テレビがなかった時代の台風情報は当然ラジオに頼らざるを得なかった。スピ-カ-から流れてくる風速30mの暴風雨というアナウンスに伴って、聞こえてくる風の音や波の音は、映像がないだけに、頭の中で想像するしかなかったが、聞くほうとしては、かなりの緊迫感があった。特に、進路情報や雨量に関しては、おもわずメモをとっていた記憶がある。当時、まだ小学1年生の頃は、避難先の学校に行く途中で出会う大人たちが、雨合羽に長靴、懐中電灯を持っている姿は、本当に頼もしく思えた。床下浸水を経験した時は、鉄筋コンクリ-ト住まいの友達がうらやましかった。木造に住んでいると、雨戸を閉めていてもガタガタと飛んでいきそうな音を立てるし、電線が強風にあおられた音も良く聞こえるし、時折ミシミシという風に耐える壁や柱の音まで聞こえてくる。テレビで台風情報が見れるようになってからは、アナウンサ-が海岸で波しぶきをかぶりながら、強風に立ち向かって現場中継をするのを見ると、台風接近という臨場感を伝えたいという気持ちも分かるが、もう少し安全な場所で中継すればと何度も思う。カメラマンも生々しい画像を送信したいという気持ちの表れだと理解できるが、敢えて危険を冒す必要はないと思う。川の水かさが増し、濁流のそばからの実況中継もしかりである。台風一過の空の青さと、近くの川に行けば野球のボ-ルや誰かの池で飼っていた、鯉や金魚が流れてくるのを網ですくって遊んでいたのが子供時代の台風の思い出である。
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