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DAZN観戦 2023年J3リーグ第3節 FC今治vsFC琉球

2023-03-24 17:02:27 | サッカー視聴記(2023年その他)

<両軍スタメン>

  • コイントスでコートチェンジ。

数多J2から降格してきたクラブの受け皿となっているJ3。
そのJ3自身も、今季から始まった(正確には再開された)JFLへの降格制度という恐怖の門が開き。

前年に降格が決まってしまい、再びJ3に舞い戻る格好となった琉球もその立場は同じ。
前年のJ3リーグは、降格組の相模原が最下位に沈むという衝撃的?な結末もあり、どのクラブが突き落とされてもおかしくない状況です。
そして1年でJ2へ復帰する事は至難の業(過去の成功例は大分の1クラブのみ)という、まさに新たなる魔境と化しつつあるリーグ。

そのネガティブぶりをあまり感じさせないのが、この日の相手である今治と、そのホームである今治里山スタジアム。
前年リーグ戦を戦っている間にも着工が進められ、この度完成・開場。
現在はまだJ3規模の集客力(最大5316人)しか無いものの、今後拡張を目指すという、まさにJ参入して間も無い昇り調子の今治の形を示している風でもあり。
しかしその今治の足下にも平等に襲い掛かる、降格への恐怖。
果たしてそれを振り払い、J2昇格に到達する日は来るかどうか。

試合が始まると、中々ボールが落ち着かないなか、お互いがゴールを目指す入りに。
琉球は前半3分、1トップの野田が中央からドリブルの後にミドルシュートを放つと、これがゴール左へ際どく外れる惜しいフィニッシュ。
一方の今治は、右からのスローインを軸として攻め上がり。
4分に山田のクロスが上がると、ヴィニシウスがバイシクルでシュートを狙いにいきましたが、手前でクリアされて撃てず。

立ち上がりの攻防を終えると、双方ポゼッションを高めにいく時間となりましたが、お互いプレッシング意欲旺盛のため中々厳しい状況に。
そんな中で今治は、最終ラインで繋ぎつつも、一度前へ送るとスピードアップさせて一気に敵陣を脅かす攻撃が冴え渡ります。
この日は期待の新戦力・ドゥドゥが初スタメンという事で、裏抜け・速さの面で戦力アップを果たしたのもあり。

15分琉球のロングボールをパクスビンがカットすると、拾ったヴィニシウスがスルーパスをドゥドゥに送り、琉球のベクトルを反転させ。
そして左からのスローインに繋げると、細かい繋ぎを経て新井がカットインからエリア手前でシュート。
GK田口がセーブするも、ドゥドゥが反応良く詰めて追撃、強烈なシュートがゴールポストを叩いたのちゴールイン。
ドゥドゥの能力がフルに活かされた攻めで、早くも先制点に辿り着いた今治。

スコアが動いた事で、動揺からか琉球のポゼッションが揺らぐ中、尚も攻める今治。
22分に敵陣でボール奪取ののち最終ラインへ戻し、市原の縦パスを受けたヴィニシウスがエリア内左へスルーパスと、ここも素早い前方への運び。
そして走り込んだドゥドゥが今度はマイナスのクロスを入れ、後方からヴィニシウスが合わせてシュートを放つも、枠を捉えられず。
助っ人2トップによるゴールの競演、とはいきません。

ビハインドであり、嫌でもボールポゼッションによる攻撃を貫かなければいけない琉球。
最終ラインを3枚にしつつ、サイドバックを高目に上げてのビルドアップはもはや言葉は要らないといった感じであり。
前年緊急的に挟まれたナチョ・フェルナンデス前監督による真逆のサッカーを挟んでも、その伝統は健在なのでしょう。
この日はサイドチェンジを多用し、それも敵陣深めで敢行する場面が目立ち。
クロスを上げても良いような位置で、送った浮き球がエリア手前の逆サイドに渡るというその絵図が印象的でした。
密集させたのち展開、というのがサイドチェンジですが、やはり敵ゴールに近い位置でそれを果たした方がポケットを突き易くなるのは当然であり。
そんな、伝統に一手加えるという手法で攻撃権を支配する琉球。

それでもフィニッシュに辿り着けずにいると、30分過ぎ辺りからは最終ラインからの縦パスを、降りた2列目の選手に受けさせる手法を見せ始め。
この日はトップ下に富所、左SHに武沢と、前年まではボランチでのプレーが中心だった選手が出場。
中盤へ降りて受け、その後さばくという彼らの姿に違和感は無く、これも理に適っている振る舞いでしょうか。

そんな、相手を崩すのに試行錯誤を重ねた琉球ですが、ポゼッションスタイル故の悩みには逆らえず。
フィニッシュは結局36分の上原のミドルシュート(枠外)のみに終わります。

一方今治の攻撃は、プレスを強めに掛かる琉球の前に中々機能せず。
立ち上がりは短く繋いでいたゴールキックも、次第にロングフィードへと移行する事となり。
前線にボールを送り、後はヴィニシウスを中心としてインテンシティ勝負といった感じの敵陣でのサッカーだったでしょうか。
44分には敵陣左サイドでボールキープするヴィニシウスに対し、武沢が倒されながらディフェンスするも、この際にチャージしてしまい武沢の反則に。
すると武沢がヴィニシウスに対しヒートアップする絵図が生まれるなど、「パワーサッカーに対し難儀する」というようなシーンも作ってしまう琉球。

結局1-0のまま前半を終え。
視界良好な今治に対し、それを塞がんとしハーフタイムで動く琉球。
鍵山→金崎へと交代し、富所をボランチへと移す策を採って来ました。

金崎・野田の2トップなのか、あるいは4-2-3-1のままなのかという戸惑いがあったでしょうか。
今治サイドはそれを確かめようとしていたのか、琉球のキックオフで始まると、上原の裏へのロングパスを照山がクリア出来ずに野田に渡り一気に危機に。
そしてエリア内でGKと一対一を作った野田、シュートを左へと蹴り込みゴール。

後半開始の笛から、あっという間の同点劇となりましたが、それだけでは終わりません。
続く後半2分再び琉球が好機、自陣からのスローインを金崎がフリック、これはクリアされるも尚も繋いで左サイドを前進。
そして武沢のスルーパスに走り込む金崎が奥から低いクロス、ニアサイドへ入れられたボールに合わせたのは外から走り込んできた人見。
野田を見ていたのか今治ディフェンスはこれに対応出来ず、シュートを許した結果ゴールネットに突き刺さるボール。
僅か2分足らずでの逆転劇に、色を失うホームの今治サポーター。
その後のキックオフで、ヴィニシウスがセンターサークルからそのままドリブルで持ち上がるという絡め手を見せる事で、何とかファイティングポーズを保つ(ように見えた)今治。

投入された金崎は、見た目ではトップ下として攻撃を流動化させる役割を果たしているようであり。
9分に今度は右サイドで縦パスを受ける金崎、スルーパスを送ってそこに走り込んだ上原がクロス。
ニアサイドに今度は武沢が跳び込みますが、僅かに合わずクリアされ。

今治はやはりショックを隠せないのか、攻撃にリズムが生まれず時間を浪費していき。
コーナーキックを得ても、そこからカウンターを浴びてしまう(9分、金崎がミドルシュートを放つも枠外)など、厳しい状況を強いられます。
13分には中盤でボールを奪われ、再び金崎にカウンターを受けそうな所で、ドリブルに入った金崎を腕で倒したパクスビンが反則・警告を受け。

そんな被害状況を受け今治ベンチが動いたのが17分で、警告付きとなったパクスビンを退かせ。
安藤と代え、同時にドゥドゥ→近藤へと交代するとともに、ヴィニシウスが1トップの4-2-3-1へシフト。
新井がトップ下・山田がボランチへとシフトし、投入された安藤・近藤がそれぞれ右SH・左SHと、中盤の攻勢を弄ってきました。
そしてそれと同時に、16分にサイドチェンジをミスした人見がどうやら足を痛めてしまったようで(痛めたためわざとタッチに出した風にも映り)担架で運ばれ、琉球も被害による交代措置を採る事に。
今治はそれによる数的優位の間の18分、敵陣でのボール奪取を経て安藤から右からカットイン、ポケットからシュートを放つもGK田口がキャッチ。
そして19分に琉球がカードを切り(野田・人見→阿部・荒木)、ようやく今治が本格的に追う立場となる展開が始まった、といった所でしょうか。

前半のようなギアチェンジからの素早い攻めは、ビハインドのため敢行するのは至難の業である今治。
そのため中盤の人数を増やし、ボールサイドに人を掛けてその圧で前進していくという攻めに入ります。
アタッキングサードでパスを繋ぎ、琉球ディフェンスを揺さぶってフィニッシュに持っていかんとする攻撃を貫き。
21分に安藤がペナルティアークからシュート(GK田口キャッチ)、23分には右ハーフレーンで新井のスイッチを経て近藤がミドルシュート(GK田口キャッチ)と、エリア手前でのシュートは増えていき。
しかし決定機までは持ち込めず。
エリア内に持ち込もうとすると、人数を掛ける分どうしても細かいパスが増えていき敵・味方ともに密集を作ってしまい、強引に切り込むもシュートは撃てずという絵図を繰り返してしまいます。

窮状を打破すべく、31分に再び動く今治。
山田→楠美へと交代し、これによりボランチは攻撃時ほぼ縦関係で、楠美がアンカー・三門は前線に絡むという役割を固定化させます。

その三門が決定機に絡んだのが33分。
右からのスローイン、パスワークに新井のカットインを挟め、逆サイドへ展開ののち冨田がシュート気味にグラウンダーでクロス。
これを走り込んだ三門がファーサイドで合わせ、ネットに突き刺し。
同点弾に沸き立つサポーターでしたが、その刹那オフサイドの判定が下されてぬか喜びに終わってしまいます。
攻め込むも追い付けないという状況に、焦りが加わる今治。

一方琉球も、こうした今治の圧をモロに受けてしまう、つまり攻め込まれ続ける状況へと追い込まれ。
今治の最後の交代(先程の31分)以降、攻撃機会は殆ど無く。
後方でボールを持ってもクリアを選択するばかりになるなど、ビルドアップはままならず。
追い付きたい焦りと、守りきりたい焦りのぶつかり合いは、サッカー的にはクリアボールから始まる跳ね返しの応酬という絵図に露わになる事となりました。

こうなると、組織力云々よりも精神力の勝負、といった状況でしょうか。
琉球が39分に最後の交代(武沢→高安)を敢行しても、今治が敵陣でサッカーを展開し続ける状況は変えられず。
それでも今治は、闇雲にエリア内へ放り込みを続ける手法では無く、ひたすら決定機を探し続けショートパスを繋ぐ戦法を採ります。
簡単に「後はエリア内で何とかしてくれ」というボールを送る事をしたくなる、誘惑との戦い。
これも一種の精神面での勝負か。

そして突入したアディショナルタイム。
CKを得た今治ですが、クロスの跳ね返りを拾った近藤のミドルシュートが枠を大きく外してしまい。
GKセランテスこそ、ヴィニシウスをターゲットとしたフィードを送るものの、あくまでも陣地回復のための手法。
そしてそのフィードから再び繋がり、安藤のカットインからのクロスで再度CKに持ち込む今治。
キッカー三門は中央へクロスを送り、冨田がヘディングシュートを炸裂させましたが、GK田口のセーブに阻まれ。

折角放った枠内フィニッシュも防がれては、最早これまでという空気も流れるのも仕方無く。
それに従うように、その後琉球が敵陣に持ち込み、ボールキープで逃げ切りを図るシーンが描かれ。
市原がボール奪取してそれを切った今治ですが、時間は既にAT4分を経過し、とにかく攻め上がるしかない。
それでも敵陣でショートパス主体での攻めを貫き通します。
そしてそれが報われる時が訪れ、右サイドでの前進から中央→左へとサイドを変え、左から冨田がクロスを入れる体勢に。
これがブロックに阻まれるも、こぼれ球が中央へと転がった所へ、近藤がすかさずシュート。
豪快にゴールネットを揺らし、同点に追い付いたと同時に試合終了の時を迎えるという、まさに最後の最後でモノにした今治。

こぼれ球が、クロスに備えた琉球ディフェンスの虚を突くように転がったのは恐らく偶然でしょうが、それを呼び込んだのは今治の精神力に他ならず。
昇格のためには、こうした精神力を試される戦いが続く事が予想されますが、モノにする事が出来るでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第5節 大分トリニータvsジェフユナイテッド千葉

2023-03-23 16:01:18 | サッカー視聴記(2023年J2)

※前回の千葉の記事はこちら(2節・山形戦、0-2)

<大分スタメン> ※()内は前節のスタメン

<千葉スタメン>

  • 攻撃時は3-1-4-2へと可変するのが基本。
  • GK新井章が前節負傷交代のためベンチ外。
  • 熊谷が4試合ぶりのスタメン復帰、その代わりに小林がベンチ外。
  • 福満が今季初のメンバー入りで、即スタメン。
  • 田邉がJ1川崎へ緊急的にレンタルバックされたため登録抹消。

スタートダッシュに見事成功したのが大分。(3勝1分)
ロースコアの接戦が続いているものの、それだけに目に見え辛い面でのパワーアップを果たせている感もあり。
元々地力はあったのに加え、下平隆宏監督の2年目という事で、正統的進化をするチームはやはり強いといった所でしょうか。

一方、開幕節こそ勝利したもののその後失速気味の千葉。(1勝1分2敗)
新監督(小林慶行氏)の下サッカーのイメージチェンジを果たし、見た目的に華々しい出だしとなったものの、やはり実質が伴うのはまだ先なのか。
特に前節は、従来苦手としているパワーサッカースタイルの秋田に敗戦と、本質的には変貌出来ずにいる節が疑われる試合となり。

試合開始となると、その実質の面で差が如実に表れ。
前半2分に早くも自陣でのパスミスから危機を招く千葉、奪った大分は素早く左へ展開して高畑のクロスが上がり、ファーサイドで茂が折り返す(シュートは撃てず)というシーン。
この日はGKに鈴木椋が入っていた事もあり、このクロス対応でもその後難儀を見せます。

6分の大分、GK西川のロングフィードで一気に左サイド裏を取るという得意手の疑似カウンターを炸裂させ、受けた高畑が奥へ切り込んでクロス。
この高く上げられたボールに跳び出したGK鈴木椋ですが触れられず、こぼれ球を野嶽がシュート。
ブロックした跳ね返りをさらに伊佐がシュートと攻め立て、このシュートは鈴木椋が防いだものの、見た目的に「反応できずに直立不動の所にボールが当たる」というようなセーブ。(その後さらに弓場がミドルシュートもブロック)
久々の出場で緊張が拭えなかったのか、動きの悪さが目についた鈴木椋。
その後もフィードが乱れがちで、サイドを狙えばタッチを割り、呉屋をターゲットにすれば距離が出ずに跳ね返され。

最後方がチームに与える安心感が、この日は失われていたといった印象の千葉。
大分が敵陣で攻めを展開するのに対抗する余裕も無くなり、反則を連発してしまう事態に繋がったでしょうか。
上記の好機の直後、さらにペレイラが呉屋のアフターチャージで倒されて反則(呉屋に警告)、直接フリーキックを得る大分。
中央からですが距離はかなりある所から、キッカー高畑は果敢に直接狙うもシュートはゴール右へと外れ。
しかし12分にも、再び千葉のパスミスを奪い、野村がキープする所三鬼に倒されて反則。
今度も先程とほぼ同じ位置からの直接FKで、再び高畑が直接シュート。
そしてコースも同じく右を狙うと、今度は右隅ギリギリを襲い、ワンバウンドののちゴールポスト内側を叩いた末にゴールイン。
浮足立った千葉の隙を突いた先制点を挙げました。

リードを奪われた事で、落ち着きを取り戻すかのように主体的に攻める千葉。
相手の大分が3-4-2-1という事で、普通の4-4-2の、つまり松田が右サイドバックとして振る舞うような攻撃が中心となり。
21分にはその松田が、熊谷ライナーで縦パス→小森浮かせるフリックを受けてエリア内右を突き、中央へパスを送ったものの繋がらず。

一方リードした大分、以降敵陣でボールを奪っても無理にカウンターにはいかず、ポゼッションの確立へと移行するシーンを頻発させます。
この辺りが完成されたチームという感じで、「四局面のフレームワーク」をよく理解した立ち回りに映り。
GK西川が疑似カウンターの恐怖を植え付けながら、最終ラインから隙を伺えば良しという意識を貫きます。

その最終ラインのビルドアップでも、プレッシング主体の千葉をいなすだけの地力を見せ付け。
中央から右へとパスを出した上夷が、ペレイラがプレッシャーを受けるのを見越してすかさず自身も右へと移動し前方へパスコースを作ってあげるという具合に、「ここでこうしたら次はどうすべきか」の選択が絶妙。
闇雲にプレッシングを掛けても奪えないと、解らせに掛かっている風でもありました。
29分には足下でキープするGK西川が、プレッシャーを呼び込んだのちロングフィード、胸で落とした伊佐がその後再びペレイラの裏への浮き球に走り込み。
これを再び胸トラップののちミドルシュート(枠外)と、フィニッシュもしっかり見せていく強者の立ち回りを貫き。

そんな一枚も二枚も上手の相手に対し、どう追い付きそして逆転を目指すかという展開を押し付けられる千葉。
前述したGK鈴木椋のフィードの悪さもあり、中々ボールに絡む事が出来ない呉屋の苛立ち(古巣相手に活躍したい、という思いも強かったはず)もピークという感じに。
序盤で既に警告を受けている立場だけに尚更でありました。
27分には中盤でボール奪取の後、小森がロングシュートを狙う場面もありました(威力が足りずGK西川抑える)が、ここでも裏へ抜け出さんとした呉屋がオーバーリアクション。

結局好循環を得れないまま、前半を終える事となった千葉。
扇の要の正GK新井章が居ない影響は甚大という感じで、中心選手が誰か1人欠ければこうなる辺りがまだ発展途上のチームの証明でもあり。

そのハーフタイムで大分の方が動き、キャプテンの梅崎が交代。
町田が投入されたものの、こちらも扇の要が大ベテランの域ゆえのスタミナ面の不安を抱えながらのシーズンでしょうか。

しかし梅崎1人が抜けたと言っても、やる事は変わらない大分。
後半2分に再びGK西川からロングフィードが送られ、右サイド裏で抜け出した茂がクロス。
ブロックされるも拾い直してパスワークに移り、細かい繋ぎを経て右ポケット奥に進入、弓場が角度の無い所からシュートを狙うもGK鈴木椋がセーブ。
この辺りも強者の貫禄、といった具合に試合を進めていきます。

それでも8分、千葉の攻撃の際に縦パスを潰しにいった弓場が熊谷をチャージしてしまい反則・警告。
その直後に右サイドでの前進から中央へ渡り、田口のダイレクトパスが繋がって見木が中央突破を図る好機に。
小森への縦パスが遮断されエリア内へこぼれた所、前進の勢いのまま拾いにいった見木でしたが、あろう事かシュート体勢に入っていた呉屋と被ってしまいフィニッシュにすらいけず終わります。
得点どころか、さらに呉屋のフラストレーションが危惧される場面となってしまい。

しかし徐々に敵陣でボールポゼッションを展開するシーンが増えていく千葉。
大分は梅崎が退き、さらに9分に野村が熊谷のチャージで痛むという事態も発生したか、好機は目に見えて減少していきます。
それでも千葉は肝心な場面でのパスのズレが目立つなど、流れの悪さを取り払うには至らず。
15分についに敵陣で前に出た鈴木大がボール奪取してから素早い攻撃に持ち込み、エリア内で呉屋に渡る好機。
ディフェンスに遭いこぼれた所を小森がダイレクトでシュートしますが、GK西川のセーブに阻まれます。
その後17分にベンチも動き、呉屋・福満→風間・田中へと2枚替え。

千葉の攻撃を受ける機会が増えた事で、単純なクリアで切るシーンを多く作ってしまう大分。
前半とは打って変わって……という展開ですが、それでもヘッドでのクリアボールを、巧いポジショニングで拾うなど相変わらず目に見え辛い所での巧さは随所で見せ付け。

そしてそれが結果に繋がったのが27分でした。
ここもクリアボールに対し町田がポストプレイで繋ぐと、拾った野嶽が右ハーフレーンをドリブル。
そして手放したのちに伊佐のダイレクトのスルーパスに走り込み、千葉ディフェンスを文字通り切り裂いた末にクロスを送り。
これをファーサイドで高畑がヘディングシュート、ループの軌道となりGK鈴木椋を越えてゴールに吸い込まれ。
今度は流れの中での頭でのゴールで、この日2点目を挙げた高畑。

痛すぎる追加点となった千葉、ここから2点を奪うのは至難の業、という状況であり。
しかも田邉移籍の影響でベンチメンバーも薄くなってきたのか、その後際立った動きはベンチは見せる事が出来ず。
結局37分に熊谷の故障(またか……)で、ブワニカと交代したに留まります。(風間がFW→シャドーへシフト)
守備に徹する大分に対し、敵陣でポゼッションを高めるも崩すのに苦労と、難しい攻めを強いられる千葉。

一方の大分、ベンチは33分に伊佐・高畑→サムエル・藤本へと2枚替え。
その後はロングボールをサムエルの強靭なフィジカルで収めさせるというスタイルへと移行します。
しかしこの投入で攻めっ気が出たのか、35分に藤本が左からカットインの末にエリア内中央からシュート。
これがブロックされると直接千葉のカウンターに繋がり、右サイドで田中が持ち上がり、スピードを緩めさせたものの野嶽の(田中への)アフターチャージで反則・FKとなり。
このサイドからのFKを、田口のニアへのクロスを小森が足で合わせたものの、GK西川がキャッチ。

大分サイドは、こうして隙を見せるのだけは避けたい所。
これが良い警告となったか、以降はサムエルのボールキープを絡めつつ、千葉から好機を減らす立ち回りへと入ります。
44分に守備固めの一環で、羽田→弓場へと交代。

道中サムエルが田中と頭部同士激突してしまい痛むシーン(38分)もあるなど、千葉にとっては流れを作り難い展開を強いられ。
フィニッシュに辿り着く事は殆ど出来ず、時間はアディショナルタイムへ突入します。

もう時間が無いという中、風間縦パス→小森フリックでエリア内を突いた所をブワニカが走り込む好機となり、大分はクリアでコーナーに逃れ。
このCKからの二次攻撃で、最終ラインまで戻した後にGK鈴木椋フィード→跳ね返りを拾った風間右からクロス→ファーで新井一折り返し。
これでようやく崩しに成功し、ブワニカがフリーでシュートしてゴールネットを揺らし、遅まきながら得点をもぎ取った千葉。

しかし反撃もここまでで、2-1のまま試合終了。
千葉にとっては序列を崩す勝利を挙げられず、黒星先行という苦しい状況に追い込まれた格好に。
反面大分のスタートダッシュはまだ続くという流れで、本物の強さをも醸し出す勝利でありますが、果たして勢いは何処まで持ち越せるでしょうか。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第5節 ツエーゲン金沢vsレノファ山口FC

2023-03-22 16:39:24 | サッカー視聴記(2023年J2)

<金沢スタメン>

  • 前節は開始直前で井上→庄司へとスタメン変更、ベンチメンバーを1人削る事に。試合前練習での故障が原因か。

<山口スタメン>

  • 前節は4-2-1-3との事(佐藤・矢島のドイスボランチ)、微妙にマイナーチェンジ。
  • 守備時は、河野が一列上がって4-4-2に。
  • 高橋が3節で負傷交代(脳震盪との事)したため離脱中。
  • 大槻が今季初のベンチ入り。

開幕から4連敗と、唯一の勝ち点無しという最悪の滑り出しになってしまった金沢。
開幕節(ヴェルディ戦・0-1)で早くも、チームの完成度の低さが露骨に表れた格好となり、終始ヴェルディに主導権を握られ続けての敗戦。
この試合こそ1失点でしたが、以降複数失点が当たり前の状態に陥り。
一方攻撃の方も、シュート数は4試合で4・4・8・5本と厳しい数字が並ぶ低調ぶり。
それでも「コンビネーションは良くなっている」という柳下正明監督の試合前のコメントからして、時間の経過とともに良化していく算段でしょうか。
しかし(この日含め)5試合ともスタメンの選手はGK白井・藤村・林の3人のみと、最適解を探す作業自体は止めていない模様であり。

今季はサイドバックというポジションに助っ人を充てている金沢。
そのバイーアが立ち上がりから左サイドで攻撃に絡み、彼を中心とした細かいパスワークをアタッキングサードで展開していきます。
しかし効果が実るどころか、逆に前半5分にその攻撃からバイーアの入れたクロスに対し、ボレーシュートにいった林が空振りしてしまい好機を逸し。
そこからカウンターを受ける有様で、吉岡がミドルシュートを放って(ブロック)攻撃を終了させた山口。
その後の9分には自陣から組み立てるも、孫の縦パスがコース上に居た石原に当たってしまい、河野が拾った事で逆に山口の好機に。
そして矢島のミドルシュートがゴールを襲う(GK白井セーブ)という具合に、早くも暗雲立ち込めるといったシーンを描きます。

相手の失策もあり、主体的な攻撃をする権利を得た山口。
最終ラインからのビルドアップで金沢のプレッシングをいなしながら、矢島が裏狙いのパスで組み立てていく攻めを見せていき。

それでもこの日の金沢はそんな山口に喰らい付き。
13分には敵陣で攻撃が途切れ、山口が反撃に移った所を逆に井上が奪い返して攻撃継続。(その後右から櫻井がアーリークロスも林には合わず)
所謂トランジションの連続という絵図であり、チーム状況が悪い中でこうしたカオスを描く事でファイティングポーズを保つ、といった印象を残します。

そうして迎えた17分、山口の攻撃を石原がボール奪取して切りすかさずドリブルと、そのトランジション力を発揮する金沢。
スルーパスを受けた林が尚も切り込んで右からクロスを入れると、松本がこれをブロックで防ぐも、上げた腕に当たったとしてワンテンポ遅れてハンドを告げる笛が鳴り。
しかもその場はエリア内であり、金沢のPKという結果が齎されます。(松本に警告)
林がキッカーを務め、GK関の逆を突いて左へ蹴り込みゴールゲット。
この先制点で、今季初のリードを得る事となりました。

アドバンテージを得た事で前向きになる金沢ですが、キックオフからの山口の攻撃を、今度は林がハンドで止めてしまうという珍妙な絵図が生まれ。
これが文字通りのお返しとなってしまったか、直後の20分。
前の裏抜けを狙ったロングボールをクリアした金沢ですが、石原が拾った所を矢島の反則気味のディフェンスで奪われて山口の攻撃は継続。
そして上がっていた前に対しスルーパスが出され、左ポケットからの絶妙なグラウンダーのクロスが入ると、皆川が合わせシュート。
至近距離でGK白井がセーブするも、こぼれ球を吉岡が詰めてゴールネットを揺らし。
山口がすかさず同点とし、金沢リードの時間は僅か2分となってしまいました。

しかし22分今度は山口サイドが最終ラインでパスミスを犯し、金沢がコーナーキックをゲット。
この左CKから、クロスの跳ね返りを梶浦がダイレクトでシュートし、ゴール左を襲ったボールを松橋がブロックで防ぎ。
尚も藤村のクロスが上がるなど攻撃は続き、またもCKに持ち込む金沢。
ここからもクロスの跳ね返りを梶浦がミドルシュート、ブロックされてさらにCKに。
再びクロスの跳ね返りを拾った石原がミドルシュート(ブロック)と、3連続でフィニッシュに持ち込みました。
そしてさらに攻撃を仕掛ける所、梶浦が河野に倒されて反則、今度は中央やや左からの直接フリーキック。
キッカー藤村が直接狙うも、これは惜しくもゴール上へと外れ。
しかしこれまでのフィニッシュの少なさを払拭させるには十分な攻撃となりました。

その後は金沢が、試合開始直後と同様に左サイドアタック。
今度は縦に速い攻撃が中心となり、バイーア自身の仕掛けが目立ちます。
シュートは35分に加藤のクロスの跳ね返りを藤村がミドルシュート(ブロック)の1本のみでしたが、ポゼッション主体の山口に対して、カウンターの恐怖を植え付ける事には成功したでしょうか。

山口は押され気味な状況を理解したのか、佐藤が最終ラインに降りてのビルドアップが目立つようになります。
そして迎えた40分、ここも佐藤が降り、3枚の最終ラインの前に矢島が位置取るという「丁の字型」を作って組み立て。
しかし佐藤のパスを後ろ向きで受ける体勢の矢島、金沢の前線3人が山口の3人をしっかり見ている姿を目にしたためか、戻しでは無くフリックを選択。
これが距離を詰めていた梶浦にカットされる事態となり、ショートカウンターに持ち込んだ金沢、林の右ポケットへのスルーパスに走り込んだ石原からクロス。
このグラウンダーのボールを奥田が綺麗に合わせ、ゴールネットを揺らします。
再びリードの時間を得た金沢。

それも束の間、と言わんばかりに42分に山口が再び好機。
再び最終ラインの組み立てから左サイドで長いパスを松橋が受けたのを契機に、上がってパスを受けた矢島が左ポケットを突き。
そしてカットインを経て中央からシュートするも、威力が足りずGK白井がキャッチして防ぎ、何とかリードを保った金沢。
このまま前半を終える事となりました。

共に交代は無く、(審判団の登場が遅れた末に)迎えた後半戦。
山口はビルドアップの失敗で勝ち越されたのを気に病んでか、その形を変えて挑みます。

左SBの前がボランチの位置へと可変し、時には右サイドに張り出して攻撃に絡み。
佐藤も降りる事はせずに最終ラインの前でプレーし、疑似的にボックス型を作る体勢で臨みました。

これにより敵陣で人数を掛けるようになった山口ですが、可変による弱点が顔を出してしまう事となり。
後半6分縦パス攻勢を仕掛けるも、エリア内のスルーパスに前が走り込んだ所を櫻井にカットされると、その櫻井がドリブルで持ち上がり。
前不在の右サイド(山口から見て左サイド)を駆け上がる櫻井、そしてエリア内へスルーパスが送られ、走り込んだ奥田がシュート(オフサイドで無効)という具合にカウンターを展開した金沢。
12分にも同じようにスペースを櫻井がドリブルで持ち上がるなど、被カウンターの心配を増やす事となります。

そんな恐怖と戦いながら、何とか同点を目指す山口。
10分に再び中央からの直接FKを得ますが、今度は距離がある位置。
それでも前が直接シュートを狙い、低い弾道で密集を抜くボールで紛れを狙ったものの、GK白井が正面でキャッチ。

金沢のカウンターは16分に再度発動し、自陣での奥田のボール奪取から今度は中央を突破、石原のドリブルを経て最後は奥田が左からのカットインでエリア手前中央からシュート。
しかしゴール右へと外れてモノに出来ず。
直後に山口は3枚替えを敢行、吉岡・松橋・佐藤→田中・小林・五十嵐へと交代。
前節スタメンの選手を投入しただけでなく、佐藤の退いたボランチには矢島がシフトと、大きく変化してきました。

その後も前の可変は変わらず、しかし五十嵐が中央での中継点を果たす事でスムーズさを加え。
そして決定機に辿り着いたのが22分、五十嵐を経由して左サイドに展開ののち、小林がドリブルから低いクロス。
中央で河野が足下で受けた所をGK白井が前に出て掻き出すも、そのボールをさらに皆川が追撃。
しかしジャストミートしなかったのが災いし、白井の倒れたまま出した足にセーブされてしまいモノに出来ません。

するとこれが響く格好となり、23分にロングパスが加藤にカットされると、すかさず出された縦パスを受けた林を前が潰しにいくも奪いきれず。
林が倒れるもアドバンテージとなった格好で、間髪入れずにまたも前の居ないスペースを突く金沢、梶浦のスルーパスを受けた石原からグラウンダーでクロス。
そして合わせたのはまたも奥田で、2点目と類似した流れで放たれたシュートがゴールへと転がります。
2点差とし、初勝利に向けて盛り上がる石川県西部緑地公園陸上競技場。

もはや総攻撃に出るしかない山口。
その後は五十嵐がフィニッシャーとして跳梁を見せ、27分・29分と立て続けにシュートを放つも決められず。(両者ともブロック)
守備を固める金沢に対し強引に攻め込むも、決め手に欠け。

そして30分、今度は自陣からのFKによる金沢の攻撃で、GK白井ロングフィード→加藤フリックで一気に前線に運ばれ。
左サイドからの林のスルーパスがエリア内中央を突き、走り込んだ石原のシュートこそGK関がセーブするも、加藤にこぼれ球を詰められて万事休す。
勝負を決定付ける4点目が金沢に入ります。

過去4試合が嘘のように、攻撃陣大爆発の金沢。
逆に信じられないという山口サイドでしょうが、攻めなければならない状況を受け、守備に穴が開きすぎな印象は拭えず。
そんな精神状態を打開すべく、大ベテラン・山瀬を投入したのが35分。(河野と交代・同時に皆川→大槻に交代)

直後の36分にその山瀬に好機が訪れますが、小林がドリブルから縦パスをエリア内へ送った所、受けたのち反転してシュートするもブロックに阻まれるというもの。
ここは小林へポストプレイで戻してほしかった所であり、いかに経験豊富な選手といえど苦境を受けては視野が狭まるのは避けられず、といった所でしょうか。

金沢は37分に初めて交代カードに手を付け。
これまでの苦難を経て、この試合で最適解を見つけたと言わんばかりにスタメンを引っ張っていたようでもあり。
その内訳は林・奥田・石原と得点を挙げた3人を揃って代え、バイアーノ・杉浦・島田を投入というものでした。

そしてその交代選手も結果を出します。
直後の38分、中盤でのボールの奪い合いを経て、裏へ出されたパスに走り込む杉浦。
一旦遮断されるも拾った嶋田から再度スルーパスが送られ、受けてそのままGKと一対一に持ち込み。
前に出るGK関を左にかわし、無人のゴールにシュートを転がした杉浦、見事にダメ押しの5点目を叩き出しました。

思わぬ大量失点を喫した山口。
ここまで失点を重ね、ようやく前の中央絞りを改める選択を採ります。
以降反対に右SBの高木が中央に位置取るシーンを作るなど、この「SBの可変」は試行錯誤を続けるような雰囲気でしたが。

しかし尚もカウンターに持ち込む金沢。
45分にまたも櫻井が右サイドをドリブルで持ち上がりアーリークロス、ニアサイドで杉浦が走り込んでヘディングシュート。
完璧な流れで合わせたものの、ゴール右へと外れて6点目は挙げられず。

そのまま金沢圧勝の流れを保って迎えたアディショナルタイム。
バイーア→小島へ交代し、その歩みを維持して時間を進めていきます。

しかし最後にミソが付き。
山口は再び普通のSBの振る舞いを前にさせた結果、小林のスルーパスに走り込んだ前を嶋田が倒してしまい、反則の笛が鳴り。
しかも際どい所ながらもエリア内という事で、PKゲットという成果を得ます。
このキッカーを務めたのは、24年連続ゴールが掛かった山瀬。
臆する事無くゴール左へと蹴り込み、GK白井の当てた読みを上回りネットに突き刺し。
偉業達成は果たされましたが、それと同時に試合終了を告げる笛が鳴り、5-2で金沢勝利という結果に終わりました。

大勝したものの依然として失点が目立つ金沢と、守備崩壊の予兆が表面化する事となった山口。
引き分け以上に痛み分けのような数字が残ったものの、この衝撃的な結果を受けて金沢は修正、山口は建て直しに勤しみたい所でしょう。

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DAZN観戦 2023年J2リーグ第5節 栃木SCvs大宮アルディージャ

2023-03-21 16:01:07 | サッカー視聴記(2023年J2)

<栃木スタメン> ※()内は前節のスタメン

  • 3節で負傷交代した大谷がベンチに復帰。

<大宮スタメン>

  • 出場停止明けの浦上がスタメンに復帰。
  • 石川が今季初のベンチ入り。
  • 栃木・大森渚の実弟である大森理生はベンチ外で、兄弟対決とはいかず。

共に2年目の監督同士の対決。(栃木=時崎悠氏・大宮=相馬直樹氏)
とりわけ戦術的にも大きな違いは無く、お互い手の内は判っている、といった試合になったでしょうか。
それだけに、大宮・相馬監督の試合前インタビューでの「どういった試合展開になるか」という質問に対する「良くわからない」という答えが趣深く。
相手を理解しているからこそ、ぶつかった結果がどうなるか判らないのか、ないしはそういった思惑を隠すための駆け引き的な返答だったのか。

試合が始まると、その大宮が、相手の栃木の特性を良く見ているかのような立ち回りを演じます。
つまりはプレッシング意欲を逆手に取り、最終ラインで何度かのパス回しの後に裏狙いのロングパスを送るという攻撃。
アンジェロッティのポストワークを囮としながら、サイドハーフに裏抜けさせるというハッキリしたサッカーを見せていきました。
一方栃木もその大宮の攻撃を防ぎながら、矢野・宮崎のツインタワーを狙ってのロングボール攻勢という立ち回り。
徐々に持ち味の前線のプレッシングも相手にアジャストさせ、前半10分には西谷のボール奪取から、森がダイレクトで裏狙いの浮き球を送るも繋がらず。

立ち上がりのそうした攻め合いが繋がらなくなり、落ち着き始めた際にどうなるかという展開に。
栃木サイドは、最終ラインからの繋ぎに活路を見出すという前年の通りの姿勢を見せ始め。
一方の大宮はアンジェロッティをサイドに開かせ、裏抜けとターゲット双方をこなす体勢を作る、といった攻め。

先に有効打となったのは大宮で、サイドを意識させたうえで中央から好機に繋げたのが23分。
袴田の縦パスを左ハーフレーンで受けた高柳、そのまま中央に向かってのドリブルで前進ののち、ペナルティアークからシュート。(ブロック)
27分にも中央から小島がスルーパスを送り、カットに入られるもこぼれ球を中野が拾い、ラストパスに走り込んだアンジェロッティがエリア内からシュート(GK藤田セーブ)とフィニッシュを重ね。
目に見えて押され始めた栃木、30分には高柳のパスカットから大宮のショートカウンターで、再びエリア内のアンジェロッティへラストパス。
そして放たれたシュートは大森渚がスライディングでブロックと、徐々に際どい好機となっていきます。

流れを変えたい栃木、直後(同じ30分)にクリアボールを自陣で宮崎が収めたのち、彼から受けた植田がセンターサークル内でロングシュートを狙い。
ゴール左上へ外れるも、この強引なフィニッシュが奏功したか、以降攻撃権は逆転します。
33分に大宮のビルドアップを左サイド(大宮から見て右サイド)で嵌め、これがウイングバック(森)・左センターバック(大森渚)が前に出て奪うという実に栃木らしい敵陣での奪取。
この攻撃が反則で止められると、フリーキック→スローインからの攻撃を経て、神戸のミドルシュートがブロックに当たってコーナーキックへ。
そしてCKが3本続くという流れのなか、2本目の右CKからクロスの跳ね返りを西谷がボレーシュート、これが枠を襲うもGK笠原のセーブに阻まれます。

その栃木のプレッシングは、前の5人vs大宮の4バック+ボランチの6人という体勢が基本形。
先程大宮に中央突破を許していた影響か、ボランチを切りつつ中央を固めるという意識を強めて対抗します。
そしてサイドに出させたうえで、果敢にWBと左右のCBが前に出て奪いにかかるというスタイル。

ペースを握って終盤を迎え、42分にはGK藤田のロングフィードから空中戦を制し、黒﨑が右サイド手前からクロス。
これを宮崎が綺麗に合わせるも、放たれたヘディングシュートはゴールバーを直撃と決めきれず。
一方で見せた変節も対応され、劣勢を強いられた大宮は43分に小島が反則気味にボール奪取してからの好機。
右から柴山がカットインで仕掛け、中央へのパスがカットされたこぼれ球をアンジェロッティがシュート。(枠外)
こちらも多少強引なプレーを交え、ペースを取り戻さんとします。

こうして攻防が続きながらも、スコアは動かずに前半が終了。
動き辛い試合展開と言わんばかりに、ハーフタイムでの交代も無く後半を迎えました。

そんな状況での立ち上がり、栃木は中央からのFKを得ますが、遠目での位置。
大宮サイドも壁を作らないなかで、キッカー植田は思い切って直接シュートを狙い。
GK笠原が正面でキャッチするも、中々動き難いなかで強引さを押し出す立ち回りだったでしょうか。

そして最終ラインからのビルドアップにより、攻撃権を支配していく栃木。
大宮は攻撃を切っても、ポゼッションを交えて落ち着く事はままならず。
前半通りにSHの裏抜けか、アンジェロッティ狙いのロングボールを中心とするも、せざるを得ない展開を強いられていた感じでしょうか。

そして先に動く大宮、後半14分に中野・柴山→室井・泉澤へと2枚替え。(高柳が右SHへシフト)
いかにも流れを変えようという姿勢の相馬監督。

15分の大宮、最終ラインからの繋ぎを選択し、ここでは迫る栃木のプレッシングを地上でかわしきりに成功。
そして栗本が最終ライン裏へ浮き球を送り、室井が走り込んで好機になりかけるも繋がらず。
しかし栃木は、室井に追走していた福島が足を痛めて続行不可能となる事態が発生します。
たまらず栃木・時崎監督も動き、福島を諦めてこちらも故障から復帰して間も無い大谷を投入。(同時に植田→根本へ交代)

これで状況は一変し、交代投入された2人の居る左サイドで跳梁する大宮。
19分には袴田縦パス→アンジェロッティポストプレイ→泉澤裏へロングパスという流れで、抜け出した室井がワイドからカットイン、そしてエリア内中央からシュート。(ブロック)
22分には再びアンジェロッティのポストプレイを交えて左サイドで前進、泉澤が得意のドリブルからスルーパスを選択し、エリア内へ室井が走り込み。
これが岡﨑に引っ掛かって倒れてしまうも反則の笛は鳴らずと、際どい所での凌ぎを強いられる栃木。

そうした流れで迎えた25分、栃木の攻撃が途切れた直後にカウンターを仕掛ける大宮。
右サイドから高柳のアーリークロスがブロックされるも、CKとなるや否や素早くショートコーナーで再開させる高柳。
一旦はクリアされるも最終ラインから繋ぐ二次攻撃、この際に浦上は戻って来るも、袴田を残した上で再度右からクロスを入れる体勢に。(そもそも素早いリスタートにも拘わらずCBが上がっていたという点で栃木は惑わされた感があり)
そして高柳のクロスをその袴田がファーで折り返し、これをアンジェロッティが綺麗にボレーシュートで仕留めます。
主導権の奪い合いのを制した末に、先にリードを奪った大宮。

イニシアティブは得た大宮ですが、同時に長らく緊迫した展開を強いられた影響が危惧されたその後。
リードした事もあり、ボールポゼッションで落ち着くという思惑を見せ始めた大宮。
しかし28分に最終ラインでのパスのズレを突かれ、ボールカットに入った根本が浦上に倒されて反則となり、根本は警告を受けてしまいます。
すかさず、このFKでの攻撃後に高萩を投入する栃木。(宮崎と交代)

そしてその後も大宮のミスから栃木の好機は続き。(30分にはオフサイドの位置にいた根本に浮き球が出るも、大宮ディフェンスのクリアが挟まり根本に渡ったためオフサイドにならず)
暗雲を振り払わんと、その後泉澤の得意の左ワイドからの跨ぎフェイントからの仕掛け(31分)などを見せ攻め込む大宮。

しかし結局その危惧の部分からスコアは動きます。
34分再び(ロングボール回収ののち)自陣でボールを持って落ち着かんとする大宮に対し、栃木は森がプレッシャーを掛けて岡庭からボール奪取。
そしてそのままドリブルから果敢にミドルシュートを放つと、豪快にゴール右へと突き刺さり同点に。
苦境を一人で打開したような森のゴールでしたが、大宮にとってはリードを奪ってからの緩みを修正できなかったのが悔やまれる失点となりました。

そしてその流れは止まらず。
36分大谷のロングパスを収めた根本が右ポケットを突き、一気に好機を作る栃木。
彼のヒールパスは栗本が遮断するも、こぼれ球に対してGK笠原と高萩が競争となり、セーブとスライディングが交錯した結果ボールはゴールの中に。
あっという間の逆転ゴールとなり、沸き立つ栃木サイド。
リプレイでは笠原に当たった跳ね返りが高萩の腕に当たり、それがゴールに入ったという映像が流れたものの、VARの無いJ2では覆りようは無く。
前述の通り、大宮サイドが締められなかった故にここまでの場面を招いたという事で納得するしかないでしょう。

勝ち越しに成功した栃木、その直後に西谷・黒﨑→佐藤・福森へと2枚替え。(森が右WBへと回る)
大宮も40分に最後の交代、アンジェロッティ・栗本→河田・富山へと2枚替え。
これで高柳がボランチに回るという、文字通り得点しなければならないという布陣を敷きます。(富山は右SH)

しかし5-4-1のブロックで自陣を固める栃木に対し、有効打は中々放てず。
その外側でパスを回しながら隙を伺うも、一向にそれは見つけられません。
パスワークの中から、袴田が前線に上がっていくシーンが何度か見られましたが、アディショナルタイムも間近に迫ると完全に前線に固定となる袴田。
そして富山も室井と入れ替わりでFWに回るなど、完全なパワープレイ体制に賭ける事となり。

そして突入したAT。
変化を付けようと、高柳がハーフレーンからスルーパスで富山を走らせたり、泉澤のカットインでポケットを突くもののやはり守備の硬さの前にシュートまでは行けず。
防いだ栃木は、前掛かりの大宮の裏を突いてロングパスを送り、それを受けた根本がコーナーでキープする体制を築く逃げ切り体制に。
その後に再び左サイドで福森が同様の体制に入らんという所で、試合終了の時を迎えました。

過去4試合で1得点のみという栃木が、この試合で2点取っての逆転勝利。
胸すく展開で挙げた今季初勝利でしたが、浮上に繋げる事が出来るか。

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DAZN観戦 2023年J1リーグ第5節 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌

2023-03-20 16:00:37 | サッカー視聴記(2023年J1)

<両軍スタメン>

  • 札幌の方は、2トップかないしは小林の1トップなのかは流動的。

かつては「浦和vsガンバはJリーグのナショナルダービーだ」という評価を受けていただけに、現在の凋落は見るに堪えない状況のガンバ。

再びの浮上を託した先が前年までJ2徳島を率いていたダニエル・ポヤトス監督なのですが、その期待に応える事は今の所無く、目下4戦未勝利。(2分2敗)
そもそも「外国人監督による建て直しを」と目論んだにしてはその選択自体が中途半端に感じるものであり、手近でJ1経験もある人材を選ぶという虫が良すぎる人事。それ以前に浦和の「二匹目のドジョウ」を狙った節があり
前年の広島(ミヒャエル・スキッベ監督)の選択と躍進と比べればあまりにも……といった感じであり、またガンバの病の根深さを痛感してしまうものです。

その「過去の栄光」の時代である監督が西野朗氏(2002年~2011年)なのは疑いようは無いですが、それがあまりに華々しかったため、10年という長期政権の末にフロントは自我を見失ったようでもあり。
西野氏以降の外国人監督を見てみると、セホーン氏(2012年)とレヴィー・クルピ氏(2018年)の2例のみ。
そしてその選択の結果が芳しくなかったとあっては、今回の選択も「ああ、そうか」と納得してしまうもので。
新たな人材を呼ぶコネクションも無く、何となく良かったという人物をただ適当に選ぶといった感じに陥っては居ないか。
前年の片野坂知宏氏の選択と結果からしても、そんな事を考えさせられてしまうものですが、泥沼からの脱出は果たせるのか。

前置きが長くなりましたが、ガンバのホーム・吹田スタジアムでの一戦。
流石に仮にも一世を風靡したクラブだけに、全方位サポーターで埋め尽くされる客席。

しかしその期待に応えられず、試合の方は早くも札幌に主導権を握られます。
札幌のキックオフからの攻撃は、ロングボールを右ウイングバックの金子の下に送るという「いつものやつ」でしたが、それを簡単に通された末にセットプレー攻勢に持ち込まれるガンバ。

そして前半6分の札幌2度目のコーナーキック(右サイド)で、キッカー福森のクロスをファーサイドで岡村が落とし。(ここで古豪の三浦が競り負けるというのもなあ……)
中央に転がった所を素早く小林が詰め、シュートをゴール左へと突き刺し先制に成功します。

一度も攻撃を仕掛ける事無く、早くもビハインドを背負ってしまったガンバ。
対札幌という観点では2年前の虐殺劇(1-5)を思い出させるものでありますが、気を取り直して反撃体制に。
そのスタイルは、いかにもポヤトス監督の思惑が良く反映されたものであり。
最終ラインからのビルドアップは選手間の距離が長めで、かつアンカーが降りる事無くアンカーの位置を保つという手法。
しかし反映され過ぎているといった感じで、可変があまりにも少ないうえに遊びのパスも無いので、マンマーク守備の札幌が対応に苦しむ事は殆ど無く時間が過ぎていきます。(この辺りは、放送席の解説・橋本英郎氏が幾度も言及していたのが印象的)

アンカーのラヴィがボールを触る回数もごく稀で、GK東口を中心としたロングボールでの前進が巧く繋がれば……といった立ち回り。
10分にその東口のフィードを、福田がフリックから自ら収めたのち前進、左ポケットを突いての戻しを経てアラーノのミドルシュート(ブロック)に繋がり。
その後の札幌のカウンターをラヴィがボールカットして防ぎさらに攻撃機会を齎す(シュートまではいけず)など、ラヴィ自身はその経歴に違わず良い選手と感じたものの、それが活かされる機会があまりにも少ないといった印象でした。

そんな循環の悪さを何とか誤魔化しつつ、今季初スタメン(というか、これが移籍後初スタメンでもある)の山本理がパサーとして振る舞わんとします。
ラヴィがマークに遭いパスを回せないなか、リズムを変えんという山本理に対し、札幌サイドもそのチェックを強めに掛かり。
19分に連続して(菅と荒野に)反則を受けた山本理、2度目のフリーキックは右ハーフレーンから直接狙える位置となり、自ら蹴りにいきます。
しかし放たれた直接シュートは、ゴール右へと外れてしまいモノに出来ず。

この日の主審はイングランド出身のトム・ブラモール氏という事もあり、札幌はややその判定の基準に悩まされていた風であり。
17分に金子があろう事かファウルスローを取られたという場面もあり、それを境にガンバがにわかに攻撃権を支配するといった流れで進んでいた試合。

しかしスコアは突然動き……というか、コントのような展開で齎され。
32分ガンバは敵陣でサッカーを展開していたものの、パスを遮断されて拾い直した福田は最終ラインへのバックパスを選択。
しかし江川と三浦の間に転がったこのボールに2人とも反応が遅れ、逆に小柏が掻っ攫った事で齎される札幌のカウンター。
そのままGKと一対一を作った小柏、放たれた強烈なシュートがGK東口を弾いてゴールに突き刺さり。
札幌にとっては大きな追加点でしたが、与えた側の振る舞いがあまりにも安すぎるといった1点に。
この辺りも、チームを覆う悪循環が福田から視野を、江川・三浦から反射能力を奪わせていたようでした。

思わぬ形で2点リードとなった札幌も、アクシデントに塗れる事となり。
18分に浅野が三浦に反則気味のチャージで奪われて以降、その影響で試合から消えがちとなっていましたが、43分についに限界に。
恐らくはハーフタイムまで我慢すると決め込んでいたのでしょうが、無念の交代となりました。(馬場と交代、荒野が一列上がり馬場がボランチへ)
一方ガンバも、直後に再度山本理がチャージを(宮澤に)受けて痛んでしまうなど、終盤は故障というファクターが顔を利かせるようになり。

迎えたアディショナルタイム、ガンバは乾坤一擲といった攻撃で、黒川がパス&ゴーで山本理のスルーパスからクロスに持っていき。
これをファーサイドで杉山がボレーシュートにいくも浮いてしまい、尚もエリア内で繋ぎ攻撃を続けたガンバ。
最後はラヴィのミドルシュートがゴール上へ外れて終わったものの、これで「ラヴィが良い形で絡む」という答えを見つけた感があり、後はそこに辿り着く道筋。
結局0-2のまま前半終了となり、埋め尽くされたサポーターからブーイングを一斉に浴びる事となったガンバでしたが、未だ試合は判らず。

札幌サイドにアクシデントがあった影響か、HTでの交代は無く。
山本理も元気に出場を続け、始まった後半戦。

何とか反撃したいガンバは後半6分に好機。
黒川のパスカットから左サイドで前進し、アラーノがドリブルで左ポケットを突く場面を作り、戻しを経て逆の右サイドへ。
そして杉山のクロスをファーで福田が落とし、鈴木のいる中央で紛れを作ったものの、ゴール方向へこぼれたボールはGKクソンユンに阻まれて惜しくもゴールはなりませんでした。

これを逃した影響か、以降札幌の攻撃機会が続く展開に。
ここまではガンバのプレッシングが緩い事もあり、札幌サイドもロングボール一辺倒に陥る事無く、本来のパス回しを貫けているといった攻撃。
敵陣でサッカーを展開する時間も多くあり、後は流れの中でフィニッシュ数を膨らませれば……という感じだったでしょうか。
得点もセットプレーと相手のエラーからによる2点であり。

窮地のガンバは11分に2枚替え、福田・山本理→ダワン・石毛。
これでアラーノが左ウイングへと回り、インサイドハーフ2枚を代える手法となりました。

しかしこれが結果的に当たります。
流動的なポジション取りをする石毛にチーム全体釣られたか、ここから様々な位置でパスを受け始めるガンバ選手。
14分、右サイドで降りてパスを受けた鈴木からダワン→杉山→ラヴィとダイレクトでボールが回り、ラヴィのスルーパスに抜け出したのは半田。
そして右ハーフレーンを前進したのち中央へラストパスを送り、走り込んだ石毛が合わせてゴールネットを揺らします。
ボールに触れる事が少なかったラヴィと鈴木の2人が活かされた末に、最後はそれを呼び込んだ石毛が仕留めるという理想形で1点を返し。

さらに畳みかけたのが16分、再び鈴木がGK東口の縦パスを降りて受けたのち、今度は左サイドから前進。
またもラヴィの縦パスから石毛を経由して黒川が抜け出し、低いクロスがファーサイドでフリーの杉山へ。
折り返しを選択した末に、中央でアラーノが合わせてゴールに突き刺し。
あっという間の同点劇に、先程のブーイングも忘れたかのように沸き立つスタンド。

勢いに乗り、プレッシング意欲も旺盛になるガンバディフェンス。
しかしあまりに乗り過ぎていた所為か、21分に福森に対しアフターでスライディングを敢行して削ってしまった半田が警告を受けるという具合に、若干空回りも見られ。
23分には左サイド深めの位置でアラーノがボールカットを見せる(その後ディフェンスに遭いCKに)等、この流れのまま一気に逆転といきたかったガンバ。

しかし札幌ベンチも動き、25分に福森・宮澤→中村桐耶・中島へと2枚替え。
荒野が再度シャドーに回ったのみならず、田中駿と馬場のポジション入れ替えも敢行するなど荒療治を見せます。
同時にガンバもアラーノ→食野へと交代。

配置換えの影響か、ビルドアップを遮断されるという場面も減少し、左右センターバックの押し上げも目立ち攻め上がる札幌。
26分には敵陣で中島の強引なドリブルから右ポケットを突き、金子が奥からクロス。
そしてファーサイドで小林がボレーシュートで合わせるもブロックに防がれ。

その一方で、攻撃に人数を掛ける札幌の背後を突くガンバ、投入された食野が左サイドで仕掛けるシーンも増えていき。
35分にはCKから、キッカー石毛クロス→ラヴィヘディングシュートもGKクソンユンのセーブに阻まれ。

攻撃のシーンが交錯する、一進一退といった流れ。
一気呵成といけなかったのはガンバの方でしたが、札幌もなまじポゼッションを確保出来ている影響か、敵陣でパスワークを展開してもフィニッシュに辿り着く事は少なく。
36分に小林→スパチョークへと交代し、スパチョークの推進力を投入してもそれは変えられず。
綺麗に攻めきりたいという意識が強かったのでしょうか。

ガンバも41分に最後の交代、黒川・杉山→福岡・山見へと2枚替え(江川が左サイドバックへシフト)して最終局面へ。
そして42分にカウンターの好機が訪れ、クリアボールをキープする食野のミドルパスで一気に敵陣へ。
山見のクロスはクリアされるも尚も攻撃は続き、今度はエリア内右奥からの山見のクロスが上がり、鈴木がヘディングシュート。
しかしまたもGKクソンユンがセーブし、どうしても3点目が奪えないガンバ。

ATに突入し、スタンドの雰囲気も味方に付けて攻め上がるガンバでしたが、それ故に逆転現象が起こっていたでしょうか。
つまりは攻撃機会が増えていくうちに、札幌のカウンターを許してしまう展開を自然と招き寄せる事に。
そして最後にそれが訪れ、石毛のシュートがブロックされた跳ね返りが直接中島に渡り、ドリブルからのスルーパスで右ポケットを突く札幌。
奥から小柏がクロスを入れ、ブロックに当たるもニアで受けた中島がシュートと際どいシーンになるも、GK東口が足でセーブして危機一髪。
結局決定打が生まれる事無く、2-2のまま試合終了の時を迎えました。

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