サッカ-ではとにかくシュ-トを打たないと点が入らない。ダメで元々という状況の中で放ったシュ-トが試合展開を変えてしまうこともある。日常生活の中でもダメで元々という考えを持つか持たないかで結果は大きく異なる。昔、海外で仕事をしている時に、日本人なら多少無理だと思う事は最初から主張しないで我慢するのに対して、外国人はダメだと分かっていても一応は主張はするという光景に何度も遭遇して軽いカルチャ-ショックを受けたことがある。日本人の大部分が交渉が下手である。下手というより苦手である。休日のフリ-マ-ケットや八百屋さんでは値切っても良いと思っているのに、デパ-トや高級店では黙って値札通りで購入する。間違っても、もう少し安くならないとか、この予算で何とかしてよという交渉をしている光景を見る事がほとんどない。要するに提示された条件を見て波風を立てないような生き方がスマ-トで良いと、沈黙は金なりの考えがどこかにあるようだ。間違ってはないが、無意識的に自分が恥をかかないとか、傷つかない事を最優先にアクションを取ろうとする。相手から先に何か嫌な事を言われると、なんて相手は考えの浅い人なんだろうと思いやすいし、多少の事なら自分さえ我慢しておけば、波風が立たないという考えに陥りやすい。ようするに、相手の考えを十分聞かないで、適当に対処するのが美徳だと錯覚している。欠けているのは、相手の主張を最後まで聞いてみて、それから考えや行動が間違っていると思う点を指摘してあげるという精神的余裕がないことである。言い替えると本当のやさしさがないのである。欧米と比較しても、自分と相手の立場を代えて、議論をするロ-ルプレイイングの経験が比較的に浅いので、常に自分に同調する人としかうまくやっていけない若い人が増えている。ダメで元々の考えがあれば、落ち込むこともないし、自分の考えを発することは出来るので少しは相手にも自分の考えが伝わる。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥という言葉の、聞くものは相手の主張だと思えば、自分の役割というものが自然と見えてくる。ビジネスでも恋愛でも、人間関係の枠組みの中で生きて行く限り、ダメ元精神で挑戦する小さな勇気を身に付けるという事が生きる知恵の1つだと思う。ダメ元精神は、ハングリ-精神と似ている。最後の最後まであきらめないというネバ-ギブアップの気持ちがあれば、人に対してもやさしくもなれるものである。サッカ-の話に戻ると、今夜放映されるワ-ルドカップの強化試合のマルタ戦。ダメ元でもシュ-トを何本も放ってもらいたい。負けてチ-ムの不協和音や監督の指揮に疑問なんて見出しの新聞を明朝に見ないで済むことを祈りたい。最後は選手一人ひとりのハングリ-精神が強いか弱いかだけの勝負である。
最新の画像[もっと見る]
- イイチコ(iichiko)との出会い 12年前
- 千円あればポルシェをレンタカ- 12年前
- 昼と夜の光景 12年前
- 昼と夜の光景 12年前
- 赤紙 12年前
- ガソリンスタンドを見かけなくなった 12年前
- バレンタインのチョコの値段 12年前
- バレンタインのチョコの値段 12年前
- バレンタインのチョコの値段 12年前
- 1クリックで判る。中国の大気汚染の日本への飛来状況 12年前