ヘンリー王子とメーガン妃夫妻が、事実上の王室“離脱”を発表するに至った経緯が、新たに浮かび上がってきた。
夫妻は8日、「王室の中心メンバーから退き、進歩的で新たな役割を確立するとともに、経済的自立を図る」と公式インスタグラムで発表。チャールズ皇太子とウィリアム王子はテレビで報じられる10分前に知らされ、他の中心メンバーは報道を観て知ったと報じられている。
しかし、昨年、夫妻のアフリカ外遊に同行した友人で英ジャーナリストのトム・ブラッドビー氏は英ITVニュースに、「王室にとって寝耳に水だったわけではない」としている。
同氏によると、夫妻はカナダで昨年11月から6週間にわたり休暇を過ごしている間に、「王室は“スリム化”される予定で、夫妻はその中心メンバーに含まれていない」ことを知らされたという。女王の家族写真から自分たちの姿が消えたことにも心を痛めていたが、その頃から、夫妻は王室を離れる決心を固めたようだ。
ある王室関係者がUSウイークリー誌に明かしたところによると、夫妻は女王や皇太子から公式発表はまだ控えるようくぎを刺されていたという。急きょ、インスタグラムで発表した理由は、英サン紙に計画を嗅ぎつけられたためだった。しかし、結局、同紙が発表の数時間前に一面で報じてしまったという。
さらに、チャールズ皇太子がヘンリー王子夫妻に対し、英国王室から完全に離脱すれば、資金提供をストップすると宣言したとの報道も浮上している。
英タイムズ紙によると、皇太子とヘンリー王子は昨年のクリスマスから、交渉のための話し合いを進めていたというが、皇太子は王子に対し、「金銭的な合意は、夫妻が王室で努める役割次第である」ことを明言したという。
夫妻の95%の経費は皇太子がコーンウォール公領の広大な土地から得る収入から出ており、残り5%は、納税者が収める王室助成金から出ている。皇太子は2018年から2019年にかけて、ウィリアム王子とヘンリー王子夫妻の公務の経費1100万ドル(約12億1000万円)をカバーした。(ニューヨーク=鹿目直子)