


【や行】
やがて来たる者(L'uomo che verra`)
山猫(Il gattopardo)
夜よこんにちわ(Buongiorno Notte)


【ら行】
ライフ・イズ・ビューティフル(La vita e bella)
ラ・パッシオーネ(La passione)
ローマの休日(Roman holiday)
ロミオとジュリエット(Romeo and Juliet)


【イタリア語版】
BACIMI ANCORA
BOROTALCO
GATTO E CARDELLINO
GOMORRA
IL PICCOLO DIAVOLO
LE ALI DELLA SFINGE
PRANZO DEL FERRAGOSTO
RESPIRO
VIAGGI DI NOZZE


今年こそは良いイタリア映画に当たりますように!!



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