なんとなくな日々

SL残日録(個人的なメモ帳)

追想起

2010年06月28日 23時59分33秒 | 本・雑誌
「いまも、君を想う」 川本三郎 2010/5 読了 ☆☆☆☆
夫婦で過ごした三十五年の歳月の豊饒で透明感に包まれた愛妻への追想記に心が浄化される。仲がいい夫婦でもいずれは1人になる。独りの老後をどう生きていくかを考えさせられる。
死者の追悼は静かな祈りのなかでおこないたい、簡素で静かな葬儀に共感する。「人間の一生で、臨終ほど荘厳なものはない」(映画「赤ひげ」で三船敏郎演じる江戸の名医は言った)

「カムフラージュ」 有吉玉青 2010/5 読む
恋は楽しいものだと教えられたけれど――。最近、恋人とうまくいっていないことを担当教授に相談したのがきっかけで、絵に描いたような幸福なはずのさまざまな人生に、小さなほころびが生まれて……。(出版社)

「小川洋子の篇愛短篇箱」小川洋子:編著 2009/3 読む
「この箱を開くことは、片手に顕微鏡、片手に望遠鏡を携え、短篇という王国を旅するのに等しい」小川洋子が「奇」「幻」「凄」「彗」のこだわりで選んだ短篇作品集。谷崎から田辺聖子まで。(出版社)