普請道楽

建築家との普請の記録のためのブログ。
しかしすでに家も建ち、今では徒然なるまま感じたことを書く「日日雑記」であります。

デザインコンシャス

2005-11-12 17:59:40 | Weblog
家作りを始めるまで、デザインというものをそれほど意識したことがなかった。
機能、使い勝手が良くて、見た目がシンプルならいいじゃんって思っていた。
しかしそれがデザイン。
そこには歴史があり、反目があり、思想があり、哲学がある。
それにコンシャスになることは、自分の考えにコンシャスになるということ。

そもそも自分のことを考えるという作業は、めんどくさい。
仕事に追われて、その中で相対的にしか、認識できない。
それはつまり、職場での評価とかということなんだけど。
でも実際には、仕事のための自分なのか、自分のための仕事なのかという、
きわめて深い命題もはらんでいる。
そしてそれは、多くの人は後者であることを望んでいる。
しかしそれは日常に忙殺される中で忘れがち。

デザインにコンシャスになることは、そこに自覚的になるとうことだと思う。

最近、読んで面白かった本。
「父の椅子 男の椅子 建築家宮脇檀・名作椅子コレクション」
生前、宮脇檀(みやわきまゆみと読む)が愛した世界の名作椅子を、
その娘さんが、解説するという本。
椅子好きだということは知っていたが、人生という縦糸によって、綴られていくその椅子の物語は深い。
代表的な名作椅子が網羅されていて、椅子に興味のある人にもおすすめ。

離婚し、男手一つで、娘を育てた宮脇檀。
その娘が、結婚を決め、それに反対だった檀が、娘の新居の椅子選びを通じて、
結婚を認めていく下りは、少し感動的でもある。

でも名作椅子って高いんだよね。
デザインに金は惜しむなってことですかね。


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