’07/10/31の新聞記事から
金大中事件 韓国大使が「遺憾」
事実上陳謝で決着
韓国の柳明桓駐日大使は30日、外務省に高村正彦外相を訪ね、1973年の金大中事件について、韓国政府の調査報告書公表を受け日本政府に「遺憾の意」を表明した。
高村外相はこれを事実上の陳謝と受け止め、同事件は外交的に決着したとの認識を示した。
会談は約20分間行われ、柳大使は遺憾表明に加え「こういう事件は二度とあってはならない」と強調。
高村外相は「『遺憾の意』は、韓国政府が日本国の主権を侵害した事への謝罪で、再発防止を約束したと受け止める」と確認を求め、柳大使は「異存ない」と応じた。
金大中事件
韓国の朴正煕軍事政権を批判していた野党指導者の金大中氏(前大統領)が1973年8月8日、東京のホテルで拉致され、5日後にソウルの自宅近くで解放された事件。
拉致現場から在日韓国大使館の金東雲一等書記官の指紋が見つかり、韓国中央情報部(KCIA、現在の国家情報院)の犯行の疑いが強まったが、韓国側は否定。
日本国内では韓国による「主権侵害」への非難が強まった。
韓国政府は同年11月、金鐘泌首相が訪日して陳謝し、第1次政治決着が図られた。
75年には「金書記官解職」を中身とする口上書を韓国が出し、第2次政治決着となった。