ばん馬のいる風景-BANEI Photo Gallery -

ばん馬の写真とコラム。2021年夏まではツイートまとめも載せています。

森をきれいにするキララちゃん(その3)

2013-12-07 14:18:20 | 2013年仕事をするばん馬
さて、道内唯一といっていいのではないでしょうか、馬搬を行うのは、大沼流山牧場の西埜さんです。
遠野では、昔ながらの馬搬をしている方に加え、その技術を後世に引き継ごうと、岩間さんという若い方が、ホースロガー」として、世界的に活躍しています。詳しくはこちらのサイトで。
遠野馬搬振興会
馬力舎

さて、西埜さん、最初は横についていましたが、その後、ばんえい競馬みたいに丸太の上に乗ってみました。
ばん馬の歴史も、北海道はそりに乗り、東北はひっぱる。単に林業と農耕の違いなのか、理由はわからないけれどなぜ違いがあるのか不思議です。

たくさん運ぶ時にはコンビフォワーダーを使いましたが、その後、台風で倒れた木を引っ張るのには「どっこい」を使いました。
ちなみに「どっこい」はばんえいでも、そりとの間にあるものを差します。

 

作業の様子は動画で見られます。
倒木の処理をするばん馬のきららちゃん


きららちゃんは、木が倒れる音にも、チェンソーにも動じないのですよね。慣れだそうですが、大事なことですよね。
きららちゃんの馬具、まだまだ募集中です!!

馬具店は今、かなり減っているようです。エルメスなど、靴やバッグなどの革製品の有名ブランドは、元馬具屋だったところが多いですね。
帯広も2店あったうちの一つ、吉川馬具店(大通の「馬具」と看板があったところです)も閉店。競馬場近くの鵜沼さんのみとなりました。
岩見沢駅前には、高橋馬具靴鞄店があります。今は馬具の修理のほか、犬や革製品を扱います。
バッグなどの革製品はもちろん、サラブレッドの鞍でも有名な砂川のソメスサドル製も見たことがあります。馬主さんが奈井江町のゴールデンバージもソメス製でした。
道内はそれくらいかなぁ…ほかにご存じでしたら教えてください。
東北はわからないのですが、「まだまだあまちゃんですが…」に、盛岡の「塩釜馬具店」が出ていました。娘さんが跡を継いでいるようですね。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/iwate/feature/morioka1262452927972_02/news/20100104-OYT8T00054.htm


きららちゃんは元競走馬ではないのですが、遠野の岩間さんのところの馬はサムライキング、元ばんえい競走馬です。札幌観光幌馬車の銀太くんも元競走馬ですよね。

馬車や動物園にばん馬が再就職したという話を聞くことが、以前より多くなったような気がします。うれしいことですね。

ばん馬は、生まれながら人の言うことを聞いたり、ものをひっぱったりするわけではありません。人に教えられて、はじめてできるようになるのです。
その技術のプロが、帯広競馬場に集まっています。プロ集団の集まりは、日本ではここだけです。世界各国でも、ここまでの人数が集まっている場所というのは珍しいと思います。ここだけといっていいんじゃないかなぁ。

ばんえいがなくなったら、誰がこの技術を伝えていくのでしょう。
ばんえいを馬文化、という理由がここにあるのだと思います。

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森をきれいにするキララちゃん(その2)

2013-12-07 13:56:57 | 2013年仕事をするばん馬
苫東和みの森をきれいにするきららちゃん、写真編です。
朝の日差しがきれいです。
開始時間が近づき、子どもたちがやってきました。おそるおそる近づいていきます。怖くないよ~。



丸太を運ぶきららちゃん、2つの道具を使いました。まずは、イギリスから日本初輸入の「コンビフォワーダー」(Combi forwarder)。ここに丸太を乗せていきます。タイヤだとキララちゃんも楽だし、森にも優しい。
ここで詳しく説明されています。
http://www.heavyhorses.net/Pages/equipment_combi.htm



左写真、かじ棒の先あたりにある、木製のストッパー?鍵? わかりますか。小さなマラカスみたいな形の。
これは、コンビフォワーダーを販売している人の奥様が作られたものだそう。木でさまざまな道具を作っているのだとか。
右写真。横腹あたりから後ろに伸びる馬具はばんえいでは見かけない馬具ですね。これは「おまわし」というそうで、「函館駅前 高橋馬具店」というプレートがついていました。



森の中でお仕事中。
子どもたちがついていきます。





コンビフォワーダーは、2本の深緑色の棒で側面を押さえていますが、片方を外すと、そのままごろっと転がして、丸太を下ろせるのです。前側にある網についてるかごに、抜いた棒が入っているのが見えますね。
考えてる~。


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森をきれいにするキララちゃん(その1)

2013-11-27 22:29:28 | 2013年仕事をするばん馬
23日、苫小牧市「苫東・和みの森」で「月に一度は森づくり!」という自然体験会が開催され、今回は馬搬を行うということで見に行ってきました。

「苫東和みの森運営協議会」が、森をきれいにするさまざまな活動を行っています。
この日のブログ。
http://nagominomori.no-blog.jp/weblog/2013/11/11_4e9e.html
2004年の台風18号で倒れた木の処理をするために、大沼流山牧場から、ばん馬のきららちゃん(8歳牝)がやってきました。

きららちゃんには、夏、大沼に会いに行ってきました(まだアップしていないです……)
森の木を真面目に運び→道草食う→運ぶ→道草、と頑張っていました。

きららちゃん、妊娠中だそうです(^o^)
 でも、お父さん誰だかわからないんですってよ……あの子おとなしそうな顔してなかなかやるわね……(※自然放牧だからです笑)

帯広競馬場横の資料館に、農作業をする馬の模型がありますが、横に仔馬がくっついています。お母さん馬が働いているのですね。
きららちゃんは妊娠している、という話をしているとき、年配のおじさんたちは口をそろえて「大丈夫だ」と言ってました。農耕馬は、妊娠中も出産後も働くママなのですね。



突然ですが【急募】!!

・お宅、または知り合いのおうちに、今は使わなくなった「馬具」はありますか? 今、きららちゃんたちが、馬搬の技術を継承しようと活動しています。でも、今きららちゃんが使っているガラはちょっと大きめ…。きららちゃんに合う少し小さめな馬具、また、これから他の馬が馬搬を行うときのために、使わない馬具がありましたら譲っていただければと思います。

・馬運車募集!! きららちゃんがあちこちに行けるような馬運車、ありませんか?

私にメッセージをいただければ伝えますし、大沼流山牧場さんに直接でも。よろしくお願いします。

苫小牧は船が入るということでパレットが多量にあります。これらや、森の間伐材を燃料にしよう、という活動も行われているそうで、今回も、みんなで薪を割って、銭湯の燃料にしました。体験会で頑張った人にはこの銭湯の入浴券が配られました。キララちゃんにも入らせてあげたい感じですね。
子どもたちも薪割り上手です。スタッフUさんの薪割りの腕に感動しましたよ私は。


ということで、文章だけはまとめたのですが、全く写真に手をつけていないので、写真がないと説明できないものは「その2」に続く。

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