ばん馬のいる風景-BANEI Photo Gallery -

ばん馬の写真とコラム。2021年夏まではツイートまとめも載せています。

芸術作品としての馬

2022-01-16 13:31:30 | 2022年
昨日は、ユルリ島を撮影する写真家・岡田敦さんのアートトークを聴きに、帯広美術館へ「道東アートファイル2022+道東新世代」を見に行きました。
興味深い話で、いろいろと考えさせられました。面白かった〜

岡田さんの写真やユルリ島については
ユルリ島ウェブサイト Yuriri.Island|The island of lost world
https://www.yururiisland.jp/
インスタもあります

ユルリ島の馬たちの存在意義については難しい問題で、自分でも答えがでない。
だからこそ、岡田さん自身がそのことと、アートとして表現することをどう思っているのかが気になっていた。
トークを聞き、それは確固たる作品への意志で、バランスが取れているのだと思った。

話を聞きながら、16年前のことを思い出していた。
まだ写真に興味があった私は、ばんえいの風景が、何を撮っても絵になったことに驚いた。
朝調教の美しさを見てて、この景色を残さなくては、と思った。
いつか存続の危機が来るのでは…と感じていたので、景色の美しさで、少しでもばんえいを知ってもらえれば、と始めたのがこのブログ「ばん馬のいる風景」だ。馬はその存在だけで人の心を打つ被写体だ。私が撮った写真でもそう思われるのだから馬の偉大さがわかる。それを利用しているようでおこがましかったが、そんな余裕はなかった。
ブログはそのうち、存続に向けた動きを紹介する場所になった。存続が決まり、そのうち私は写真より、ストレートに馬文化を言葉で表現することを好むようになり、今に至る。
でも、最初の気持ちを思い出す。芸術作品としての馬を純粋に追う。その先にばんえいの将来をぼんやりと見ていた。

ユルリ島は、岡田さんが撮影し続けてきたことが転機となり、結果的に馬を入れ、存続させる流れになった。今後はまだどうなるかわからない。
岡田さんは、馬の存続を願って撮り始めたというわけではない。あくまでもアーティストなのだ。
最初にユルリ島を訪れた時に「圧倒的に美しい世界が広がっていた」。その感動はよくわかる。
それからさまざまな動きがあり、それらを見聞きし理解していく中でも、岡田さんは一貫して自然に向き合い「芸術という枠組みの中で撮っている」。それが芸術家なのだ。(夫もそんなことを言ってたなぁ)

馬文化をどうしたら伝えられるか。そんなことばかり必死に考えていて、素直に馬の美しさを感じることを忘れていた。でも原点はここだと思うのだ。
でも今の私は歴史などの馬文化を追うし、カメラマンは、画家は、芸術を求めていく。馬文化の多様性がもっと広がっていってほしいと思う。

帯広には馬文化が根付いていると言われた。そうかな。まだまだ足りなく感じることもあるが、15年、多くの人の努力でそうなってきた。そういや、こんな町ほかにあるのかな。
馬文化を発信していくマチが増えていけば、と思う。その一つが根室になりつつあるのかもしれない。

個人的には馬を島に運ぶ方法が興味深かった。現地の漁師さんしかその技術はないという。

道東アートファイル2022+道東新世代は道立帯広美術館で3月13日まで。

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