日伊文化交流協会

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修復について

2007年11月24日 11時20分44秒 | イタリア全般
イタリアと日本との決定的な文化違いの一つに、修復作業があげられると思います。
日本だと、何年か一度の大改修とかが行われると、その囲いが取られたあとは、目の覚めるような鮮やかな色になっていて、かなりの違和感があることが多々あります。数年前に改修が終わった清水寺の門や、奈良の薬師寺(写真:Jacopo)の大講堂などもそうでした。
もうその鮮やかな朱色と言ったら、目に染み入るようでした。
それも、同じ敷地内に、塗り替えを行っていない建物が混在すると、ものすんごぉぉぉ~い、ヘンなんですよ。

それに比べるとイタリアの修復は、修復した部分がどこかわからないように修復するのが極意みたいな感じがします。
つまり毎年少しずつ傷んだ部分をそうとわからないように修復するのがイタリアで、大掃除みたいに、まとめてピッカピカにするのが日本。って感じ。

その意味では、イタリアの修復のほうが「修復」らしい気がします。
日本ではイタリアのことを紹介するテレビ番組がとても盛んで、「世界うるるん滞在記」とか「世界ふしぎ発見」とか、NHKの世界遺産を紹介する番組とか(すいません正確なタイトルじゃありません)色々なんですが、その中でよく言われるのが、真新しくするのではなく、修復した場所がどこかわからないようにすることが一つ。
逆に、絵画などは、修復したあとをわざと残して、後世にまた修復する人が、以前修復した場所がどこなのかわかるようにするのだということです。
これって日本じゃ考えられないことですよね。
修理・修復するんだったら、全面的に直して、完璧に今まさに出来上がったかのように仕上げるのが日本のやりかただと思います。
それは、きっとマンションとか、家の修理には有効なんでしょうが、神社仏閣のような歴史ある建造物にしてしまうと、台無しになるような気がするんです。
今は、唐招提寺がすごい修復をしていますが、どうなるかちょっと心配です。
でも、ミラノのドゥオーモみたいに、覆いのかかっていない姿をほとんどみたこがないというのもどうかと思いますが・・・
つまり、イタリア語で修復は「restauro」これには、修復以外に、元へ戻す。回復される。という意味がありますが、つまりは顔料が剥げた部分があったとしたら、その部分に関して修理を施すのであって、整形手術みたいに、生まれたての真新しくするのではない。ということなのだと思います。
人間も単なる若返りではなく、年を重ねることで美しくなる部分があると思うのですが、残念ながら、日本の芸能界が、子供ばかりをもてはやす風潮があるのは、そういった年齢を重ねて得られる「美」よりも、表面的な「可愛さ」にばかり目がいくからかもしれませんね。
なんだか、今回はちょっぴり重たい話題になってしまいましたが、このところ、イタリア批判が続いたので、今回はイタリアの魅力をご紹介ということで、おゆるしくださませ~


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
修復について (よお)
2007-11-27 16:52:05
同感です!
よくぞまとめて下さいました!!
はっきり言葉にした事も、考えをまとめた事もありませんが
もったいない・・・と思ったことが何度もあります。
二度と元に戻らないのに。
坊サン・神主サン、反対しないのでしょうか。

ブログの中にもありましたが、古い物が今も活用されてて
町のなかに普通にある、イタリアのすばらしい所ですよね。
「冷静と情熱のあいだ」(逆か?)で、修復について触れていましたね。
日本では古墳は大事にしてますが、建物の修復は
本当バッサリですもんね・・・。
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超陳謝 (がっちゃん)
2007-11-30 12:09:55
すいません。お返事遅れて。
気がつきませんでした。
そうなんですよねぇ~。よおさんのおっしゃる通り、まさに「もったいない」なんですよ。
せっかく長い年月をかけて刻み込まれた歴史が全て洗い流されてしう感じがします。
だからと言って、家具や家電製品など家の中にあるものは新しいものがいいんですけど。ハハハ
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