「狂うひと 「死の棘」の妻・島尾ミホ」梯久美子 2016/10 読了 ☆☆☆☆☆
666ページ定価3000円の読み応えある単行本を12日かけて、やっと読み切る。島尾文学のミューズと言われた妻の島尾ミホの生涯が描かれ、狂うほど愛した人物像が浮き上がる。ある程度「死の棘」の内容や島尾夫婦の軋轢ある関係は知っていたが、本書で初めて知る数々の衝撃的なエピソードや推測に驚かされる。終戦時の極限状態、妻の狂気、作家の業、どの場面においても驚愕と感動の連続だった。
なによりも驚いたのは、この評伝を書いた著者が、遺族の協力もあって島尾家での遺稿・遺品整理に参加することを許されたこともあるが、敏雄・ミホ夫妻のそれぞれの著作、日記や手紙から、草稿やノート、メモのたぐいまで、膨大な資料をもとに何年もかけて執筆したエネルギーとパワーだ。
夫妻の著作や日記などから虚構と事実の境目がわからなくなり謎はいくつか残るが夫妻の心理に迫った近年読んだ本の中で圧巻の一冊だった。
本書の装幀は39年前に「死の棘」の装幀を担当した人が担当し、戦時中の島尾隊長と出会ったころのミホの顔写真がカバーに使われていた。
666ページ定価3000円の読み応えある単行本を12日かけて、やっと読み切る。島尾文学のミューズと言われた妻の島尾ミホの生涯が描かれ、狂うほど愛した人物像が浮き上がる。ある程度「死の棘」の内容や島尾夫婦の軋轢ある関係は知っていたが、本書で初めて知る数々の衝撃的なエピソードや推測に驚かされる。終戦時の極限状態、妻の狂気、作家の業、どの場面においても驚愕と感動の連続だった。
なによりも驚いたのは、この評伝を書いた著者が、遺族の協力もあって島尾家での遺稿・遺品整理に参加することを許されたこともあるが、敏雄・ミホ夫妻のそれぞれの著作、日記や手紙から、草稿やノート、メモのたぐいまで、膨大な資料をもとに何年もかけて執筆したエネルギーとパワーだ。
夫妻の著作や日記などから虚構と事実の境目がわからなくなり謎はいくつか残るが夫妻の心理に迫った近年読んだ本の中で圧巻の一冊だった。
本書の装幀は39年前に「死の棘」の装幀を担当した人が担当し、戦時中の島尾隊長と出会ったころのミホの顔写真がカバーに使われていた。