’08/06/03の朝刊記事から
韓国激震 李政権 窮地に 就任100日 支持率20％割れ
牛肉輸入再開を延期
【ソウル2日井田哲一】韓国で牛海綿状脳症（BSE）対策を理由にした米国産牛肉の輸入制限解除（輸入再開）に対し国民の反対が激化する中、韓国政府は2日、国民感情を考慮して3日に予定していた輸入再開措置を延期すると発表した。
2日の韓国の有力紙、中央日報によると、牛肉問題などで李明博大統領の支持率は19.7%に急落、3日に就任100日目を迎える李大統領は早くも窮地に立たされている。
支持率が20％を切るのは大統領就任当初としては異例の低さ。
逆に不支持率は78.1%に上がった。
不支持の理由として「牛肉交渉」が40.8%と最も高く、「国民世論の無視」が15.8%と続いた。
李大統領は2日、与党ハンナラ党の姜在渉代表と会談し「党の意見や各界の重鎮の話をよく聞き、収拾策を提示したい」と述べ、事態打開に向け内閣改造を行う考えを示した。
聯合ニュースによると、牛肉問題担当の農林水産食品相など4人程度の閣僚更迭が近く発表される見通し。
だだ、この収拾策でも輸入条件を設けるよう米国との再交渉を求める世論が収まるのは困難とみられ、韓国政府筋は輸入再開延期を当面続け、再交渉を行う可能性を認めている。
韓国では昨秋、米国産牛肉の一部に特定危険部位の骨が混入していたため、輸入を停止していたが、4月中旬、米韓両国は輸入再開で合意していた。
2日夜もソウル市庁舎前の広場では激しい雨の中、輸入制限の解除に抗議する2千人規模のろうそく集会が開催され、参加者たちは「李明博 退陣」などと書かれたプラカードを手にデモ行進した。
